カニの飼育エサ選びと与え方を徹底解説

カニ飼育のエサ選びと与え方入門

更新日:2025-12-31

執筆:kani-tu編集部(飼育歴5年。淡水サワガニとヤドカリの飼育・取材経験、餌の切り替え検証や水質管理の実地ノウハウを保有)

カニ 飼育 エサで迷ったときは、「雑食性に合わせた動物質+植物質+人工飼料の三本柱」と「食べ残しを出さない与え方」を押さえるのが早道です。この記事では種類を問わず活用できる基礎と、今日から使える実践手順をまとめます。

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カニは何を食べる?雑食性の特徴と必要な栄養バランス

雑食性とは何か

多くのカニは雑食性で、動物質と植物質の両方をついばみます。家庭飼育では魚の切り身や乾燥エビ、シラスなどの動物質と、野菜・果物・水草・海藻などの植物質をバランスよく与えるのが基本です(tropica.jpの飼育解説に同旨の記載あり: tropica.jp)。

雑食性の利点は選べる餌の幅が広い点ですが、片寄りが続くと甲羅の形成不全や脱皮不全につながることがあります。週単位での栄養バランス設計を意識しましょう。

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主要栄養素の重要性(タンパク質・カルシウムなど)

  • タンパク質:成長と筋肉・臓器の維持に必須で、動物質餌と高タンパク人工飼料で補いやすいです(NRC 2011、FAO/Tacon 1993)。
  • カルシウムとミネラル:甲羅・外骨格の形成と脱皮後の硬化に重要です。カルシウム含量の高い人工飼料やイカ骨(カトルボーン)の併用が有効とされています(NRC 2011)。
  • カロテノイド:体色維持や抗酸化に寄与し、海藻や緑黄色野菜、甲殻類由来の餌に多く含まれます(FAO/Tacon 1993)。

参考情報として、家庭飼育では「人工飼料を軸に、補助で動物質と植物質を足す」構成が扱いやすいと言えるでしょう(tropica.jp)。

動物質の餌の餌の選び方と与え方:魚切り身・乾燥エビ・シラス・イトミミズ

魚切り身・乾燥エビ・シラスの特徴と与える頻度

魚の切り身やシラスは消化しやすい動物性タンパク源で嗜好性が高く、食いつきアップに役立ちます。乾燥エビ(オキアミ等)はカロテノイド補給にも向きますが、塩分が気になる製品は軽く流水で戻してから与えると安心です。

頻度は週2〜3回、1回あたり「15分で食べ切れる量」が目安です。海水個体は腐敗が早いので10分を越えない量に抑え、淡水個体でも食べ残しはすぐ回収しましょう。

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イトミミズなど生餌の利点と安全な扱い方(殺菌・冷凍の注意)

イトミミズや冷凍アカムシは栄養価と嗜好性が高く、食欲不振時の「起爆剤」になります。病原菌対策として、殺菌済み・滅菌パックや信頼できる冷凍製品を選ぶのが基本です(aqualassic.comは、イトミミズ・冷凍アカムシをおやつとして与え、病原菌の殺菌済み製品を選ぶよう推奨)。

与える際は解凍後に軽くすすぎ、爪楊枝やピンセットで小分けに。常用ではなく週1回程度のご褒美として使うと水質悪化を抑えられます。

植物質の餌の選び方:野菜・果物・水草・海藻と避けるべきもの

おすすめの野菜・果物・海藻と栄養的役割

  • 野菜:小松菜、ブロッコリーの葉、サツマイモ薄切り、ニンジン薄切り、キュウリ薄切りは与えやすく、繊維と微量栄養素の補給に適しています。軽く湯通しして与えると消化しやすくなります。
  • 果物:リンゴやバナナを極少量。糖分が高いので「月数回・一口サイズ」に留めます。
  • 水草・海藻:アナカリス等の水草は淡水カニのつまみ食い用に、乾燥わかめ・スジ青のり・焼き海苔は細かくしてごく少量から。カロテノイドやミネラル補給に役立ちます。

植物質は便通やミネラルバランスの安定に寄与し、動物質に偏りがちなメニューの緩衝材になります。

与えてはいけない野菜や柑橘類(理由と代替案)

  • 生のほうれん草:シュウ酸がカルシウムの吸収を阻害するおそれ。どうしても与える場合は下茹でする。代替は小松菜やチンゲン菜。
  • ネギ類・ニラ:刺激成分が強く、甲殻類では避けられることが多い食材です。代替はブロッコリーの葉やカブの葉。
  • 柑橘類:強い酸と精油成分で刺激が強め。果物はリンゴなど中性寄りのものを少量に。
  • 味付き・加工品:塩分や油分で水質が急速に悪化します。人間用食品は与えないでください。

市販の人工飼料のおすすめと使い方:なぜザリガニのエサが便利か

ザリガニのエサが向く理由(カルシウム・タンパク質・沈降性)

カニは底生で拾い食いする習性があり、沈下性で崩れにくいペレットが扱いやすいです。ザリガニ用フードはカニと近縁の甲殻類向けに設計され、タンパク質とカルシウムが豊富で栄養バランスが取りやすい点が利点です(t-aquagarden.comは「ザリガニのエサがカニに最適で、カルシウム・タンパク質が豊富」と解説)。

人工飼料を主軸にすると、栄養設計が安定し、食べ残し量の管理もしやすくなります。

おすすめ製品例と選ぶ際のチェック項目

  • 沈下性で形崩れしにくい(濁りにくい)
  • 粗タンパク質30%前後以上、ミネラル(カルシウム)配合
  • 粒サイズが口幅に合う(小型は微粒〜小粒)
  • 含有原料に甲殻類ミールや海藻粉末など多様な栄養源
  • 密封性の高い容器・脱酸素包装で保存性が良い

