蟹の卵の食べ方と下処理 完全ガイド
更新日:2025-12-28
目次
蟹の卵(内子と外子)の違いと特徴:見た目・味・食感を比較
旬のせいこがに(香箱蟹)を前に、蟹の卵の違いを知ると、味付けや盛り付けの設計が格段に楽になります。内子と外子それぞれの特徴を把握して、最適な食べ方を選びましょう。内子は鮮やかなオレンジ〜朱色を帯び、濃厚な旨みが特徴です。ボイル後はそのまま食べられ、舌にねっとり広がるコクと、茹でるとホロっとほぐれる食感が楽しめます(根室杉山水産、宝屋の解説より)。
- カラー:鮮やかなオレンジ色
- 味わい:濃厚、蟹味噌とも相性が良い
- 食感:茹でるとホロっと、未加熱だとねっとり
- 用途:甲羅盛り、和え物、酢の物などに好適
内子は鮮やかなオレンジ色で、ボイル後そのまま食べられ濃厚、茹でるとホロっとするという説明が示されています(根室杉山水産、宝屋)。
外子とは(受精卵の特徴)はメス蟹が腹側で抱える房状の卵で、つぶつぶが密集した房状。プチプチした心地よい食感と穏やかな塩気があり、内子よりもさっぱりした風味で、薬味や調味料との相性が抜群です。
- カラー:茶〜黒褐色が混じることが多い
- 味わい:控えめ、下味やタレが乗りやすい
- 食感:プチプチと弾ける食感
- 用途:ポン酢、わさび醤油、酢の物、軍艦巻きなど
外子はプチプチ食感で塩気があり、水洗い後にポン酢やわさび醤油で食べるのが定番とされています(越前蟹の本陣)。
味・食感・見た目の違いと食べどころとして、
– コクで選ぶなら内子、食感で楽しむなら外子が向いています。
– 甲羅盛りでは、底にほぐし身と味噌、中央に内子、天面に外子を散らすと色と食感の対比が美しくなります。
– 内子は少量でも満足度が高く、外子は薬味と合わせると量があっても飽きません。
根室杉山水産や宝屋の解説で示される内子の「濃厚さ」と「茹でるとホロっとする性質」、越前蟹の本陣が紹介する外子の「プチプチの食感とポン酢・わさび醤油との相性」を押さえると、食べどころの設計がしやすいでしょう。

外子の剥き方と下処理:甲羅からの取り出し・水洗い・おすすめの味付け
甲羅から外子を一房ずつ外す手順
- ふんどし(腹側の三角のフタ)を持ち上げ、外子の房を確認します。
- 房の根元を指でつまみ、ちぎらないよう一房ずつやさしく外します。
- 甲羅や脚の付け根に残った房も見落とさず回収します。
外子は房を崩しすぎると筋や殻片が混ざりやすくなるため、小房単位で取り出すのがコツです。
外子の水洗いと筋(不要部分)の取り方
- ボウルに張った冷水の中で小房を軽く振り洗いし、殻粉や砂を落とします。
- 外子同士をこすらず、浮いてくる薄皮や筋を指でつまんで除去します(筋は食べられないため取り除くのが基本です)。
- ザルに上げ、水気をしっかり切ります。
外子は筋がある場合があるため、丁寧に取り除くのが基本です(越前蟹の本陣)。
生で食べる・和える場合のおすすめ調味(ポン酢・わさび醤油)
- 定番:ポン酢+わさび少々、またはわさび醤油でシンプルに。
- 和え物:柚子酢+薄口醤油+刻み小ねぎ、黄身酢+三つ葉。
- ご飯に:温かい酢飯に外子をのせ、白ごま・刻み海苔・おろし生姜を少量。
外子は味の乗りがよいので、香味は控えめにして食感を主役にするのがおすすめです(越前蟹の本陣の食べ方解説と整合します)。

内子の取り出し方と調理法:茹でる・そのまま食べる際のコツ
甲羅から内子をきれいに取り出すコツ
- 甲羅を外し、味噌(中腸腺)を小鉢に避難させます。
- 内子はスプーンの縁で膜に沿ってやさしく掬い、まとまりを保ったまま取り出します。
- 甲羅の角や殻片が混ざらないよう、照明下で色の違いを確認しながら作業します。
筆者ポイント:スプーンの背で押すより、縁で「切り出す」イメージにすると崩れにくく、盛り付け時の見栄えが格段に上がります。
茹でたときの食感の変化と適切な茹で時間の目安
- 内子は加熱で「ねっとり→ホロっと」へ質感が変化します(根室杉山水産、宝屋)。
