ズワイガニは本当にカニ?見分けと分類を徹底解説

ズワイガニはカニじゃない?分類と見分け

更新日:2025-12-27

筆者:kani-tu.com 編集部(カニ通販歴10年・年間試食50杯以上)

目次

「タラバガニはカニじゃない」は本当か?生物学的な疑問を整理

なぜ『カニじゃない』と言われるのか

結論から言うと、「ズワイガニは本物のカニ」ですが「タラバガニは分類学上カニではない」とされることが多く、これはタラバガニがヤドカリの仲間(異尾下目)に属するためだと説明されています。公的機関である京都府の解説でも、タラバガニはヤドカリの仲間で、見える脚が合計8本という特徴が示されており、この点が「カニじゃない」と言われる理由の中核になります(京都府の解説、taberare.comの比較記事)。

出典:京都府「ズワイガニってどんなカニ?」、taberare.com「タラバガニとズワイガニの違い」

この記事で確認するポイント(脚の数・分類・名称)

本記事では次の3点を整理します。

  • 脚の本数の違い:タラバガニは8本、ズワイガニは10本という見分け方
  • 分類の違い:タラバガニはヤドカリの仲間、ズワイガニはクモガニ科の“本物のカニ”
  • 市場での名称:地域名ブランドやオス・メスの呼び名の基本

(参考:上記の京都府の解説およびtaberare.com)

インフォグラフィック1

タラバガニの見た目と脚の本数:見分け方の具体ポイント

脚は8本(はさみを含む)という観察ポイント

店頭や通販写真で迷ったら、まず見える脚の本数を数えるのが手早い方法です。タラバガニははさみを含めて見える脚が8本で、最後の一対は小さくて甲の内側に隠れているため、消費者目線では「8本」と認識されやすいのが特徴です。

殻や脚の太さ・形での見分け方

タラバガニは全体的に脚が太く“ブロック肉”感が強く、甲羅はゴツゴツした突起が目立ちます。殻表面のトゲが力強く、脚は円柱状で短めに見えることが多く、肉質は繊維が太く弾力がある食感になりやすい点も識別の目安になります。

インフォグラフィック2

ズワイガニは『本物のカニ』:クモガニ科に属する分類と脚の数

ズワイガニは脚が10本(はさみを含む)であること

ズワイガニは甲殻類・十脚目の中でも真正のカニ類(短尾下目)に分類され、はさみを含めて脚が10本確認できます。全体に脚が長く細いため、写真でも10本を数えやすく、タラバガニとの大きな違いになります(京都府の解説を参照)。

クモガニ科に属する分類学的な位置づけ

ズワイガニはクモガニ科(Chionoecetes 属)に分類される代表的な食用ガニで、「ズワイガニ カニ じゃ ない?」という疑問に対しては、分類学的には“本物のカニ”であると整理できます(京都府の解説)。

ズワイガニの生息地と生態:分布・水深・食性のデータ

主な分布(日本海側〜オホーツク海)

ズワイガニは日本海沿岸から北海道沖、オホーツク海方面にかけて広く分布し、地域ブランド(例:越前ガニ・松葉ガニ・加能ガニ等)として各地で水揚げされます。資源の分布は海域ごとに管理され、地域名と同時に“ズワイガニ”としての種を押さえて選ぶのがおすすめです(京都府の解説)。

水深帯(200〜450m程度)と餌となる生物

主に水深200〜450m程度の冷水域に多く、底生性の小型甲殻類や多毛類、貝類などを捕食するとされています。深場の安定した低温環境が、身のしまりと甘みの形成に寄与すると考えられています(各地の水産試験場・京都府の解説の知見を総合)。

味・食感の違いとおすすめの食べ方:ズワイガニとタラバガニ比較

身の味・食感の違い(ズワイガニの繊細な甘み、タラバの濃厚さ)

ズワイガニ:繊維が細く、じんわり広がる上品な甘みが特徴で、脚はみずみずしく、肩肉やかにみそも旨みが豊かです。

タラバガニ:筋繊維が太くプリッとした弾力、噛むほどに力強い旨みがにじみ、ボリューム感を楽しみたい方に向きます。

編集部の試食経験上、甘み重視ならズワイ、食べ応え重視ならタラバを選ぶと満足度が高いと言えるでしょう。

おすすめの調理法(茹で、鍋、焼き、むき方のコツ)

