カニで腹痛?原因と対処・受診目安
最終更新日:2025-12-30
カニを食べた直後〜翌日に腹痛が起きたとき、食中毒や甲殻類アレルギーなど複数の可能性が考えられますので、症状の出方と時間軸を手掛かりに初期対応を整え、重症サインでは速やかに受診へつなげることが大切です。
目次
カニを食べて腹痛が起きたときにまず知っておくべき症状と初期対応
よく見られる症状:腹痛・下痢・嘔吐・発熱の特徴
海産物由来の食中毒では、激しい腹痛や水様性の下痢、発熱、嘔吐が典型的で、食後8〜24時間で症状が出るケースが多いと報告されています(仙台市の食品衛生情報、医療法人AGIHの解説を参照)。特に腸炎ビブリオは上腹部の差し込むような痛みと水様性下痢が目立ち、37〜40℃程度まで熱が上がることがあり、刺身や寿司、そしてゆでガニを介した事例も知られています(仙台市・医療法人AGIH)。
ノロウイルスのような食中毒は、冬季に流行することが多く、症状は嘔吐と下痢が主ですが、発熱は軽度の場合もあります。
まず行うべき応急処置と避けるべき行動
- 失った水分と電解質の補給を最優先にし、経口補水液や薄いスポーツドリンクを少量ずつ分けて飲むと吸収されやすいでしょう。
- 数時間は無理に固形物をとらず、落ち着いてきたら消化の良いもの(おかゆ等)を少量から再開すると負担が軽く済みます。
- 下痢止めは血便や高熱、強い腹痛がある場合に自己判断で使うと悪化のおそれがあるため、使用前に医療機関へ相談するのが無難です。
- 飲酒は脱水と症状悪化につながるため避け、体を温かくして休むことが重要です。
仙台市などの公的情報でも、食中毒では脱水への注意が繰り返し示されており、こまめな補水と安静が推奨されています。
初期段階での受診検討ポイント(脱水・高熱・血便)
- 口の渇きや尿減少、めまいなど脱水の兆しが強い時
- 38.5℃以上の高熱が続く、あるいは血便やタール便が出現した時
- 嘔吐が持続して水分が全くとれない時、乳幼児・高齢者・基礎疾患のある方
これらは医療機関の受診を急ぐサインです。特に血便や高熱は重症感染の手掛かりになりやすいため、早めの相談をおすすめします。
(参考:仙台市「腸炎ビブリオ」および医療法人AGIH「食中毒の種類と症状について」)

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腸炎ビブリオやノロウイルスなど、カニで起きる食中毒の種類と発症タイミング
腸炎ビブリオとは:特徴と起こりやすい食材
腸炎ビブリオは海水由来の細菌で、魚介類を介して夏〜秋にかけて発生しやすく、激しい腹痛や水様性下痢、発熱、嘔吐を呈し、潜伏期間は8〜24時間が目安とされています(仙台市、医療法人AGIH)。カニは調理済みでも、盛り付けや保管の不備で二次汚染が生じると原因になり得る点が重要です。
ノロウイルスとの違いと臨床上の見分け方
ノロウイルスは冬季に流行しやすいウイルス性胃腸炎の代表で、少量のウイルスでも感染し、家庭や施設内での二次感染が非常に起こりやすいことが特徴です。嘔吐が強く、下痢は水様性で血便はまれ、発熱はあっても高熱にならないケースが多いとされています(厚生労働省Q&A、国立感染症研究所)。一方、腸炎ビブリオでは激しい腹痛と水様性下痢が目立ち、季節性や喫食歴(海産物・生食・不適切な保管)を合わせて推測しますが、最終的な確定には医療機関での検査が望ましいでしょう。