- 既に茹で蟹なら、内子は再加熱しすぎるとパサつきやすいため、蒸気で1〜2分温める程度が目安です。
- 生の内子を軽く火入れする場合は、湯通し10〜20秒→氷水で急冷し、水気を拭いてから味付けすると風味が残りやすいです。
内子を活かしたシンプルな食べ方(そのまま・和え物)
- そのまま:少量の塩、または薄口醤油をひと垂らし。温かい白飯にのせても相性抜群です。
- 和え物:蟹味噌+内子+酢少々+おろし生姜を和え、甲羅に戻して供する「甲羅戻し」。
- 椀物:内子を少量ほぐし、澄まし仕立てに浮かべると香りが立ちます。

せいこがに・香箱蟹のさばき方と甲羅盛りの盛り付け手順
脚や腹の外し方を含む全体のさばき手順
- 脚・爪を外し、胴体から切り離します。
- ふんどしを外し、外子を取り分けます。
- 甲羅を外し、ガニ(エラ)と口器を取り除きます。
- 胴の身を二分割し、関節の間から竹串でほぐし身を作ります。
- 味噌と内子は殻片が入らないよう別皿に避けておきます。
甲羅盛りは見栄えの要。底にほぐし身→味噌→内子を層にして、天盛りに外子を散らします。柚子皮・木の芽・細ねぎを添え、外子は点在させると立体感が出ます。
甲羅盛りの盛り付け準備と美しく見せるコツ
- 甲羅を軽くすすいで水気を拭き、器として使います。
- 底にほぐし身→味噌→内子の順に層を作り、最後に外子を天盛りします。
- 彩りに柚子皮のせん切り、木の芽、細ねぎを少量。
外子は多く盛りすぎず「点在」させると立体感が出ます。
食べ終わりに楽しむ〆(雑炊・ご飯利用)の提案
- 甲羅に残った味噌・内子・外子に熱々の白飯小盛りを加え、醤油を一滴、混ぜて甲羅ご飯に。
- 出汁を注ぎ、溶き卵で軽くとじて雑炊風にすると、旨みが隅々まで行き渡ります。
食べられない部分の見分け方と衛生上の注意点
外子の筋、エラ、口など食べないほうが良い部分の見分け方
- 外子の筋(房を束ねる繊維状の部分)は除去します。
- ガニ(エラ・鰓)は食べません。
- 口器や胃袋の硬い部分も除去します。
筋・エラ・口部は料理人の解説でも丁寧に除去する旨が示されています。
保存と取り扱いで気を付ける衛生ポイント
- 冷蔵:殻付きのままラップ+密閉容器で、0〜4℃帯を保ち、目安1〜2日以内に食べ切ります。
- 冷凍:内子・外子は小分けし、空気に触れないようラップ+冷凍用袋で急冷。目安2〜4週間で使い切ると風味が保てます。
- 交差汚染防止:生の部位に触れた包丁・まな板・手指は都度洗浄・消毒し、加熱済みの身と分けて扱います。
- 加熱の基本:中心まで十分に加熱することが推奨され、一般的な目安として中心部75℃で1分以上の加熱が案内されています(厚生労働省「食中毒予防の6つのポイント」)。
生で食べる際のリスクと火を通す目安
- 鮮度や衛生状態によっては細菌性食中毒のリスクがあるため、生食は慎重に判断し、心配な場合は加熱を優先します(厚生労働省)。
- 夏場や長時間の常温放置は避け、冷蔵保管と早めの消費を徹底します。温度管理と密閉が大切です(消費者庁)。
蟹の卵を使ったおすすめレシピとアレンジ:かに玉・和え物・甲羅活用
卵を使った簡単レシピ(かに玉風・和え物)
- 内子入りかに玉風:溶き卵2個に内子小さじ2、ほぐし身大さじ2、白だし少量。フライパンに多めの油で半熟にまとめ、甘酢あんを絡めます。
- 外子の黄身酢和え:外子大さじ3に黄身酢を和え、木の芽を添えます。
- 内子と味噌の白和え:内子小さじ2+蟹味噌小さじ1+木綿豆腐水切り30g+酢少々。柚子皮で香りを足します。
甲羅を器にした盛り付けアレンジ
- 甲羅グラタン:ほぐし身+内子+ベシャメルを詰め、パン粉少量で軽く色付くまで上火で短時間。内子は過加熱に注意。
- 甲羅寿司:酢飯を薄く詰め、内子・外子・ほぐし身を三層に。煎り酒か白醤油を一滴。
卵と相性の良い調味料・食材の組み合わせ
- 柑橘(柚子・すだち)、生姜、木の芽、酢、白だし、薄口醤油
- 乳脂(バター・生クリーム)は内子と相性良好、外子は酸味と香味野菜で引き立ちます
よくある質問(FAQ)
-
蟹の内子と外子の違いは何ですか?