  • ズワイガニ:塩茹で(海水程度=塩分約3%目安)で甘みを引き出し、鮮度が良ければしゃぶしゃぶ(加熱は数秒)もおすすめです。かにみそは軽く温めて香りを立てると風味が増します。
  • タラバガニ:焼きガニやバター焼きで旨みを凝縮させると、太い脚肉のジューシーさが際立ちます。ボイル品は冷蔵庫でゆっくり解凍し、常温放置や急速加熱を避けるのがコツです。
インフォグラフィック3

よくある質問(FAQ)

  • タラバガニはなぜカニじゃないの?分類がヤドカリの仲間(異尾下目)で、見える脚が8本という形態的特徴があるためです(京都府の解説参照)。
  • ズワイガニとタラバガニの脚の本数の違いは?ズワイガニは10本(はさみを含む)、タラバガニは8本が目安です(京都府の解説、taberare.com)。
  • ズワイガニの本当の分類は?真正のカニ類で、クモガニ科のズワイガニ属(Chionoecetes)に属します(京都府の解説)。
  • ズワイガニのカニみそって何?中腸腺(いわゆる“肝膳”)に当たる部位で、旨みが濃く、加熱して食べるのが一般的です。
  • ズワイガニのオスとメスの違いは?オスは大型で脚が長く、メスは小型で外子(卵)や内子を持ち、地域によってメスは別名で流通します(香箱ガニ、セイコガニなど)。

ズワイガニのオス・メスの呼び名と見分け方(市場での名称)

オスとメスで呼び名が違う理由(脱皮や漁獲時の呼称)

ズワイガニは地域ブランド名に加え、性別で呼び名が分かれます。一般にオスが「ズワイガニ(松葉ガニ・越前ガニ・加能ガニ等の地域名)」、メスは「香箱ガニ(石川・富山)」「セイコガニ(福井)」などと呼ばれ、メスは卵(外子・内子)の珍味性が評価されます。脱皮のタイミングや甲羅の硬さも値付けに影響し、身入りの良さが評価基準になります。

市場でのラベルや形状からの見分け方

腹部のふた(腹節)の形で見分けるのが確実で、三角形に細いのがオス、幅広く丸みがあるのがメスです。メスは外子が甲羅の下に付いている場合があり、表示ラベルにも「香箱」「セイコ」などの名称が示されます。ズワイガニの特徴である細長い脚や、かにみその入り具合も選別ポイントです。

買うとき・食べるときの注意点:見分け方・鮮度チェックと保存法

脚の数や殻の様子で見分けるチェックリスト

  • 脚の本数:ズワイは10本、タラバは8本を目安に数える
  • 殻の質感:ズワイは比較的なめらか、タラバはトゲが目立つ
  • 欠け・割れ:脚落ちや甲羅割れは可食部が減るため価格と納得感を確認
  • 乾燥・黒変:表面の過度な乾燥や黒変は品質低下のサイン

鮮度の確認方法と家庭での保存・解凍のコツ

  • ボイル冷凍は、ドリップを抑えるため「冷蔵庫で一晩解凍→直前に常温戻し」が失敗しにくい方法です。
  • 生冷凍は半解凍で殻を外すと扱いやすく、加熱は過ぎないよう短時間で仕上げると甘みが残ります。
  • 再冷凍は風味を損ないやすいため避け、当日〜翌日で食べ切る計画を立てるのがおすすめです。

結論:ズワイガニは『本物のカニ』、タラバガニは分類上カニではないと考えられる

要点まとめ(分類・脚の数・味の違い)

  • 分類:ズワイガニは真正のカニ(クモガニ科)、タラバガニはヤドカリの仲間
  • 脚の数:ズワイガニは10本、タラバガニは8本が見分けの決め手
  • 味と食感:ズワイは繊細な甘み、タラバは力強い食べ応えという傾向

「ズワイガニ カニ じゃ ない」という疑問は誤解で、分類学的にも食材としてもズワイは“カニ”と考えられます。一方、タラバは“カニ”という名で流通しますが、生物学的にはヤドカリの仲間という整理が妥当です(京都府の解説)。

次に取るべき行動(購入時のチェック・調理の提案)

  • 購入時は脚の本数と殻の特徴で種類を確かめ、用途に合わせて選ぶのが満足度を高めるコツです。甘み重視の鍋・しゃぶならズワイ、豪快な焼きやステーキ感覚ならタラバを選ぶとよいでしょう。

参考

\お得に旬のカニを手に入れたいあなたへ/