自宅でできるカニ解体の基本と安全手順
最終更新日:2025-12-29
目次
自宅でカニを安全に美味しく食べるための解体の基本
この記事で得られること(手順・道具・注意点)
- キッチンバサミでの安全なカニ 解体のやり方が分かります。
- ふんどしの外し方、甲羅の剥がし方、ガニ(エラ)の除去、脚や爪の身の抜き方を手順で学べます。
- 生カニの衛生管理や保存の注意点、失敗しないコツが整理できます。
ボイル済みと生(活け)での違いに触れる理由
- 生(活け)は洗浄や内臓処理、加熱の要否など衛生上の判断が必要です。
- ボイル済みは解体が簡単で失敗が少なく、初めての方に向いています。
- 違いを押さえると、選ぶべき道具や手順、食べ方が変わるためです。

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ズワイ・タラバ・毛ガニの特徴と解体で押さえるべき部位
各種カニの特徴(殻・脚・胴の違い)
- ズワイガニ: 殻はほどよい硬さで脚が長く、関節の切り込みで身をきれいに抜きやすいのが特徴です。カニ味噌も楽しめます。
- タラバガニ: ヤドカリの仲間で殻が厚くトゲが強めです。脚太で身は大ぶり、ハサミの刃に力が必要でしょう。
- 毛ガニ: 甲羅に毛が密生し小ぶりでも味噌が濃厚です。胴の可食部が多く、脚は細くても甘みが強いと言われています。
解体時に必ず確認する部位(ふんどし・エラ・甲羅など)
- ふんどし(前掛け): 腹側の三角形(雄)/楕円(雌)の蓋です。ここを起点に甲羅を外します。外し方の基本は、先端を起こし根本からはがす要領です。
- 甲羅: 味噌が付くため、外す向きと受け皿の準備が肝心です。
- ガニ(エラ): 白い扇状の呼吸器で食べません。必ず除去します。
- 爪・脚の関節: 切り込みを入れる基点です。筋繊維に沿って開けると身離れが良くなります。

生カニ(活け)とボイル済みカニで変わる捌き方と衛生上の注意
活けカニを扱う前の下処理(洗浄・固定)
- 活けは動きを抑え、泥や汚れをタワシでしっかり洗い流します。腹側の三角形(ふんどし)を外してから甲羅をはがし、内臓を除去して腹身を半分に切り、脚と分ける流れが基本です(Uomasaの活けズワイの手順が参考になります)。
参考: Uomasa「活け(生)ズワイガニの上手な捌き方」では、タワシで洗い→ふんどしを外し→甲羅を剥がし→内臓除去→腹身を半分に切り脚と分離という順序を推奨しています。
ボイル済みカニのメリットと簡単な解体の向き不向き
- すでに加熱・急速冷却されているため衛生リスクが低く、脚の身離れが比較的よい傾向があります。
- 初心者はボイルずわいから練習すると、関節の切り込みと甲羅外しの感覚がつかめます。
生カニで特に注意する衛生ポイント
- 内臓は速やかに除去し、食べる部位は十分に加熱するのが基本です。
- 洗浄後は常温放置を避け、冷蔵管理を徹底します。包丁・まな板は魚介用と野菜用で分けると交差汚染を防ぎやすいでしょう。

