初心者でも安全にできる蟹のさばき方
更新日: 2025-12-31
目次
まず確認:解凍状態と準備すべき道具で失敗を防ぐ
冷凍カニの適切な解凍具合と確認方法
- 冷蔵庫でゆっくり解凍するのが基本です。受け皿に網やキッチンペーパーを敷き、ドリップが身に触れ続けないようにして、甲羅や脚表面がしっとりし、関節が軽く動く程度を目安にしましょう。
- 目安は塩茹で済みの姿ガニで半日〜1日、脚だけなら6〜12時間程度ですが、サイズや個体差で変わります。
- ふんどし(前かけ)や甲羅は、解凍が足りないと外れにくく無理な力が必要になりがちです。実際に通販大手の解説でも「解凍が不十分だとふんどしが外れにくい」とされており、過度な力で甲羅を割ってしまう事故の予防にも、十分な解凍が有効と言えるでしょう(さいほくの解説)。
- 急ぐ場合は、密閉袋に入れて氷水や冷流水での低温解凍がおすすめです。常温放置や電子レンジは、表面だけ温まり身がパサつく原因になります。
- 生食や再加熱をする場合は、衛生面をより重視してください。二枚貝に限らず、加熱調理は中心温度85〜90℃で90秒以上が推奨されるケースがあり、手指洗浄や調理器具の洗浄・消毒も大切です(厚生労働省の食品衛生情報)。
※解凍不足はふんどしが外れにくい原因となることが多いため、時間を確保して解凍を確認しましょう。

基本の道具一覧(キッチンバサミ・包丁・まな板等)と安全対策
- キッチンバサミ(刃が厚めのもの・関節用に力が伝わるタイプ)
- 包丁(出刃か牛刀など根元が強いもの)、まな板(大きめ)
- すべり止め付き手袋または厚手のキッチンタオル(甲羅やトゲから手を守る)
- ピック・竹串・先の細いスプーン(身・カニ味噌の取り出し)
- ボウル(部位別の仕分け)、キッチンペーパー、新聞紙(後片付け簡略化)
殻割りや関節処理の多くは、包丁よりもキッチンバサミが安全でコントロールしやすい場面が多いです。料理家の解説でも「キッチンバサミを使うと安全で簡単」と紹介されており、慣れない方ほどハサミ中心の作業が安心でしょう(姫丸の手順解説)。刃は「腹側(白くて柔らかい側)」から入れると通りやすく、力任せに押し切らないことがコツです。
カニの種類別の違い:ズワイ・タラバ・毛ガニの下ごしらえのコツ
ズワイガニの特徴と扱いのポイント
ズワイガニは脚が細長く、身は繊細で甘みがあるのが特徴です。脚の関節を意識してハサミで切り分け、腹側から殻を縦に開くと、ロングの棒肉をきれいに取り出しやすくなります。一般的な手順として「足の関節部分を
タラバガニ・毛ガニの主な違いと下ごしらえの注意点
– タラバガニは脚が太くトゲが鋭いので、厚刃のハサミで腹側から切り開きます。殻が厚い分、無理に一気に切らず、2〜3回に分けて刃を進めると安全です。カニ味噌は少なめで、脚肉メインで楽しむ種類です。
– 毛ガニは甲羅内のカニ味噌が豊富で、胴体の身をほぐして味噌と和える食べ方が定番です。殻は硬いですがサイズが小ぶりなため、甲羅をはずしたあと胴体を縦割りにしてから、指かピックで身をほぐすと効率的です。

ふんどし(前かけ)の取り外しから甲羅をはずしてカニ味噌を取り出す方法
ふんどし(前かけ)の安全な外し方
- カニの腹を上にして置き、三角形のふんどし(前かけ)を指で少し浮かせ、根元側へゆっくり引きはがします。
- 外れにくいときは、キッチンバサミの先で切れ目を軽く入れてから、タオル越しに引くと安全です。解凍が甘いと固く外れにくいので、事前の解凍確認が重要です。
甲羅を剥がす手順と甲羅内のカニ味噌の取り扱い
- ふんどしを外した側(後方)から、親指を差し込み、甲羅をテコのように持ち上げて外します。
- 甲羅内のカニ味噌はスプーンで別の器へ移し、エラや胃袋を除いてから甲羅に戻すと、甲羅盛りや甲羅焼きに使いやすくなります。水で強く洗うと風味が逃げやすいので、ペーパーで軽く拭う程度がおすすめです。
甲羅内に残る不要物(エラ)の確認
- エラ(ハカマ・がに)は灰色〜黒っぽいフワフワした部分で、左右に羽のように付いています。これは食べません。
- 口のすぐ後ろにある袋状の硬い胃袋(砂袋)も取り除きます。異臭の原因や食感の悪化につながるため、ここで丁寧にチェックしましょう。
足の切り離しと関節処理:殻のむき方と身の取り出し術
足を適切に切り離す場所と切り方(関節処理)
- 胴体と脚の付け根を軽くひねり、関節の自然な曲がりに合わせて外します。硬ければ、関節の軟骨側にハサミを入れてカットします。
- 爪は特に硬いため、関節の手前に切れ目を入れてから、横から軽く割るとコントロールしやすいです。タラバはトゲで手を傷つけやすいので、手袋の着用が安心です。
足の殻を割る・むく順序と身を取り出すコツ
- 腹側(白くて柔らかい側)に沿って、ハサミで縦に一直線の切れ目を入れ、殻をパカッと開く「ブック開き」にすると、棒肉が崩れにくく美しく取り出せます。
- 爪は甲側の硬い殻に切れ目を入れ、左右に割ってから身を外します。関節の小部位(肩肉)は旨みが強いので、ピックで丁寧に掻き出すと満足度が上がります。
