エビとカニの違い早わかり【エビカニ】
最終更新日:2025-12-26
目次
- エビとカニ、見た目以外で何が違うかを知る理由とこの記事で分かること
- 甲殻類としての分類:エビとカニはどのグループに属するのか
- 腹部と甲羅の違いから見るエビとカニの構造の特徴
- 触角と脚の違い:感覚器官と移動に関わる構造の比較
- 泳ぐエビと横歩きのカニ:動き方の違いとその理由
- 生息環境と生態の違い:どのような場所で何をしているのか
- よくある質問(FAQ)
- 味と食感の違い:旨味成分や調理で変わる風味の特徴
- 進化の視点:カニ型はエビ型から独立に生まれたのか(収束進化の説明)
- 市場や家庭で使える実践ガイド:エビとカニの見分け方と基本のさばき方
- 注意点:アレルギー・保存・調理で気を付ける事項
- 最後に知っておきたいポイント:エビとカニの違いを短く振り返る
- 参考
エビとカニ、見た目以外で何が違うかを知る理由とこの記事で分かること
多くの方が「エビとカニは殻やはさみがあって似ているけれど、何が本質的に違うの?」と感じますが、分類や体の構造、生態や動き、味まで掘り下げると違いははっきり見えてきますし、エビカニ選びや調理の精度も上がります。
- よくある疑問:見た目だけでは分からない点
殻に覆われ脚が多い点は共通ですが、腹部(尾)の使い方や甲羅の形、脚の配列と役割、触角の使い方が違いの要です。甲殻類の基本は鳥取県公式サイトやWikipediaでも、硬い殻・2対の触角・複数対の脚を持つ節足動物と整理されています(鳥取県公式サイト・Wikipedia)。 - この記事で扱う項目(体の構造・動き・生態・味など)
体の構造、触角と脚、泳ぐか横歩きか、生息環境と食性、旨味と食感、進化の視点、見分け方とさばき方、保存やアレルギーの注意点を、実用の観点で解説します。
参考出典:鳥取県公式サイト、Wikipedia

甲殻類としての分類:エビとカニはどのグループに属するのか
- 十脚目とは何か
エビもカニも甲殻類・十脚目に含まれ、名前の通り基本の脚は5対(計10本)で、第1脚がはさみに発達する種類が多いことが特徴です。甲殻類の共通点や、昆虫・クモとの違いは成山堂書店の解説PDFでも整理されています(成山堂書店)。 - 甲殻類の共通特徴(触角・殻・脚の数)
硬い外骨格、2対の触角、複数対の脚という共通セットを持ち、脱皮して成長します。共通性が高い一方で、腹部の使い方や甲羅の形状が、エビ型とカニ型を分ける鍵になります。
参考出典:成山堂書店
腹部と甲羅の違いから見るエビとカニの構造の特徴
- エビの腹部:エビは細長い体と発達した腹部を持ち、尾扇を素早くあおって後方へ跳ねるように逃げるため、腹部は推進に直結します(ホームメイトの解説)。
- カニの腹部:甲羅の下に折りたたまれた構造。カニは横に広い頑丈な甲羅で内臓を守り、腹部は短く折りたたまれていて、歩行と防御に特化したレイアウトになっています(ホームメイトの解説)。
- 見分ける簡単なチェックポイント:腹部が長く外に見えるのがエビ、腹部が甲羅の下に畳まれて見えないのがカニ、という点をまず確認すると、見た目以上に確実に見分けられます。
参考出典:ホームメイト
触角と脚の違い:感覚器官と移動に関わる構造の比較
