犬にカニを与える安全ガイドと量の目安

犬にカニは安全?与え方と注意点まとめ

最終更新日:2025-12-27

執筆:かに通編集部(犬の飼育歴10年)。獣医師監修記事や公的データを参照し、筆者自身が獣医指導のもと実践したポイントも補足します。

犬にカニを与えても大丈夫?獣医の結論とこの記事で分かること

結論の要点(加熱したカニは基本的に少量なら可)

結論として、加熱したカニの身を、味付けや殻・内臓を除いたうえで少量だけ与えるのは概ね安全と考えられます。塩分過多や甲殻類アレルギーには注意が必要で、生食は避けてください(出典:Hotto[獣医師監修]、PS保険の動物病院解説)[https://hotto.me/10428, https://pshoken.co.jp/note_dog/dog_ngfood/case014.html]。

この記事で確認できること(生カニのリスク、与え方、誤飲時の対応)

  • 生カニのチアミナーゼがもたらすビタミンB1欠乏の仕組みと危険性
  • 加熱でリスクが下がる理由と、具体的な下ごしらえ・与え方
  • 犬種別の目安量・頻度、カニカマや味付けカニの扱い
  • 甲殻類アレルギーの兆候、殻の誤飲時の応急処置と受診目安
インフォグラフィック1

\お得に旬のカニを手に入れたいあなたへ/

インフォグラフィック1

生のカニがもたらすリスク:チアミナーゼがビタミンB1を分解する仕組み

チアミナーゼとは何か

生のカニにはチアミナーゼという酵素が含まれ、体内のビタミンB1(チアミン)を分解すると報告されています。B1が不足すると、食欲不振、ふらつき、神経症状などが起きる可能性があり、犬でも注意が必要です(出典:犬ナビ、Pet Recipe、Merck Veterinary Manual)

[https://inunavi.plan-b.co.jp/crab/, https://petrecipe.jp/ingredients/kani/, https://www.merckvetmanual.com/nutritional-disorders/vitamin-deficiencies/thiamine-deficiency-in-dogs-and-cats]

加熱で失活する理由と生食の危険性

チアミナーゼは加熱に弱く、十分な加熱で失活するとされます。反対に生食では酵素活性が残り、B1欠乏リスクが相対的に高まるため、生のカニや生の内臓は与えないのが安全です(出典:犬ナビ、Pet Recipe)

[前掲]

インフォグラフィック2

\お得に旬のカニを手に入れたいあなたへ/

加熱したカニの安全な与え方と栄養的なメリット

加熱で失活する要因と加熱調理のポイント

リスク低減の要は「しっかり加熱・しっかり除去・薄味」の三点です。十分に茹でるまたは蒸すことでチアミナーゼ活性を抑え、硬い殻や軟骨・内臓を丁寧に取り除きます。塩茹で品は塩抜きを行い、味付けや出汁・バターは避けると安全性が高まります(出典:Hotto、PS病院)

[前掲]

カニの栄養(高たんぱく・ミネラル)と犬にとっての利点

カニの身は高たんぱくで脂質が比較的少なく、亜鉛や銅、セレンなどの微量ミネラルを含むのが特徴です。総合栄養食の代わりにはなりませんが、ご褒美として少量をトッピングする形なら、嗜好性向上とたんぱく質補給が期待できるでしょう(出典:文部科学省 食品成分データベース)

[https://fooddb.mext.go.jp/]

FAQ

Q. 犬に生のカニを食べさせても大丈夫?
A. 生は避けてください。チアミナーゼによりB1欠乏の懸念があるため、必ず加熱し、殻や内臓を除去しましょう(出典:犬ナビ、Pet Recipe)

Q. 犬がカニでアレルギーを起こす症状は?
A. かゆみ、発疹、顔の腫れ、嘔吐・下痢、呼吸の異常などが典型です。初回はごく少量で反応を観察してください(出典:Hotto)

Q. 犬にカニを与える量はどれくらい?
A. 体格に応じたごく少量が目安です。小型30g・中型60g・大型90gは一つの参考値で、個体差に配慮してください(出典:わんこのわ)

Q. カニの殻や甲羅はあげてもいい?
A. 禁物です。鋭利で消化されにくく、口腔・消化管の損傷や詰まりの原因になります(出典:PS病院)

Q. 犬にカニカマは与えても大丈夫?
A. 多くは塩分・調味料・でん粉・添加物を含むため基本的に避けましょう。与えるなら無塩・無味の犬用製品をごく少量に留めます。

甲殻類アレルギーと誤飲時の症状・緊急対応の手順

甲殻類アレルギーで見られる症状と観察期間(初回は少量から)