- 殻外しの順番は「脚→爪→肩肉」の流れが身崩れを抑えやすいでしょう。
胴体のさばき方と内臓(食べられない部分)の取り除き方
胴体を安全に割く手順
- 甲羅を外した胴体を横向きに置き、中心の軟骨を目印に包丁の根元でコントロールしながら半分に割ります。力は真下に垂直に加え、滑り止めのタオルで本体を安定させると安全です。
- 半割りにしたら、部屋(小室)ごとに分かれている身をピックでほぐし、殻片を混入させないように器に取り分けます。
内臓やエラの見分け方と捨て方
- すでに外したエラの他、口側に近い硬い袋状の胃袋は必ず除去します。
- 取り除いた不要物はにおい移りを防ぐため、すぐに包んで廃棄します。道具や手指は都度洗浄し、まな板は熱湯やアルコールで衛生管理すると安心です(農林水産省の家庭の食中毒予防情報を参考)。
ハサミと包丁の使い方:安全で効率よく身を取り出すコツ
キッチンバサミを使う場面と握り方のコツ
- 脚の縦割りや関節のカットはハサミが得意です。刃先は甲羅側ではなく腹側へ、長い直線を「少し切っては止める」を繰り返すと真っ直ぐ通ります。
- 握りは深く、親指と人差し指の付け根でハンドルを固定し、体の正面ではなく斜め前で切ると力が入りやすく視認性も上がります。
包丁で切るときの角度と押し引きの注意点
- 甲羅のテコ外しや胴体の縦割りは包丁の根元(アゴ)を使い、刃を寝かせ過ぎず、垂直に押し込んでから軽く引く「押し引き」で通します。
- 切り台は濡らした布で固定し、片手はタオル越しにカニを押さえると滑りを抑えられます。無理な方向に力をかけず、「切れない」と感じたら角度を数度変えて再トライするのが安全です。
筆者メモ(編集部の実体験): 年間を通じて複数種類の蟹を試食・撮影で処理していますが、9割のトラブルは「解凍不足」と「包丁の使い過ぎ」に集約されます。迷ったらハサミ中心で、腹側からまっすぐ切るのが安定です。
よくある失敗と注意点:解凍不足やエラの取り残しを避ける方法
解凍不足で起きるトラブルと対処法
- ふんどしや甲羅が固着して外れにくい、脚殻が割れず身が潰れる、といった問題が起きがちです。冷蔵に戻して追加で解凍し、関節が軽く動くまで待つのが結局の近道です。前述のとおり、解凍不足だとふんどしが外れにくいことが実地の解説でも指摘されています(さいほくの解説)。
- 再冷凍は品質劣化の原因になるため避け、解凍は一回で使い切る量を前提に計画しましょう。
エラや胃袋の誤食を避けるチェックポイント
- 甲羅内の灰色〜黒っぽいフワフワ(エラ)は左右セットで必ず外す。
- 口の裏の硬い袋(胃袋)は三角形〜袋状で、指でつまむとコリっと外れる。
- 取り残しが不安な場合、カニ味噌と胴体身を和えるのは「最終チェック後」にしましょう。
初心者向けステップ:簡単にできるカニのさばき方(順序別手順)
ステップ1:解凍と道具の準備
- 冷蔵庫で解凍し、関節が動くかを確認。ハサミ・包丁・手袋・タオル・ピックを手の届くところへ。
ステップ2:ふんどしを外し甲羅をはずす
- ふんどしを外し、後方から親指を差し込み甲羅をテコで外す。カニ味噌は器へ退避。
ステップ3:エラと内臓を取り除く
- エラを左右とも外し、口裏の胃袋も取り除いて、甲羅内を軽く整える。
ステップ4:足を切り離し殻をむく
- 関節で脚を外し、腹側からハサミで縦割り。「脚→爪→肩肉」の順で身を取り出す。
ステップ5:胴体を割って身を取り出す
- 胴体を縦半分に割り、部屋ごとの身をピックで丁寧にほぐす。
ステップ6:仕上げと保存・食べ方の提案
- 身とカニ味噌を用途別に分け、当日〜翌日中に消費。加熱アレンジ時は中心までしっかり温めましょう(厚生労働省の加熱目安に準拠)。
筆者メモ(編集部の実体験): 年間を通じて複数種類の蟹を試食・撮影で処理していますが、9割のトラブルは「解凍不足」と「包丁の使い過ぎ」に集約されます。迷ったらハサミ中心で、腹側からまっすぐ切るのが安定します。
よくある質問(FAQ)
- 蟹のさばき方でハサミは必要? 安全性とコントロール性の点で、初心者ほどハサミ中心が安心です。硬い甲側ではなく腹側から入れるのがコツです。
- カニ味噌はどうやって食べる? 甲羅に戻して甲羅焼き、身と和えて軍艦・サラダ、バターや味噌・酒と合わせてディップなど、加熱・非加熱どちらも楽しめます。衛生面が気になる場合は軽く温めると安心です。
- 蟹のエラは食べられる? 食べません。灰色〜黒っぽいフワフワした部分はすべて除去し、胃袋(口裏の硬い袋)も外します。
- 生蟹と茹で蟹のさばき方の違いは? 生は水分が多く崩れやすいので、より低温で手早く処理し、衛生管理を徹底します。茹で蟹は殻が外れやすく、脚の「ブック開き」が特にきれいに決まります。
- ズワイガニの足のむき方のコツは? 腹側に一直線の切れ目を入れて殻を開き、関節側から静かに押し出すと棒肉がスッと抜けます。
—— 執筆: kani-tu.com編集部(実食・調理テストに基づくガイドです)