内子は卵巣で濃厚、色は鮮やかなオレンジ、茹でるとホロっと。外子は受精卵でプチプチ食感、味は穏やかで調味が乗りやすいとされています(根室杉山水産、宝屋、越前蟹の本陣)。
-
蟹の外子は生で食べられますか?
鮮度や衛生管理が前提で、一般には水洗い後にポン酢やわさび醤油で食べられますが、生食はリスクも伴うため不安な場合は加熱を推奨します(越前蟹の本陣、厚生労働省の食中毒予防情報)。
-
せいこがにの卵の剥き方のコツは?
ふんどしを外して房を一つずつ取り、冷水中でやさしく振り洗いし、筋を必ず除去します。内子はスプーンの縁で膜に沿って掬うと崩れにくいです。
-
蟹の卵に食べられない部分はありますか?
外子の筋、ガニ(エラ)、口器は除去しましょう(銀座渡利)。
-
蟹の卵の保存方法は?(冷蔵・冷凍の目安と注意点)
冷蔵は0〜4℃で1〜2日、冷凍は小分け密閉で2〜4週間が目安。温度管理と交差汚染防止、十分な加熱が大切です(厚生労働省、消費者庁)。
最後に知っておきたい蟹の卵の美味しさを引き出すポイント
外子・内子それぞれの要点チェックリスト
- 外子:房は一つずつ外す/冷水でやさしく振り洗い/筋は除去/ポン酢・わさび醤油が基本
- 内子:膜に沿って掬い出す/再加熱は短時間で質感を保つ/味噌と合わせると旨み増幅
初めてでも失敗しない下処理の順序
- ふんどしを外す
- 外子を回収
- 甲羅を外し味噌避難
- ガニ・口器除去
- 内子と身を取り分け
- 水洗い・水切り
- 盛り付け
次に試してほしい味付けの組み合わせ
- 内子×薄口醤油×柚子少々
- 外子×黄身酢×木の芽
- 甲羅盛りに白醤油を一滴
結論として、内子は「濃厚さ」を、外子は「食感」を生かす調理と味付けを選ぶと、素材の魅力が最も引き立つと言えるでしょう。安全面の基本(冷温・清潔・加熱)を守りつつ、旬のごちそうを存分にお楽しみください。
――
執筆者:kani-tu.com編集部(蟹の通販・調理・保存に関する取材と実食経験に基づき執筆)
参考
- 内子・外子の召し上がり方 – https://kk-sugiyama.co.jp/readblog/uchikosotoko
- カニの卵(内子・外子)が絶品! – https://www.takaraya-himono.com/blog/promotion/7574
- 越前がにの食べ方- せいこがに – https://otemonbussan.store/pages/%E8%B6%8A%E5%89%8D%E3%81%8C%E3%81%AB%E3%81%AE%E9%A3%9F%E3%81%B9%E6%96%B9-%E3%81%9B%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%8C%E3%81%AB
- 本当は教えたくない香箱蟹の食べ方 – https://ginzawatari.jp/%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AF%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E9%A1%9E%E3%81%AE%E8%A9%9E%E3%81%A8%E8%84%82
- 厚生労働省「食中毒を防ぐために(食中毒予防の6つのポイント)」 – https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000034042.html
- 消費者庁「家庭でできる食中毒予防」 – https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_poisoning/