甲殻類はアレルギー源になり得ます。初めて与える日は加熱した身を米粒〜小指の爪程度から始め、30分、2時間、24時間のタイムラインで、皮膚の赤み・掻痒、嘔吐・下痢、顔や口周りの腫れ、ぐったりするなどの変化を確認します。重い症状が出たら直ちに受診し、今後は与えないでください(出典:Hotto)

殻を飲み込んだ・喉に詰まったときの応急処置と獣医受診の目安

鋭い殻や甲羅は窒息・消化管損傷のリスクがあります。激しい咳き込みやよだれ、口を気にする、嘔吐反射が止まらない、血が混じる便や黒色便、腹痛がある場合は緊急度が高いサインです。無理に口をこじ開けたり、吐かせようとせず、すぐに動物病院へ連絡・受診してください(出典:PS病院)

実践ガイド:犬にカニを与える量・頻度・下ごしらえの具体手順

犬種別の1日の適量目安

  • 目安量例:小型犬30g/中型犬60g/大型犬90g(加熱した可食部)。まずはこの半量以下から様子見がおすすめです(出典:わんこのわ)

頻度:おやつ・トッピングとして週1回程度までを基本線にし、主食のカロリーに合わせて減量します。腎臓・心臓・膵臓疾患、減塩指示、食物アレルギー管理中の犬は獣医に必ず相談してください。

子犬・高齢犬・持病のある犬は控えるか、事前に獣医と相談しましょう(出典:わんこのわ)

筆者メモ:筆者の小型犬では、塩抜き後の脚肉を5〜10gほど細かく裂いて初回導入し、24時間の体調観察を徹底したところ問題は見られませんでした。個体差があるため、皆さまも必ず少量から様子見を行ってください。

下ごしらえ手順:茹で方、殻の除去、塩分を減らす方法

  1. 生食は不可。加熱済みでも再加熱して温め直し、中心まで十分に火を通します。
  2. 殻・軟骨・腱・内臓を除去し、身は繊維に沿って細かく裂いて喉詰まりを防ぎます。
  3. 塩茹で品は、ぬるま湯に数分浸ける→新しい湯でさっと湯通し→ペーパーで水気を切る、の順で塩抜きを行います。
  4. 調味不要。バター、醤油、出汁、マヨネーズ等は使わず、常温まで冷ましてから与えます。
  5. 与えた量を記録し、便や皮膚の状態を翌日まで観察します。

カニカマや味付けカニはどう扱うか

  • 基本は避ける:多くのカニカマは塩分・糖分・でん粉・調味料・着色料を含みます。
  • 代替案:犬用無塩・無着色の魚系トリーツや、プレーンに加熱した本物のカニ身をごく少量。
  • 加工品をどうしても与える場合は、ごく少量、成分表示を確認し、獣医の助言に従ってください。

安全性を高めるためには、加熱・薄味・殻除去を徹底してください。

\お得に旬のカニを手に入れたいあなたへ/

結論として、「犬にカニ」を与えるなら、生は避け、加熱・無味・少量・観察を徹底するのが安全の要となります。『カニ 犬』で検索された方は、まずは上のチェックリストを手元に置き、疑問があればかかりつけの獣医師に相談するとよいでしょう。

参考

  • 【獣医師監修】犬はカニを食べても大丈夫!ただし与え方には … – https://inunavi.plan-b.co.jp/crab/
  • 犬猫はカニを食べても大丈夫!生で食べられる?アレルギーの … – https://petrecipe.jp/ingredients/kani/
  • 【獣医師監修】犬がカニ(生)を食べても大丈夫?適量や … – https://hotto.me/10428
  • 犬が生のカニを食べたときの症状と応急処置を獣医が解説 – https://pshoken.co.jp/note_dog/dog_ngfood/case014.html
  • 犬にカニ(かに・蟹)をあげても大丈夫? … – https://wankonowa.com/column/thing/905/
  • Thiamine Deficiency in Dogs and Cats – Merck Veterinary Manual – https://www.merckvetmanual.com/nutritional-disorders/vitamin-deficiencies/thiamine-deficiency-in-dogs-and-cats
  • 文部科学省 食品成分データベース – https://fooddb.mext.go.jp/
  • TRVA動物医療センター(夜間救急) – https://trva.jp/
  • 名古屋夜間動物緊急診療所 – https://nagoya-yecc.jp/