サワガニ向けカニの水槽サイズと作り方
最終更新日: 2025-12-27
川で見つけたサワガニを無理なく飼うには、カニの水槽環境を「水と陸」の両方に配慮して組むことが大切です。30cm級の小型セットでも十分に楽しめる一方で、直射日光や高水温、脱走に弱い点を押さえれば長期飼育しやすくなります。本稿では根拠に基づく基準と手順を、初心者でも実践しやすい形でまとめます。
目次
サワガニの飼育に適した水槽サイズと設置場所の選び方
サワガニは小型で、コンパクトなカニの水槽でも飼育が可能です。サイズ選びと置き場所の条件を整理します。
おすすめの水槽サイズ(30cm前後の目安)
- 目安は幅30cmクラス(いわゆるキューブ~横長小型水槽)がおすすめです。底面積を確保しやすく、レイアウトの自由度も得られます。
- t-aquagardenの解説では、小型(30cm)水槽で飼育可能とされ、脱走防止の蓋つきが推奨されています(t-aquagarden)。
置き場所の条件:直射日光・通風・振動の回避
- 直射日光はコケ増殖と水温上昇を招くため避け、風通しがよく、家電の熱・振動の少ない場所を選びます。
- 同じくt-aquagardenは直射日光を避け通風のよい場所を示しており、実用的な指標になります(t-aquagarden)。
水温管理の基本(夏場の高温対策の重要性)
- サワガニは高水温を苦手とされ、目安として25℃以下を保つと安心でしょう(t-aquagarden)。
- 夏場は冷却ファン、保冷材、エアコン併用や設置場所の見直しで上昇を抑えます。

水辺と陸地を両立させるレイアウト例:底砂・水深・隠れ家の作り方
サワガニは陸上にも上がるため、水と陸の両環境をつくる「ハーフテラリウム」構成が合います。
水辺と陸地の割合と水深の目安
- 水域と陸域をおおむね半々~水域6:陸域4程度にすると、休憩・脱皮・採餌の動線が滑らかになります。
- 水深は浅めで問題ありません。ひたすら深い必要はなく、カニがすぐ上がれる勾配を確保しましょう(tropica)。
底砂・大磯砂や川砂を使う理由と敷き方
- 粒が転がりにくく、足場を作りやすい大磯砂や川砂が扱いやすいです。
- 砂を厚め(前方3cm・後方5〜7cm目安)に敷いて高低差をつけ、緩やかな陸地を形成します(tropica)。
流木・石・隠れ家の配置とカニのストレス軽減
- 流木や石で洞やトンネル状の隠れ家を複数配置し、視界の遮蔽を作ると縄張りストレスを軽減できます(tropica)。
- 陸域にも湿り気を保つモスや落ち葉を添えると、安心して休めます。
水質管理の基本:フィルターの選び方と定期的な水換えの方法
カニの水槽は餌残りやフンで汚れやすく、ろ過と水換えの両輪が安定の鍵です。
フィルターの種類とサワガニ向けの選び方(投げ込み式・外掛けなど)
- 手軽さ重視なら投げ込み式フィルターが扱いやすく、汚れの見える化にも向きます(cainz, 浦安水辺の生き物図鑑)。
- 水流が強すぎる外掛けは、流量を弱める・スポンジで拡散するなど工夫すると良いでしょう。
水合わせと汽水カニの塩分調整(濃度目安)
- 導入時は必ず水合わせを行い、急変を避けます(cainz, 浦安水辺の生き物図鑑)。
- 汽水域のカニを飼う場合は人工海水を原液の1/2〜1/4程度に薄めて使用する方法が紹介されています(cainz, 浦安水辺の生き物図鑑)。
- サワガニは淡水性が一般的ですが、採集環境に合わせた慎重な調整が安心です。
水換えの頻度と方法、汚れが溜まったときの対処
- 目安は1〜2週間に1回、全体の20〜30%を同温の汲み置き水で部分換水。
- 汚れが目立つ場合はスポイトで残餌を除去し、フィルターは飼育水で軽くすすぎます(cainz参照の基本方針に整合)。

