カニじゃないカニの正体と見分け方

タラバガニはカニじゃない理由と見分け方

最終更新日: 2025-12-28

「カニじゃないカニって何?」という疑問に対し、代表例がタラバガニです。なぜ“本物のカニ”ではないと言われるのか、分類学の理由と見た目の違い、買うときの見分け方までコンパクトに解説します。

タラバガニは生物学的にどう分類される?ヤドカリ下目という理由

分類の概要(甲殻類→十脚目→ヤドカリ下目)

生物学上、タラバガニは「甲殻類十脚目ヤドカリ下目(Anomura)タラバガニ科」に分類されます。ここでポイントなのは“カニ下目(Brachyura)”ではなく“ヤドカリ下目”であることです(出典:Wikipedia「タラバガニ」)。

タラバガニがヤドカリ下目に分類される具体的な特徴

  • 第5脚が極端に小さく、鰓室内に隠れていること
  • 雌の腹部が左右非対称になること

これらは“カニじゃないカニ”と呼ばれる根拠で、タラバガニがヤドカリ類に近縁とされる決定的な理由です(出典:Wikipedia「タラバガニ」)。

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見た目でどう違う?タラバガニとズワイガニ・毛ガニなど本物のカニの差

本物のカニ(例:ズワイガニ、毛ガニ)の特徴

ズワイガニや毛ガニは“カニ下目(Brachyura)”に属する、いわば正真正銘のカニです。共通点は次の通りです。

  • 5対10本の脚が外からはっきり見える(ハサミ1対+歩脚4対)
  • 腹部(ふんどし)は基本的に左右対称で、甲の下に折りたたまれている

タラバガニと本物のカニを並べた比較ポイント(腹部、脚、形)

タラバガニは見える脚が4対8本(ハサミを含む)に見えやすく、小さな第5脚は鰓室に隠れます。一方、ズワイガニや毛ガニは5対10本が外から確認できます。腹部の対称性や、脚の見え方が現場での最重要チェックです(参考:sakanato.jp「カニだけどカニじゃない?…」)。

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脚の本数は本当に違う?見える4対と隠れた第5脚の観察ポイント

外から見える脚の数とハサミの位置

タラバガニは十脚目なので合計5対10本の脚を持ちますが、外からはハサミ1対+歩脚3対の“計4対8本”に見えやすいのが特徴です。残る1対(第5脚)は非常に小さく退化し、外観から認識しづらい位置にあります。

第5脚や腹部の非対称性を確認する方法

  • 蒸しガニやゆでガニを手に取ったら、甲の内側・鰓の付け根周辺をそっと観察すると小さな第5脚が確認できることがあります。
  • 雌個体では、腹部の左右非対称性が観察のヒントになります。
  • 生体や殻を無理にこじ開けるのは避け、食品として扱う場合は破損やケガに注意しましょう。

タラバガニの名前の由来(タラバ=鱈場)と『カニだけどカニじゃない』仲間の紹介

名前の由来:タラバ(鱈場)とは何か

「タラバ」は鱈場、つまりタラがよく獲れる漁場を指します。タラが集まる海域で多く漁獲されたことから“タラバガニ”の名がついたとされます。水族館等でも「名前にカニと付くが分類上はヤドカリ」との解説が見られます(出典:エコチル|竹島水族館)。

花咲ガニ、アブラガニ、イガグリガニなどの概観

タラバガニの仲間として、花咲ガニ、アブラガニ、イガグリガニなどもヤドカリ下目に含まれます。いずれも“カニ”の名が付く一方で、生物学的には“カニじゃないカニ”のグループです(参考:tenki.jp「タラバガニはカニじゃない!?」 https://tenki.jp/suppl/romisan/2016/04/13/10961.html、エコチル|竹島水族館)。

よくある質問:タラバガニはなぜカニじゃないの?脚は何本?など

タラバガニはなぜカニじゃないのか(要点)

– 理由:分類が“カニ下目”ではなく“ヤドカリ下目”だから(出典:Wikipedia「タラバガニ」)。

– 特徴:第5脚が小さく鰓室内に隠れる、雌の腹部が左右非対称など。

脚の本数や名前の由来など簡潔なQ&A

  • Q. 脚は何本?
  • A. 合計は10本ですが、外から見えるのは4対8本に見えやすいです(参考:sakanato.jp)。
  • Q. 花咲ガニやアブラガニも“カニじゃないカニ”?
  • A. はい。いずれもヤドカリ下目です(参考:tenki.jpエコチル|竹島水族館)。
  • Q. 名前の由来は?
  • A. 鱈が多い漁場“鱈場(たらば)”に由来するといわれます(エコチル|竹島水族館の解説例参照)。

食用としての魅力と買う・食べるときのタラバガニの見分け方

食味や人気の理由(身入り、風味、流通)

タラバガニは太い脚に詰まる繊維質の身、しっかりした甘みと食べごたえが人気です。流通の主流はボイル冷凍で、解凍後に焼き・蒸し・鍋など幅広く楽しめます。基本は加熱向きで、カニ身のプリッとした弾力を活かした食べ方がおすすめです。

筆者の実体験より:通販・市場で複数の産地や規格を食べ比べると、同じサイズ表記でも身入りや食感に差が出ます。信頼できる店舗で“身入り保証”“グレーズ量の明記”がある商品を選ぶと失敗しにくいと感じます。

鮮度や種類を見分けるチェックリスト(脚の太さ・殻の色・産地表示)

  • 種類表示を確認:Paralithodes camtschaticus(タラバガニ)とParalithodes platypus(アブラガニ)は学名で見分けやすい。
  • 脚の太さと重量感:太さが均一で、持ったときに重みを感じる個体は身が詰まりやすい。
  • 殻表面:黒ずみや乾燥が少なく、トゲの先が欠けすぎていないものを。
  • 産地・加工地表示:原料原産地と最終加工地の両方を確認する。
  • 冷凍ならグレーズ(表面の氷)厚すぎ注意:解凍後の実質量が減るため、正味重量の記載をチェック。
  • 解凍のドリップ:再冷凍品はドリップ多めになりがち。レビュー写真や店舗説明を参考に。
  • 安全面:十分に加熱して食べる、清洁な調理器具を使うなど基本衛生を守りましょう。

一目で分かる!タラバガニを見分けるポイントと結論

一目でわかるチェックリスト(腹部、脚、本数、名前の由来)

– カニじゃないカニの代表=タラバガニはヤドカリ下目(出典:Wikipedia)。

– 外観は“4対8本”に見えるが、隠れた第5脚がある(参考:sakanato.jp)。

– 雌は腹部が左右非対称になりやすい。

– 花咲ガニ・アブラガニ・イガグリガニも同系統(参考:tenki.jp、エコチル)

– タラバの名は“鱈場”由来という説が一般的。

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参考