淡水のカニ入門:種類・見分け・飼育
更新日:2025-12-29 監修・執筆:kani-tu.com編集部(渓流観察歴10年・モクズガニ調理経験あり)
目次
淡水カニを知る理由とこの記事で分かること(探し方と活用)
川や淡水に棲むカニの種類を知ると、観察・飼育・食用・保全の各場面で安全かつ適切に楽しめます。検索意図として多いのは、見分け方と飼える種類、旬や食べ方、地域ごとの分布です。この記事ではそれらを一つに整理します。
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誰がこの記事を読むべきか/想定読者
- 子どもと川で「淡水 カニ 種類」を調べたいご家庭や学校関係者
- サワガニやモクズガニの飼育を始めたい入門者
- 川ガニを食べる地域の旬や注意点を確認したい方
- 干潟・河口を含む流域全体の保全に関心がある方
この記事で得られる5つのポイント(種類・分布・飼育・食用・保全)
- 淡水ガニの定義と分類の基礎(参考:淡水ガニの概説[Wikipedia][r1])
- 日本でよく見られる種類と流域ごとの分布傾向(上流〜河口)
- 飼育しやすいカニの条件と初期セットの作り方(参考:TROPICA・カインズマガジン[r8][r9])
- 食用利用の旬・味・安全上の注意点(参考:産直アウルの解説[r6])
- レッドリスト事例と、観察者ができる保全アクション(参考:名古屋市RDB[r5])
調べ方のコツ(川での観察や同定の基本)
- 流域を上流・中流・下流〜河口に分け、環境(石礫、砂泥、ヨシ原)を記録します。
- 甲羅形・鋏脚の毛・色・大きさを写真に残し、後で照合します。
- 採集は最小限とし、地域の規則と安全確保を優先します。
淡水ガニの定義とカニ全体に占める種数・分類的位置づけ
淡水ガニとは(海性カニとの違い)
淡水ガニは、主として河川や湖沼などの淡水環境に適応したカニを指し、海に棲む多くのカニと生活史が異なる点が特徴です(参考:淡水ガニの定義[Wikipedia][r1])。純淡水性か、繁殖時に海を行き来するかで大きく分かれます。
世界と日本における淡水ガニの推定種数
世界的には多数の淡水性グループが知られ、大陸ごとに系統が分かれる傾向があるとされています(参考:[r1])。日本では純淡水性は限られ、川でよく知られるのはサワガニ属などで、回遊性としてモクズガニが広く知られます。
淡水ガニが属する主要な科と地理的分断
淡水ガニは地域ごとに異なる系統が分化し、アジア、アフリカ、南北アメリカなどで独自のグループが見られます(概要は[r1])。日本では東アジア系統の影響が強いことが指摘されます。
純淡水性のカニと幼生期に海を利用する回遊型カニの生活史の違い
純淡水性カニの特徴(繁殖と稚ガニの孵化様式)
純淡水性は川や沢の中で一生を完結し、大きめの卵から稚ガニが直接孵化する例が多いとされます。淡水域で生涯を過ごす点が観察・飼育の目安になります(区分の考え方:宮崎県水産試験場[r3])。
モクズガニなどの通し回遊性の生活史
モクズガニは川に棲みますが、繁殖期に海へ下り、海で幼生期を過ごしてから川へ遡上します。川と海を行き来する「通し回遊性」と整理されます(参考:宮崎県水産試験場[r3])。
生活史の違いが分布や保全に与える影響
純淡水性は上流の清流に依存し、局所的な環境悪化の影響を受けやすい傾向があります。回遊性は河口や遡上路の連続性が重要で、堰や干潟の改変が影響しやすいと考えられます(考え方の枠組み:r3)。
日本の代表的な淡水・川ガニ(サワガニ・モクズガニ等)の特徴と分布
サワガニの特徴と主な生息域(上流域での見分け方)
サワガニは小型で甲羅が平たく、清流の石の下などに潜みます。上流域での遭遇が多く、体色変異も見られます。上流で見かける代表種として案内されることが多い種類です(分布傾向の一般解説:雑魚の水辺[r4])。
モクズガニの特徴と採れる時期・分布
モクズガニは鋏脚に藻のような毛が密生し、中流域での観察例が多い川ガニです(分布傾向:r4)。分類や生態の詳細はモクズガニ項目にまとまっており、食用としても知られます(参考:モクズガニ[Wikipedia][r7])。
その他によく見られる日本の川ガニ(名前別の短い解説)
- ベンケイガニ類:下流〜汽水域の湿地やヨシ原で見られます。
- シオマネキ・チゴガニ類:干潟の巣穴周辺で活動が目立ちます。
- アカテガニ:半陸生で、河口近くの林縁にも現れます。
河川の上流・中流・下流〜河口で見られるカニ類の違いと代表例
上流域で観察しやすい種と生息環境(例:サワガニ)
清冽な沢や渓流で、転石下や流れの緩い溜まりを探します。サワガニは昼間は隠れ、夕方〜夜間に活動的になる傾向があります。
中流域で特徴的な種(例:モクズガニ)
川幅が広がる区間ではモクズガニの移動や脱皮殻が見つかることがあります。落ち葉帯や護岸の隙間を丁寧に観察すると発見しやすいでしょう。
下流〜河口・干潟で見られる種(例:シオマネキ、マメコブシガニ等)
河口・干潟・ヨシ原・カキ礁などはカニ類の多様性が高く、名古屋市の調査でも24種が確認されています(出典:名古屋市レッドデータブック2015 動物編 カニ類[r5])。
よくある質問(FAQ)
Q1. 日本の川や淡水にいる代表的なカニの種類にはどんなものがありますか?