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ボイルずわいがにを例にした実践的な解体手順:脚・甲羅・胴のむき方
準備(必要な道具・作業場所の整え方)
- キッチンバサミ(ギザ刃推奨)、軍手または耐切創手袋、まな板、ボウル、ペーパータオル、スプーン。
- 受け皿を甲羅サイズで用意し、汁や味噌がこぼれないよう新聞紙やトレイを敷きます。
脚の切り離し方と関節の使い方
- 甲羅を下にして、脚の付け根を関節ごとにバサミで切ります。関節の隙間を狙うと力が少なくて済みます。
- 脚は節ごとに外しておくと後工程が楽です。
参考: ニッスイ「Fish Kitchen」では、脚側を先に切り離す流れを示し、関節を使って作業を進める手順が紹介されています。
ふんどし(前掛け)の外し方と甲羅の剥がし方
- 腹側のふんどしを指先またはスプーンで起こし、根元を持って引き外します。
- ふんどし側から甲羅を持ち上げると外しやすく、味噌を受け皿へ移しやすいでしょう。
参考: ニッスイの手順では、ふんどしを外してから甲羅を剥がす順序が示されています。
エラ(ガニ)の除去と内臓の取り扱い
- 甲羅側と胴側に残る白い扇状のガニ(エラ)は必ず除去します。
- 甲羅内の薄い膜も取り除き、味噌は異臭がないか確認してから取り分けます。
参考: ニッスイでは、薄い膜とガニの除去を明記しています。
胴体・腹部の処理と四等分の方法
- 胴は縦半分に切り、さらに各半身を横に割って四等分にします。これで身が取り出しやすくなります。
- 肋骨状の殻を軽く割ると、胴肉をフォークや竹串で外しやすくなります。
参考: ニッスイのフローに、四等分に切る工程が含まれています。
爪・脚の身の上手な抜き方(爪の根元処理)
- 脚は殻の甲側(堅い側)へ縦に浅く切り込み、関節側から身を押し出します。殻が開いて身がつぶれにくくなります。
- 爪は根元の関節付近に切り目を入れてから、殻を割って身を引き抜くのがコツです。
参考: 宝屋干物のコラムでは、脚の関節へハサミを入れて切り込み→殻から身を引き抜く、爪は根元に切り目を入れて抜く方法が紹介されています。
カニ味噌の取り出し方と食べ方の提案
- 甲羅を受け皿にして味噌を集め、混入した殻片を取り除きます。
- そのまま刺身醤油をひと垂らし、炙り甲羅味噌、カニ味噌バターご飯などに展開できます。冷蔵は当日中、余れば冷凍小分けがおすすめです。
キッチンバサミや道具別の手順:安全で簡単に脚や爪をむくコツ
キッチンバサミの使い方(関節への切り込み・爪根元の切り目)
- 刃先で関節の薄い膜を探り、甲側へ縦にスリットを入れます。筋線維を断たずに殻だけ切る意識が大切です。
- 爪は根元関節にV字の切り込みを入れ、殻を左右に割ってから身を引き抜くと形が崩れにくいでしょう。
道具がない場合の手でのむき方とコツ
- 関節を前後に小刻みに曲げて殻にヒビを入れ、関節側から身を押し出します。
- 甲羅はふんどし側から親指を差し込み、テコで起こす要領で外します。軍手の着用で滑りとケガを防げます。
おすすめの道具と手入れ方法
- ギザ刃の海産物用キッチンバサミ、軍手/耐切創手袋、先細スプーンや牡蠣ナイフがあると安心です。
- 使用後は分解洗浄し、食器用漂白剤で除菌→十分乾燥→刃に軽く食用油で防錆すると長持ちします。
よくある質問
Q. カニの脚の身を簡単に抜く方法は?
A. 甲側へ縦の浅い切り込みを入れ、関節側から押し出します。爪は根元に切り目を入れてから殻を割るときれいに抜けます。
Q. カニのふんどしとは何?どう外すの?
A. 腹側の蓋状の部位で、外すと甲羅が外れやすくなります。先端を起こして根元からはがすのが基本です。
Q. 生カニ(活けガニ)の解体で特に気をつけることは?
A. 洗浄→ふんどし外し→甲羅外し→内臓除去→速やかな加熱と冷蔵管理です。内臓は食べず、器具の洗浄と手洗いを徹底しましょう。
Q. カニ味噌はどうやって取り出して食べるのがおすすめ?
A. 甲羅に集めて殻片を取り除き、炙り甲羅味噌やバターご飯に。当日中が目安、余れば小分け冷凍が安心です。
Q. キッチンバサミがない場合は?
A. 関節を折ってヒビを入れ、手で殻を開きます。スプーンやバターナイフでテコを作ると安全です。軍手を忘れずに。
Q. 解体に必要な道具と家庭の代用品は?手入れは?
A. 海産物用ハサミ、軍手、先細スプーンが基本。代用品は園芸ハサミ(清潔なもの)や厚手手袋。使用後は分解洗浄・漂白・乾燥・防錆がポイントです。
解体で起きやすいトラブルと生食リスク・衛生面の注意点
身を潰さないコツと切り方のポイント
- 甲側のみを縦に切り、腹側は残す「片開き」で身を保護します。関節側から押し出すと繊維が割れにくいです。
- ハサミは一気に強く閉じず、細かく刻むように切り進めると殻飛散を抑えられます。
生カニの衛生リスク(加熱不足・保存温度)
- 生食は細菌・ウイルスのリスクがあり、中心温度85〜90℃で90秒以上の加熱が推奨されます(自治体公表の食中毒予防情報を参考にしましょう)。
- 常温放置は避け、冷蔵はできる限り低温帯、冷凍は−18℃以下を維持します。解凍は冷蔵庫内で行い、再凍結は避けるのが無難です。
- 手指・器具・作業台の洗浄と消毒、食品の分別保管は基本です(厚生労働省の食中毒予防の原則が参考になります)。
アレルギーや甲殻類取り扱い時の安全対策
- 甲殻類アレルギーのある方は調理・喫食を避け、家族内で共有器具の洗浄を徹底します。
- 小さなお子さまや高齢者、妊娠中の方は生食を控え、十分加熱した調理法を選びましょう。
家でのカニ解体を楽しむためのまとめと次に試すレシピ提案
本記事の手順まとめ(チェックリスト)
- 受け皿・ハサミ・軍手を準備し作業台を整える
- 脚を関節から切り離す
- ふんどしを外し甲羅を剥がす
- ガニ(エラ)と薄膜を除去する
- 胴を四等分にして身を外す
- 爪根元に切れ目→殻を割って身を抜く
- 味噌を取り分け、異物を除く
残った殻や味噌の活用レシピ例
- 殻出汁の味噌汁/ビスク風スープ
- 甲羅味噌の炙り、味噌バター土鍋ご飯
- カニ殻オイル(低温で香味抽出しパスタへ)
関連コンテンツへの導線(保存・調理法)
- 冷蔵・冷凍保存と解凍のコツ
- 失敗しないボイル再加熱
- ズワイ・タラバ・毛ガニの選び方と旬
— 筆者の経験談 —
通販用のズワイと毛ガニを年間20杯以上解体してきましたが、身崩れを防ぐ最短のコツは「甲側片開き」と「関節から押す」でした。軍手と受け皿の準備で、作業ストレスが大きく減ると感じます。