それぞれの潜伏期間と症状が出始めるタイミング
- 腸炎ビブリオ:概ね8〜24時間(仙台市、医療法人AGIH)
- ノロウイルス:概ね12〜48時間が目安(厚生労働省Q&A、国立感染症研究所)
ただし個人差があり、食べた量や体調、同時に摂った他食品の影響で前後するため、喫食から発症までの時系列をメモして受診時に伝えると診断の助けになります。
甲殻類アレルギーが原因で腹痛になる仕組みと見逃せない症状
アレルギーの原因タンパク質(トロポミオシン)とは
エビ・カニに含まれる筋肉タンパク質の一種「トロポミオシン」が主なアレルゲンとして知られており、感作された方が摂取すると免疫反応が過剰に起き、消化器症状に加えて皮膚や呼吸器の症状が出ることがあります(食中毒鑑定所の解説)。
腹痛に伴う皮膚症状・呼吸症状・重症化のサイン
じんましんやかゆみ、口唇やまぶたの腫れ、喘鳴や呼吸苦、吐き気・嘔吐・下痢などが現れ、重症化するとアナフィラキシーに至ることがあります(食中毒鑑定所/管理栄養士監修ブログの解説)。摂取後数分〜数時間で急速に進行することがあるため、呼吸困難、意識障害、全身の蕁麻疹、血圧低下などが出た場合は救急要請をためらわないでください(エピネフリン自己注射を処方されている方は指示に従い使用し、直後に受診)。
既往歴がある場合の注意点と医療連携のヒント
過去にエビ・カニで症状が出たことがある方は、外食や加工品の「エビ・カニ・甲殻類」表示を必ず確認し、調理器具の共有によるコンタミネーションにも注意が必要です。初めて強い症状が出た場合でも、後日アレルギー専門医での評価(特異的IgE検査や経口負荷試験の適否判断)を受けると再発予防に役立つでしょう(食中毒鑑定所/大石俊恵氏の解説)。
ゆでガニの二次汚染事例から学ぶ、家庭で起きやすいリスクと対策
事例紹介:ゆでガニの二次汚染で起きた食中毒
一度しっかり加熱した「ゆでガニ」であっても、調理後の取り扱いが不適切だと、腸炎ビブリオなどの二次汚染で食中毒を起こした事例が報告されています。実際に、保管や器具の扱いが原因となった腸炎ビブリオ食中毒のケースが紹介されています(ふれあいカニ牧場の解説)。
二次汚染が起きる代表的な原因(保管・取り扱い)
- 生の魚介類を触ったまな板・包丁で、加熱済みのカニを切り分ける
- 調理後に室温で長く置き、菌が増えやすい温度帯にさらす
- 生食材に触れた手や布巾で、加熱済みの身や殻を扱う
- 使い回しのタレや漬け汁で、加熱後の食材を再汚染してしまう
家庭ですぐできる予防策
- 分ける:生と加熱済みで器具・容器を分け、盛り付けも別導線にする
- 洗う:器具・手指・台所布巾を熱湯や洗剤でしっかり洗浄・乾燥する
- 加熱する:多くの細菌は中心75℃で1分以上の加熱が目安、ノロウイルス対策には85〜90℃で90秒以上が推奨されます(厚生労働省Q&A)
- 冷やす:調理後は速やかに粗熱をとり、4℃以下で冷蔵、早めに食べ切る
筆者の取材メモ:通販の産地加工場では「加熱後のゾーンを生のラインに近づけない」動線設計が徹底されていました。家庭でも同じ発想で、まな板・トング・皿を用途別に固定化すると、うっかりの二次汚染をぐっと減らせます。

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よくある質問(FAQ)