- 触角の役割と本数の違い
どちらも2対の触角を持ち、長い第1触角は水流や匂いを感じ取るセンサーとして機能し、暗所や濁りの強い環境でも餌や天敵を察知します。 - 脚の配列とはさみ(第1脚)の特徴
十脚目の共通仕様として歩脚は5対で、第1脚がはさみになる種類が多く、エビははさみが小さめで掃除や餌の扱いに使い、カニは大型化して捕食や威嚇、防御に使う傾向が強いです。 - 脚・触角から分かる生活様式のヒント
長い触角や発達した腹部は「泳ぎ・跳躍に強いエビ型」、幅広い甲羅と頑健な歩脚は「底生・横歩きに強いカニ型」と、形が生活様式を物語ります。
参考出典:ホームメイト
泳ぐエビと横歩きのカニ:動き方の違いとその理由
- エビの泳ぎ方の仕組み(腹筋・尾扇)
エビは腹筋の屈伸で尾扇を一気に閉じ、後方へ瞬発的に移動する「テイルフリップ」を得意とし、细長い体と腹部の遊泳肢が持続的な遊泳も支えます。 - カニが横歩きする構造的理由
カニは脚の関節が左右方向に振り出しやすい配列で、幅広の甲羅で横向きでも姿勢が安定するため、最短距離で素早く横移動できる合理的な設計と言えるでしょう。 - 動き方と捕食・逃避行動の関係
エビは一瞬の後退で間合いを切り、カニは横移動で隙間へ逃げ込むなど、形態と行動が一体化して生存戦略を支えています。例外として遊泳脚が発達したカニ類もおり、多様性も覚えておくと良いです。
参考出典:三崎ネット・魚ちゅうさと
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生息環境と生態の違い:どのような場所で何をしているのか
- 沿岸や深海など生息域の違い
エビは沿岸の砂泥底から外洋・深海まで幅広く分布し、夜間に回遊する種も少なくありません。カニは主に底生で、岩礁や砂地、干潟、河口など構造がある場所を好む種類が多いです。 - 食性の違いと生態系での役割
どちらも雑食傾向で、デトリタスや小型生物を食べ、食物網の分解者・捕食者としてエコシステムの循環に寄与します。堅い口器とはさみが微妙に役割分担している点が実用的な違いです。 - 生活史(稚魚・脱皮・繁殖)の違い
どちらも脱皮を繰り返して成長し、幼生期はプランクトン生活を送る段階を経ますが、カニはゾエア→メガロパと段階的に形を変え、成体で腹部が短縮するなどカニ型へ移行します。
参考出典:鳥取県公式サイト・Wikipedia
よくある質問(FAQ)
- エビとカニの違いは何ですか?
腹部の発達と甲羅の形、脚とはさみの使い方、泳ぐか横歩きかの移動様式が要点です。分類上はどちらも十脚目ですが、体の設計思想が異なります。 - エビとカニは同じ種類ですか?
同じ甲殻類・十脚目という大枠は同じですが、複数の下位グループに分かれ、形態と生態に明確な差があります。 - カニはエビから進化したのですか?
「エビ型に近い祖先から、独立に何度もカニ型が現れた」という収束進化という見方が広く紹介されていますが、詳細は研究途上で系統ごとに違いがあります(三崎ネット・魚ちゅうさと)。 - エビとカニの味の違いは?
エビはグリシンやアラニン由来の甘みが出やすく、カニは旨味と風味の厚みを感じやすい傾向があり、加熱法で香り立ちが変わります。 - 甲殻類とは何ですか?