よくある質問(FAQ)
- Q. サワガニの水槽は何cmがおすすめ?
A. 30cmクラスが扱いやすく、底面積とレイアウト性のバランスが良いでしょう(t-aquagarden)。 - Q. カニ水槽に陸地は必要?
A. サワガニは陸に上がるため必須です。流木や石で安全に上がれる陸域を作ります(tropica)。 - Q. 水槽の水深は何cmが良い?
A. 浅めで十分です。すぐ陸に上がれる勾配を意識してください(tropica)。 - Q. カニの水槽で底砂は必須?
A. 大磯砂や川砂が推奨です。足場・隠れ家形成に役立ちます(tropica)。 - Q. 水温は何度までOK?
A. 25℃以下を目安に管理すると安心です。夏は冷却対策を行いましょう(t-aquagarden)。
30cm水槽で作る:サワガニの水槽立ち上げ手順(準備から導入まで)
小型でも手順を押さえれば安定します。必要なものと流れを示します。
準備するものリスト(水槽・蓋・底砂・フィルター・隠れ家)
- 30cm水槽一式(蓋必須/脱走防止)
- 大磯砂または川砂、敷き分け用の小石
- 流木・石・シェルター(隠れ家)
- 投げ込み式フィルター、エアポンプ
- 水温計、冷却ファン(夏季)
- 塩素中和剤、バケツ、スポイト/ピンセット
設置手順:底砂敷き→陸地作成→流木配置→水入れ→水合わせ
- 底砂を洗浄し、奥を高く手前を低くなるよう敷く。
- 石で土留めを作り、陸域の基礎を形成。
- 流木や石でスロープと隠れ家を複数配置。
- 皿などで散水しながらゆっくり注水し、浅めの水位で止める。
- フィルターとエアを始動し、数時間〜一晩回す。
- 生体の袋水を少量ずつ混ぜて30〜60分かけて水合わせし、ネットで移す。
導入後の初期チェック項目と1週間の観察ポイント
- 毎日:水温、動き、脱皮殻の有無、残餌量、逃走防止の蓋の閉まり。
- 3日目目安:残餌が出やすい場合は給餌量を微調整。
- 1週間:部分換水20〜30%、フィルターの目詰まりを軽く確認。
よくあるトラブルと対処法:脱走・高水温・水質悪化の予防策
脱走を防ぐ蓋の選び方と設置のコツ
- 隙間の少ない専用フタやメッシュ蓋+クリップ固定が安心です。
- チューブやコードの通し穴はスポンジで塞ぎ、配線の段差を外側に向けます。
夏場の高水温対策(冷却・置き場所の変更)
- 冷却ファンで蒸発冷却し、室温が高い日はエアコンと併用。
- 直射日光のない北側や床近くへ移動し、保冷材を蓋上に置いて応急処置。
水質悪化時の緊急対応と長期的な予防策
- 緊急時は同温の汲み置き水で50%以内の換水+残餌除去。
- 予防は給餌量の最適化、週1〜2回の部分換水、底砂の軽い攪拌清掃で十分効果が出ます。
維持しやすい飼育のためのチェックリストとおすすめアイテム
日課を決めておくと、トラブルを早期に防げます。
日常チェックリスト(餌・水温・水質・隠れ家の状態)
- 水温は25℃以下をキープ
- 行動量と食べ残しの確認、給餌量の調整
- アンモニア臭や濁りの有無
- 隠れ家の安定性と陸への上がりやすさ
- 蓋・配線の隙間点検(脱走防止)
あると便利なアイテム:投げ込みフィルター・温度計・脱走防止蓋
- 投げ込み式フィルター:扱いやすく価格も手頃
- デジタル温度計:日内変動の把握が容易
- 脱走防止蓋:メッシュ+固定クリップが安心
初期導入後1ヶ月のメンテナンススケジュール例
- 毎日:温度・行動・残餌確認
- 週1:部分換水20〜30%、底砂表面の清掃
- 2週:フィルターを飼育水で軽くすすぐ
- 1ヶ月:レイアウトの微調整と隙間点検
筆者の飼育経験からのアドバイス
- 30cm水槽でも「陸の質」を上げると落ち着きが違います。特にスロープと陰になる空間を複数用意すると、給餌後の争いが減ると感じます。
- 夏は「場所替え+ファン+エアコン弱」の三段構えが効きます。無理に冷やしすぎず、上限25℃目安で安定させる意識が大切でしょう。
まとめ
- サワガニのカニの水槽は30cm級で十分。直射日光を避け、通風の良い場所で25℃以下を意識。
- レイアウトは浅い水域と登りやすい陸域、隠れ家を複数配置。底砂は大磯砂・川砂が扱いやすい。
- ろ過は投げ込み式が手軽。水合わせを徹底し、1〜2週に一度の部分換水で安定化。
- 脱走・高水温・水質悪化は“事前の仕組み化”で予防できます。小さく始めて、日々の観察で微調整していきましょう。

参考
- サワガニの飼育方法!特徴から生態、おすすめの水槽環境 … – https://t-aquagarden.com/column/sawagani_breeding
- カニを飼育してみよう! 自宅で飼えるカニの種類から飼育方法 … – https://tropica.jp/2018/09/08/post-21386/
- 川や海で採れるカニの飼い方は? 水槽、餌、飼育水の準備は … – https://magazine.cainz.com/article/107920
- 採集した生物を飼ってみよう!! – 浦安水辺の生き物図鑑 – https://sanbanze-suisou.icurus.jp/keep-creature