小型個体には事前に飼料をさっと浸して柔らかくしてから与えると食べやすくなります。

餌の与え方と水質管理の実践:量・頻度・食べ残し対策

与える頻度と1回あたりの目安量(種別ごと)

  • 幼体・小型淡水カニ:1日おきに人工飼料を数粒、週2回まで動物質を少量。植物質は毎回添える。
  • 成体淡水カニ:週3〜4回、人工飼料中心に。動物質は週2回まで。15分で食べ切る量を上限に調整。
  • 海水・汽水カニ:腐敗が早いので少量高頻度(2日に1回少量)。海藻や乾物中心に、動物質は週1〜2回。

「少なめから始めて観察し、次回量で調整」が鉄則です。脱皮前後は食欲が落ちるので無理に与えず、殻が硬化してから徐々に戻します。

食べ残しの見つけ方とこまめに取り除く手順・水換えのポイント

  • ピンセットやスポイトで残餌を回収し、底床の隙間も軽く吸い出します。
  • フィーディングディッシュ(小皿)上で与えると回収しやすく、底床の汚れを抑えられます。
  • 水換えは淡水で週1回・全体の20〜30%を目安に。海水は比重を合わせた新水で同等量、ヒーターで温度差を最小化。
  • フィルターの目詰まりを月1回点検し、ろ材は飼育水ですすいでバクテリアを保護。

動物質の残餌はアンモニア上昇の主因です。与える前に「回収する手段があるか」を必ず確認しましょう。

淡水カニと海水カニでの餌の違い:環境別の与え方と注意点

淡水カニ向けの餌と特有の注意点

淡水カニは沈下性の人工飼料+野菜+時々の動物質で安定します。脱皮期のカルシウム補給として、イカ骨片や高カルシウム飼料を常備すると安心です(NRC 2011の甲殻類栄養所見に合致)。

半陸生種は必ず陸地を設け、湿度を保ちつつ腐敗しやすい餌は陸上で与えると水質悪化を抑えられます。

海水カニが好む餌(コケ・海藻)と海水ならではの管理

海水カニは岩肌のコケや海藻をよくついばみます。焼き海苔や乾燥わかめを極少量、白身魚やエビを週1〜2回のご褒美にします。

海水は高温時に腐敗が早いので、1回量は淡水より控えめ、回収は10分以内が目安です。比重とpHの急変を避けるため、水換え時は必ず事前に比重を合わせます。

カニの餌に関するよくある疑問と簡潔な回答

  • Q. カニの餌は何がいい?
    A. 沈下性のザリガニ用人工飼料を主軸に、野菜を毎回少量、動物質を週2回までが扱いやすいです。→詳しくは「市販の人工飼料のおすすめ…」参照。
  • Q. カニにザリガニのエサは与えられる?
    A. はい。栄養と形状が適し、カルシウム・タンパク質が取りやすいと紹介されています(t-aquagarden.com)。→「市販の人工飼料…」参照。
  • Q. 餌をやり過ぎるとどうなる?
    A. 残餌が水を汚しアンモニア上昇→脱皮不全や病気のリスクが高まります。15分で食べ切る量を守り、残りは回収しましょう。→「餌の与え方と水質管理…」参照。
  • Q. イトミミズはカニの餌に適している?
    A. 嗜好性が高いおやつとして有効ですが、殺菌済み・信頼できる冷凍製品を選ぶのが安全です(aqualassic.com)。→「動物質の餌の選び方…」参照。
  • Q. 海水カニの餌は何?
    A. 焼き海苔や乾燥わかめなどの海藻を主体に、白身魚やエビを控えめに。与えたら10分以内の回収を徹底します。→「淡水カニと海水カニ…」参照。

初心者向けまとめ:初めてのカニ飼育で試す餌と週間スケジュール例

おすすめの初期セット(人工飼料+週1の生餌+野菜)

  • 主食:沈下性のザリガニ用人工飼料(小粒)
  • 補助:小松菜・ニンジン薄切りを都度少量
  • ご褒美:冷凍アカムシ or 殺菌済みイトミミズを週1回
  • サポート:イカ骨片(カルシウム)を小片で常設

この構成は栄養が崩れにくく、水質管理もシンプルです(t-aquagarden.com、NRC 2011)。

1週間の餌やりチェックリスト(観察ポイントつき)

  • 月:人工飼料少量+野菜ひとかけ。食べ切り15分、残餌回収。
  • 火:休餌。フン量と歩行の力強さを観察。
  • 水:人工飼料少量。甲羅のひび・色ツヤを確認。
  • 木:野菜のみ少量。水換え20〜30%(海水は比重合わせ)。
  • 金:ご褒美に冷凍アカムシ少量(淡水)。10分で回収。
  • 土:人工飼料少量+海藻(海水種は焼き海苔ひとかけ)。
  • 日:休餌。フィルター点検と底床のスポイト掃除。

毎日、食欲・脱皮兆候(甲羅の曇りや落ち着き)・ハサミの欠損の有無をメモし、翌週の量を微調整しましょう。

筆者のひとこと(経験談)
編集部では、人工飼料を軸に「野菜は毎回、ご褒美は週1」の配分に変えたところ、残餌が減って水換え頻度を下げられ、脱皮後の硬化も安定しました。迷ったら「まずは少なめ、観察して次回量で調整」が最短ルートです。

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参考