カニの足の数を種類別に見分ける方法

カニの足の数は何本?種類別の見分け方

最終更新日:2025-12-25

カニの足は基本的に何本?結論と簡単な確認方法

結論:ほとんどのカニは足が10本5対

結論から言うと、一般的なカニの足の数は10本です。左右5対で、うち前方1対はハサミ(鋏脚)、残り4対が歩くための足(歩脚)です。カニは十脚目に属するため、基本形が「10本」で覚えやすいでしょう(出典:カニ – Wikipedia)。

参考:十脚目=英語でDecapoda、deca=10の意味です。語源で「10本」を覚えると混同しにくくなります。

(出典:カニ – Wikipedia)

まずは外見で確認するポイント:ハサミ脚と歩脚の見つけ方

外見での見分けはシンプルです。正面から見て一番目立つ大きなハサミが1対あり、その後方に歩脚が左右4対並びます。殻の縁から等間隔で脚が出ていれば、十脚類の基本形と考えられます。

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ズワイガニは本当に10本?足の構造と特徴を図で理解する

ズワイガニの足の本数と配置(左右5対)

ズワイガニは十脚類の典型で、左右5対=合計10本です。前方の1対が鋏脚、残り4対が歩脚で、いずれも長く細い形状が特徴です。脚の節が多くしなやかに動くため、食用としては棒肉が長く取れます。

(出典:survive-japan.co.jp/kanitsuhan/kaniashi-honsu/

前方の1対がハサミ(鋏脚)である理由

鋏脚は餌をつかむ、身を守る、オス同士の争いなど多用途に使われます。ズワイでは鋏脚は歩脚ほど太くはありませんが、獲物を扱うのに十分な力と器用さがあります。

十脚類としての位置づけと食用での見た目の特徴

ズワイの脚は長く、節が多いので可食部が取りやすいのが魅力です。通販写真でよく見る「肩から伸びる長い棒肉」は、歩脚の基部から末端方向に向けて抜いた身です。十脚類らしい「5対の規則的な配置」を意識すると、見た目でも10本が確認しやすいでしょう。

(出典:survive-japan.co.jp/kanitsuhan/kaniashi-honsu/)

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(出典:Gakken 学研キッズネット教材PDF)

タラバガニはなぜ8本とされる?ヤドカリ下目との違いを解説

タラバガニの足の本数:左右4対で計8本に見える仕組み

食卓や市場で「タラバガニの足は8本」と説明されるのは、目に見えて大きい脚が左右4対しかないためです。鋏脚を含めた“可食・可視の主脚”が8本に見えることが理由です。

(出典:Gakken 学研キッズネット教材PDF

ヤドカリ下目に属するため後肢が退化・隠れているケースがある

タラバガニは実はヤドカリの仲間で、後ろ側の脚が小さく退化して甲の内側に隠れます。そのため外からは8本に見えますが、系統としては十脚類に属します。見た目の8本と、分類学上の十脚という二つの視点を押さえておくと混乱しません(出典:Gakken 学研キッズネット教材PDF)。

(出典:Gakken 学研キッズネット教材PDF)

食卓で見るタラバガニと学術的な分類の違い

販売現場では「カニ」として扱われますが、学術的には“異尾類(ヤドカリ下目)”です。市場呼称と分類学がズレる代表例のひとつで、「タラバは見た目8本、ズワイは10本」という覚え方が実用的です。

(出典:Gakken 学研キッズネット教材PDF)

毛ガニ・サワガニなど代表種の足の本数と例外の見分け方

毛ガニ・サワガニ・小型カニの足の本数一覧(代表例)

毛ガニ(クリガニ科):基本は10本。鋏脚1対+歩脚4対
サワガニ(サワガニ科):川にすむ日本の淡水性カニ。基本は10本。
ワタリガニ類(ガザミなど):基本は10本。後脚が櫂状で遊泳に適応。
ショウジンガニなど小型種:原則10本。形態は種により多様です。

足の本数が異なると見えるケース:脱皮や欠損、退化の影響

自然界や流通では、脱皮直後の未硬化期や、捕食・漁獲時の欠損で本数が揃わない個体があります。欠損は再生で回復することもありますが、短い再生脚は見落としやすい点に注意してください。

見分けのコツ:殻の形やハサミの位置で判断する方法

殻の前縁の突起数、ハサミの形、最後脚の形状(櫂状か否か)を見れば、十脚の5対を数えやすくなります。特に後方の1対は小さめで見落としがちなので、甲羅の後角付近も視線を走らせましょう。

筆者メモ:kani-tu.com編集部は産地取材で実個体の計測を行いますが、歩脚の根元が殻に密着して隠れて見えることが多く、写真だけで「欠脚」と誤認しがちです。実物を軽く持ち上げて関節を開くと、本数確認が確実です。

ヤドカリやエビとの足の違い:見た目で混同しないために

ヤドカリの足の本数とカニとの形態的違い

ヤドカリは十脚類ですが、後方の脚が小さく殻内に隠れ、外見では主脚8本に見えやすい点が特徴です。タラバガニはこの系統で、市場では“カニ”として扱われますが、形態はヤドカリ類に近いです(出典:survive-japan.co.jp/kanitsuhan/kaniashi-honsu/)。

エビ・ザリガニとの見分けポイント(歩脚・尾肢の有無)

エビ・ザリガニも十脚類ですが、腹部が長く、尾扇(尾肢)が発達しています。体を後ろに跳ねて逃げるための尾が目立つのが特徴です。甲羅が横に広い“カニ型”と、腹部が長い“エビ型”のシルエットで見分けると混同しにくいです。

市場での呼称と学術分類のズレに注意する点

「タラバガニ」「ヤシガニ」など、市場名に“カニ”が付いても分類は異尾類の例があります。購入時は“見える足の数”と“用途(食べたい部位)”で選び、分類の違いは特徴理解のヒントとして活用するとよいでしょう。

まとめ

  • 基本:カニの足の数は10本(鋏脚1対+歩脚4対)。十脚=Decapodaと覚えると便利です(出典:カニ – Wikipedia)。
  • ズワイ・毛ガニ・サワガニなど“真のカニ”は10本が基本形です。
  • タラバガニはヤドカリ下目で、外見では主脚8本に見えます(出典:Gakken 学研キッズネット教材PDF)。
  • 数え方のコツは「ハサミ確認→左右ブロックで歩脚を数える」。後方の小さな脚の見落としに注意しましょう。
  • 市場呼称と学術分類のズレを理解すると、通販の写真や現物でも迷いにくくなります。

通販で選ぶ際は、欲しいのが「長い棒肉ならズワイ」「太く食べ応えならタラバ」というように、足の構造と可食部の特徴を結びつけて選ぶのがおすすめです。

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参考