蟹の卵と甲羅の黒いブツブツの正体を徹底解説

蟹の卵と甲羅の黒いブツブツ徹底解説

最終更新日: 2025-12-26

蟹の甲羅に付く黒いブツブツは何?見た目と正体の見分け方

結論: 甲羅の黒いブツブツの多くは蟹の卵ではなく、カニヒル(カニビル)の卵で、食べても害はなく品質の悪化を意味しない場合が多いです。

黒いブツブツの見た目の特徴(色・形・付着場所)

甲羅表面に直径1〜2mm程度の黒〜濃茶色の粒が多数まとまって点在し、爪の付け根や甲羅のくぼみ、脚の関節周りに集中的に見られることが多いとされています。指で触るとポロポロと取れることがあり、泥のように広がらないのが特徴で、乾燥していても艶のある黒い粒状で残る点が見分けのポイントになります。

海藻や泥、内子・外子との見た目の違い

  • 泥・砂: 擦ると広がって薄く汚れる、乾くと灰色がかるため粒状感が弱いです。
  • 海藻片: 緑〜褐色で繊維質があり、薄片状に剥がれることが多いです。
  • 内子(メスの卵巣): 甲羅の内側にある鮮やかな橙色〜赤色のペースト状で、外側からは粒として見えません。
  • 外子(抱卵): 腹部のふんどし(腹節)裏にびっしり付く黒〜茶の微細な卵で、外観は粒ですが付着位置が甲羅表面ではなく腹側です。
インフォグラフィック1

\お得に旬のカニを手に入れたいあなたへ/

実際の説明として、福井の越前ガニの現場解説として、三国温泉の宿「あらや」は、甲羅の黒い粒はカニヒル(カニビル)の卵で、日本海の海底で生活するヒルが吸盤で甲羅に付着して卵を植え付けると説明しています(参考: あらや)。これらは蟹本体の卵ではなく、調理前に水洗いで軽く落とすか、そのままボイルしても味や安全性に大きな影響はないとされています。むしろ生け簀に長く置かれていない個体で見られやすいと語られることがあり、漁場直送の目安として扱う売場もあります。

内子・外子とは何か?蟹の卵の種類と食べ方・注意点

結論: 内子はメスの卵巣(体内)で濃厚なコク、外子は抱卵(体外)でプチプチ食感が特徴で、いずれも十分に加熱してから食べるのが基本です。

内子と外子の違い(部位・食感・風味)

  • 内子(うちこ): メスの甲羅内にある卵巣で、橙〜赤のペースト状、濃厚で旨味が強く、甲羅味噌と和えると一層豊かな風味になります。
  • 外子(そとこ): 受精後に腹部に抱える極小の卵で、黒〜茶色の粒が腹節裏に層状に付くのが特徴で、プチプチとした独特の食感を楽しめます。
  • 対象種の例: ズワイガニの雌(地方名: セイコガニ・香箱ガニ)や毛ガニの抱卵個体で見られ、種や海域で色合いや粒感はやや異なります。

卵の調理法とおすすめの食べ方(下処理・加熱のポイント)

– 基本は十分加熱: 食品衛生の観点から、内子・外子とも中心までしっかり火を通す調理が推奨されます。

– ボイル蟹の場合: すでに加熱済みでも、再加熱は中弱火で温め直しに留め、過加熱によるパサつきを避けましょう。

– 甲羅盛り: 甲羅味噌+内子+外子を酒少々で伸ばし、弱火で温めて香りを立たせると失敗が少ないです。

– ちらし・酢飯: 外子は塩気を調整し、酢飯に散らすと食感が映えます。

– 保存: ボイル済み外子は小分けで急速冷凍、解凍は冷蔵庫で低温ゆっくりがドリップ抑制に有効です。

旬と季節的な出回り: ズワイガニ雌は解禁初期〜冬本番にかけて内子・外子が充実しやすいとされ、地域の漁期に沿って11〜12月頃に流通量が増える傾向があります。毛ガニは産地や時期により抱卵個体の出回りが分かれ、禁漁・サイズ規制もあるため、通販や産地直送の商品説明で旬と禁漁期間の記載を確認すると安心と言えるでしょう。

越前ガニの見分け方:献上蟹サイズ・重さで見る品質と産地証明タグの意味

結論: 越前ガニは黄色タグの有無と表示情報、同サイズ内での重さ、身入り・脚の張りを総合評価し、献上級は年次で基準が変動する特選クラスだと理解すると選びやすくなります。

献上蟹とされるサイズ(目安のkgレンジ)と理由

献上蟹は福井の各港で選抜される最上位クラスで、甲羅幅・爪の太さ・歩脚の張り・身入り・外観の総合点で選ばれます。重さの目安は年や海況で変わり、しばしば1kgを大きく超える大型個体が候補に上がりますが、単純な重量だけでなく身の詰まりや見た目の完璧さが重視されます。したがって「◯kg以上なら必ず献上級」とは言えず、あくまで特選の目安レンジとして理解するのが実用的です。

重さが示す品質

同じ全長・甲羅幅でも、ずっしり重い個体は脱皮から時間が経ち身がよく回復している可能性が高く、加熱時の身縮みが少なくジューシーに感じられやすいです。表示重量が近い個体なら、- 脚付け根の弾力、- 甲羅周りの充実、- 水っぽさの有無(ドリップ)を合わせて確認すると、見た目以上に満足度の高い一杯を選べます。

黄色い産地証明タグの役割と記載内容

越前ガニには福井県統一の黄色いブランドタグが装着され、産地ブランドの証明とトレーサビリティの起点になります。タグには「越前がに」の表示と管理番号、漁港・船名等が記されることがあり、通販でも「タグ付き」は産地証明および品質管理の重要な手掛かりになります。タグの有無・写真の接写・番号の明示は、信頼性を見極める具体的なチェックポイントと言えるでしょう。