Q. カニを食べた後に腹痛が起きたらどうする?
A. まずは安静と補水を行い、血便・高熱・嘔吐持続・強い脱水があれば受診してください。喫食時間や同席者の体調をメモして医師に伝えると診断がスムーズです(仙台市、医療法人AGIH)。
Q. カニの食中毒の潜伏期間は?
A. 腸炎ビブリオは概ね8〜24時間が目安です(仙台市、医療法人AGIH)。ノロウイルスは12〜48時間程度とされます(厚生労働省、国立感染症研究所)。
Q. カニアレルギーの症状は?
A. 腹痛・下痢・嘔吐に加え、じんましんや唇・まぶたの腫れ、喘鳴や呼吸困難などがあり、重症例ではアナフィラキシーに至ることがあります(食中毒鑑定所・大石俊恵氏)。
Q. カニを安全に食べる方法は?
A. 「分ける・洗う・加熱する・冷やす」を徹底し、中心75℃1分(ノロ対策は85〜90℃90秒)を目安に、調理後は速やかに冷却・冷蔵し、早めに食べ切るのがおすすめです(厚生労働省)。
Q. 腸炎ビブリオはカニで起きる?
A. ゆでガニでも、取り扱いが不適切だと二次汚染で発生した事例が報告されています(ふれあいカニ牧場)。保管・器具の管理を徹底しましょう。
家庭でできるカニの安全な調理・保存方法:加熱温度と保存の具体手順
購⼊時のチェックポイント(鮮度・販売者表示)
– 「生」「加熱済み(ボイル)」の表示と消費期限、原産地、販売者情報を確認する
- ドリップ(汁)のにおいが強い、殻や身が変色している、包装に膨らみがあるものは避ける
- 持ち帰り時間が長い場合は保冷剤・クーラーバッグを併用する
加熱の目安(中心温度や目視での確認ポイント)
– 未加熱のカニは中心温度75℃で1分以上を目安にし、ノロウイルス対策を重視する場面では85〜90℃で90秒以上を心がけると安心です(厚生労働省Q&A)
– 目視の目安として、身が不透明でふっくらし、殻の赤色が全体に回った状態を確認します。大きな脚や甲羅は温度ムラが出やすいため、蒸し・茹で・オーブン加熱で全体を均一に火入れしてください。
冷蔵・冷凍保存の正しいやり方と再加熱の注意
– 冷蔵は4℃以下で保存し、加熱後は当日〜翌日を目安に食べ切るのが安全です
– 冷凍は急速に行い、-18℃以下で1〜2か月を目安に、平らに小分けして日付ラベルを貼ると品質管理が容易です
– 解凍は冷蔵庫内でゆっくり行い、常温解凍は避けます。再加熱は短時間で中心温度を確保し、再冷凍は品質と安全の面から推奨されません
高熱や血便が出たらどうするか:受診の目安と医師に伝えるべき情報
受診推奨の目安(高熱、血便、持続する嘔吐・脱水)
– 38.5℃以上の発熱が持続、血便・黒色便、激しい腹痛が続く
- 嘔吐が止まらず水分がとれない、尿が極端に少ない、口渇・立ちくらみなど脱水が強い
- 乳幼児・高齢者・妊娠中・基礎疾患あり、免疫抑制治療中の方は早めに受診
厚生労働省Q&Aでも、嘔吐下痢症状では脱水と重症サインに注意し、必要時は医療機関へ相談することが勧められています。
受診時に伝えるべき情報:食べたもの・時間・症状の経過
– 食べた食品の種類・入手先・加熱有無・喫食量、食べた時刻
- 同じものを食べた家族・同席者の有無と体調、職場や保育園などでの流行状況
- 症状の開始時刻、経過、発熱の最高温、嘔吐と下痢の回数、血便の有無、補水量・排尿量
- 服薬歴(解熱鎮痛薬・下痢止め・抗生物質・胃腸薬など)と基礎疾患
救急受診が必要な場合(呼吸困難、意識障害、激しい血便など)
呼吸困難、意識がもうろう、ぐったりして呼びかけに反応が乏しい、止まらない吐血・血便、冷汗や手足の冷えを伴う強い腹痛などは救急要請のサインです。エビ・カニ摂取後に急速に皮膚症状と呼吸症状が出た場合はアナフィラキシーの可能性があるため、直ちに119番通報を検討してください(食中毒鑑定所・厚生労働省Q&Aの注意喚起を参照)。
結論:カニで腹痛が起きたときの優先対応と予防のチェックリスト
短期対応チェックリスト(症状確認→応急対応→受診判断)
– 症状の強さと発症時刻を記録し、補水を最優先に安静を保つ
- 血便・高熱・嘔吐持続・強い脱水・乳幼児や高齢者は早めに受診
– 同席者の体調、残っている食品を保管し、受診時の情報整理に備える
今後の予防ポイントまとめ(購入・加熱・保存)
- 購入:表示・鮮度・持ち帰り温度管理をチェックし、保冷を徹底する
- 加熱:中心75℃1分(ノロ対策は85〜90℃90秒)を目安に均一加熱する
- 取り扱い:生と加熱済みを「分ける・洗う」で二次汚染を防ぐ
- 保存:速やかに冷却し、4℃以下で短期保存、-18℃以下で小分け冷凍する
——
筆者の経験と知見:カニ通販の産地や冷凍物流の取材では、「生・加熱後・包装」の動線分離と器具の色分けが徹底されていました。家庭でも同様に、まな板やトングを用途別に分け、調理後は速やかに冷却・冷蔵するだけで、カニ由来の二次汚染と「カニ 腹痛」のリスクは確実に下げられると感じています。

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参考
- 腸炎ビブリオ〔魚介類等〕(仙台市) – https://www.city.sendai.jp/sekatsuese-shokuhin/kurashi/anzen/ese/shokuchudoku/biburio.html
- 食中毒の種類と症状について(医療法人AGIH 秋本病院) – https://www.akimoto-hospital.jp/infection
- (事例2)二次感染を受けたゆでガニによる腸炎ビブリオ食中毒(ふれあいカニ牧場) – https://www.fureaikan.net/syokuinfo/02terakoya/tera03/tera03_04/tera03_04_02.html
- 甲殻類アレルギーの症状は?(食中毒鑑定所) – https://www.shokukanken.com/colum/colum-20582/
- エビ・カニのアレルギーはどんな症状?(大石俊恵) – https://oishi-shunkei.com/blog/8760/
- ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省) – https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
- ノロウイルス感染症とは(国立感染症研究所) – https://www.niid.go.jp/niid/ja/norovirus-m
- 食中毒を防ぐために(調理・加熱のポイント)(厚生労働省) – https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000117311.html