節足動物門に属し、硬い外骨格、2対の触角、複数対の脚を持つグループで、エビ・カニ・オキアミなどが含まれます(鳥取県公式サイト・Wikipedia)。
味と食感の違い:旨味成分や調理で変わる風味の特徴
- 旨味成分(アミノ酸・イノシン酸)の違いの概略
エビはグリシンやアラニンが甘みを演出し、カニはグルタミン酸や遊離アミノ酸の厚みで「カニらしい香り」が立ちやすいと考えられます。加熱や熟成で核酸系の旨味が増す点も共通です。 - 身質の違いが生む食感の特徴
エビは筋繊維がきゅっと詰まってプリッとした弾力、カニは筋節が細くやわらかで、ほぐれる食感が楽しめます。種や部位でバリエーションが大きい点も特徴です。 - 調理法による風味の変化(茹でる・蒸す・焼く)
茹では澄んだ甘み、蒸しは香りを閉じ込め、焼きはメイラードで香ばしさが際立ちます。エビカニともに塩分と加熱時間の管理が風味の決め手になります。
編集部メモ:通販で届くボイル済みのカニは「再加熱しすぎない」ことが香り維持のコツで、殻付きエビは塩水で短時間茹でると甘みが引き立ちます。
進化の視点:カニ型はエビ型から独立に生まれたのか(収束進化の説明)
- 収束進化とは何か
異なる系統が似た環境圧のもとで似た形にたどり着く現象で、カニ型への「カリシニゼーション(蟹化)」はその代表例として紹介されます。 - エビ型からカニ型への進化事例と研究の示唆
複数の系統で、尾が短縮し甲羅が幅広くなる「カニ型」へ独立に近づいたと解説されることが多く、一般向け資料でも取り上げられています(三崎ネット・魚ちゅうさと)。ただし細部の系統関係は研究が続いています。 - 進化史から見た現在の形態の理解
「腹部短縮+横歩き特化」という設計が、底生生活での防御・機動に適した結果だと理解すると、形と暮らしの関係が腑に落ちるでしょう。
参考出典:三崎ネット、魚ちゅうさと
市場や家庭で使える実践ガイド:エビとカニの見分け方と基本のさばき方
- 買うときのチェックリスト(殻の状態・匂い・色)
1) 殻はツヤと張りがある、黒変や乾きが少ない。
2) 匂いは海水様で生臭さが強くない。
3) カニは甲羅が重く、脚の付け根がしっかり。
4) 解凍品はドリップが少ないものを選びます。 - エビの基本的なさばき方(殻むき・背ワタの取り方)
1) 殻を尾側へ向けて外し、尾先を軽く絞って水分を抜く。
2) 背側に浅く切れ目を入れ、黒い背ワタをつまみ出す。
3) 塩と片栗粉でもみ洗いし、臭みを落として水気を拭き取ります。 - カニの基本的なさばき方(甲羅の開け方・身の取り出し方)
1) 甲羅をはがし、えら(ガニ)を外す。
2) 胴を放射状に脚ごと割り、関節を折って身を取り出す。
3) 甲羅みそは異臭や変色がないか確認し、用途別に分けます。
編集部メモ:生食用表記がない冷凍エビは必ず加熱し、ボイル済みカニは温め直しは短時間に留めると身痩せを防げます。

注意点:アレルギー・保存・調理で気を付ける事項
- 甲殻類アレルギーの基礎知識と注意
主要アレルゲンはトロポミオシンなどと言われ、重篤な症状のリスクがありますので、初めての銘柄や加工品は少量から試すのが安心です。 - 購入後の保存方法と鮮度の見分け方
チルドは0〜2℃で速やかに、冷凍は−18℃以下で平置き保管、再冷凍は食感劣化を招くため避けます。エビの黒変やアンモニア臭、カニの身痩せや水っぽさは劣化のサインです。 - 調理時に避けるべき処理ミス
加熱しすぎは旨味流出と身縮みの原因で、塩分が薄いと水っぽく、濃すぎると甘みを殺します。解凍は冷蔵庫内でゆっくり、ドリップは丁寧に拭き取りましょう。
最後に知っておきたいポイント:エビとカニの違いを短く振り返る
- 主要な違いの短いまとめ(構造・動き・味)
腹部が長く泳ぎに強いのがエビ、腹部短縮と横歩きに特化したのがカニ、甘みのエビと厚みのカニという味の違いが、選び方と調理の方向性を決めます。 - 参考文献と更新情報の案内
本記事は公的機関・専門資料の記述に基づきつつ、通販・調理の実務視点を補いました。内容は随時アップデートしますので、ブックマークしてエビカニ選びにお役立てください。
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参考
- 甲殻類(エビやカニのなかま) – https://www.pref.tottori.lg.jp/item/1071858.htm
- 甲殻類 – https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E6%AE%BB%E9%A1%9E
- エビやカニの仲間は 昆虫やクモとどう 違っているの? – https://www.seizando.co.jp/wp-content/uploads/2017/09/83101_20220512.pdf
- おいしいだけじゃないエビとカニの秘密 – https://www.homemate-research-aquarium.com/useful/13865_aquar_050/
- 「蟹」「海老」 – https://misaki-net.ne.jp/archives/481
- エビとカニはどこが違う?甲殻類の知られざる世界 – https://uochusato.com/ebikanitigai/