インフォグラフィック2
インフォグラフィック3

よくある質問(FAQ)—このセクションは以下に続きます。

よくある質問(FAQ)

  • 蟹の甲羅に黒いブツブツは食べられる?
    一般的にカニヒルの卵で蟹の身と分離しており、人への害は報告されていません。気になる場合は洗い落としてから加熱調理するとよいでしょう。
  • 蟹の卵って何?内子と外子の違いは?
    内子は体内の卵巣で濃厚な旨味、外子は体外に抱える卵でプチプチ食感です。位置・色・食感が大きく異なります。
  • 越前ガニの黒い卵は良い証拠?
    甲羅表面の黒い粒は多くがカニヒルの卵で、漁獲後の滞留が短い個体に見られやすいと語られることがありますが、品質を一律に保証する指標ではありません。総合的に判断しましょう。
  • カニ通販で卵付きの蟹は買える?
    「内子」「外子」「抱卵」「セイコガニ(香箱)」などのキーワードで探せます。禁漁・規格により在庫が限られるため、解禁期の早期予約が有効です。
  • 蟹の卵の季節はいつ?
    ズワイガニ雌は冬の解禁期に内子・外子が充実しやすい傾向があります。地域の漁期情報を併せて確認してください。

カニ通販で卵付きの蟹を買う方法と信頼できる通販サイトの評価基準

結論: 「卵の有無が明記されたタグ付き商品」を、鮮度・配送・返品方針が整った専門性の高いショップから選ぶのが近道です。

卵付き蟹を通販で探すときのキーワードと商品説明のチェックポイント

  • 検索語例: 「内子」「外子」「抱卵」「子持ち」「セイコガニ(香箱ガニ)」「子持ち毛ガニ」「外子付き」
  • 商品説明で見る点:
    • 産地・漁港名と「タグ付き」表記の有無
    • 状態(活・生・ボイル・冷凍)と再冷凍の有無
    • サイズ表記(重量レンジ・目安人数)と撮影画像が現物かイメージか
    • 解禁期・発送開始日・到着日の指定可否
    • 「内子あり」「外子あり」を明記、写真の接写と付着位置の確認

通販サイト評価の基準(鮮度管理・産地証明・出荷スピード・返品対応):

  • 鮮度管理: 冷蔵・冷凍帯の温度管理、グレーズ処理、ドリップ対策の記載が丁寧です。
  • 産地証明: 黄色タグの接写、管理番号や水揚げ港の明示が信頼を高めます。
  • 出荷スピード: 解禁直後や天候荒れ時の発送ポリシーが明確で、遅延時の連絡体制があるか。
  • 返品・補償: 輸送事故・身入り不良・死亡到着などに対する写真提出と返金・代替の条件が明示されているか。
  • レビューの質: 写真付き購入レビューが多く、卵の状態に言及があると参考度が高いです。

主要な通販カテゴリと選び方の目安

  • 専門店(カニ専門通販): 目利きが明確で卵付きの在庫告知が早く、ランキング型の提案が充実していることが多くおすすめです。
  • 産地直送(漁協・港の仲買): 解禁期の鮮度とタグの確度が高い反面、天候で出荷が揺れやすい点を理解しましょう。
  • 総合EC: 選択肢が広く価格比較が容易ですが、出店者ごとに品質差が出やすいため、上記基準での目利きが重要です。

買った後に確認すべき蟹の鮮度と弱い蟹の見分け方、保存・解凍の注意点

届いたときの鮮度チェックリスト(匂い・動き・甲羅の状態)

  • 匂い: アンモニア臭や強い酸味がないこと、海の香りが感じられること。
  • 生・活: 目や口器が反応し、脚先がしっかり握れるか。
  • ボイル: 甲羅がベタつかず、脚付け根に張りがあり、ドリップが少ないこと。
  • 冷凍: 霜だまりや乾燥焼け(白っぽいパサつき)が少ないこと、真空の密着が保たれていること。

弱い蟹(身抜けしやすい)の見分け方と対処法:

– 見分けの目安: 同サイズ比で軽い、肩を指で押すと沈む、水っぽいドリップが多い、脚が簡単に外れるなどは注意サインです。

– 対処: 旨味が散りやすいため、味噌甲羅焼きや雑炊・スープに活用すると満足度を補えます。写真と一緒に販売店へ早めに連絡するとサポートを受けやすいです。

– 保存・解凍方法(冷凍・冷蔵それぞれのコツ)

  • 冷蔵保存(ボイル当日〜翌日): 新聞紙で包み、冷気が直接当たらないチルド帯で保管します。
  • 冷凍保存: 小分けで密封し急冷、空気を抜いて乾燥を防止します。
  • 解凍: 冷蔵庫内で半日〜一晩、ラップ+ペーパーでドリップを吸わせながら低温でゆっくり。常温解凍や長時間の流水は旨味流出につながるため避けるのがポイントです。

筆者プロフィール・実食メモ

kani-tu.com編集部 カニ通販アドバイザー。毎年解禁期に越前・香箱・毛ガニを現地と通販で実食・比較し、タグ表示と身入り、内子・外子の状態を写真で記録しています。甲羅の黒いブツブツは水洗いで落とした個体とそのまま調理した個体の両方を試し、風味差が実用上ほぼ気にならないことを複数回確認しています。読者の「失敗しない一杯」に直結する実用情報を重視してご案内します。

越前蟹へのこだわり | 越前ガニ料理 三国温泉の宿 あらや – https://e-araya.com/echizen-crab-guidance.html

参考

– 越前蟹へのこだわり | 越前ガニ料理 三国温泉の宿 あらや – https://e-araya.com/echizen-crab-guidance.html