A. 上流ではサワガニ、中流ではモクズガニ、下流〜河口ではシオマネキやベンケイガニ類が代表的です(参考:r4, r5, r7)。
Q2. サワガニとモクズガニの違いは何ですか?
A. サワガニは純淡水性で小型、上流の清流に多い傾向です。モクズガニは鋏脚に毛があり、中流で見られ、繁殖期に海へ下る回遊性です(参考:r3, r4, r7)。
Q3. 純淡水ガニと、幼生期に海で過ごすカニは何が違うのですか?
A. 純淡水性は淡水内で一生を完結し、回遊型は繁殖時に海と川を往来します。幼生の発育場所と移動が主な違いです(参考:r3)。
Q4. 自宅で飼える淡水カニにはどんな種類があり、飼育のポイントは何ですか?
A. サワガニや輸入の小型淡水カニ(例:バンパイアクラブ)が入門向きです。陸地の確保、脱走防止、水質と温度の安定が要点です(参考:r8, r9)。
Q5. 淡水ガニ(川ガニ)は食べても安全ですか?食べるときの注意点はありますか?
A. 加熱を徹底し、地域の水質や採捕規則を確認してください。旬や味はモクズガニが秋に評価されます(参考:r6)。
Q6. 自宅での観察に適した環境はどのようなものですか?
A. 透明度の高い水槽/陸地の確保/適度な隠れ家/安定した水質と温度が重要です(参考:r9)。
観賞用・ペットとして飼いやすい淡水〜半淡水カニの種類と飼育の基本
飼育に向くカニの条件(サイズ・雑食性・水質耐性)
小型で丈夫、雑食性が強く、やや幅広い水質に耐える種が入門向きです。淡水飼育か海水飼育かの区別も重要で、カニの種類ごとに最適環境が異なります(概要:TROPICA[r8])。
具体的に飼いにくい種と飼育セット例
- サワガニ:小型水槽+陸地(流木・砂利島)+弱めのろ過。冷涼環境を好む。
- バンパイアクラブ類(輸入):半陸生テラリウム、浅い水場と隠れ家を多めに。
- 半淡水のベンケイガニ類:汽水〜半陸生に配慮し、塩分や陸地を適切に確保。
基本は、陸地スペースの確保、脱走対策、水質・温度の安定化が重要です(出典:カインズ公式マガジン[r9])。
導入から日常管理、よくあるトラブルの対処法
- 導入前:種に適した水(淡水/汽水)と陸地構成を準備し、フタで脱走対策。
- 導入時:水合わせ後に投入し、最初の1週間は給餌量を控えめに。
- 日常管理:週1の部分換水、カルシウム源の補助、脱皮期はそっと見守る。
- トラブル:水質悪化は餌減量とろ過強化、共食いは隠れ家追加で軽減(参考:r8, r9)。
川ガニ(モクズガニ等)の食用利用:旬・味の特徴と食べるときの注意点
モクズガニの旬・味・食べ方の地域差
モクズガニは川で獲れる食用ガニとして知られ、秋が旬とされます。川ガニ特有の濃い風味があり、地域によって姿蒸しやみそ汁など食べ方が異なります(参考:産直アウルの解説[r6])。
淡水ガニを食べる際の衛生上の注意(寄生虫、保存)
淡水産の生食は避け、十分な加熱を徹底します。採捕から調理までの温度管理を守り、内臓部は特に火を通すのが安全に配慮する基本です。
食用としての法的・地域的なルールやマナー
河川ごとに漁業権や禁漁期・サイズ制限が定められる場合があります。自治体や漁協の案内を事前に確認し、必要な許可と資源保護の観点を守りましょう。
淡水・汽水域のカニ類の保全状況とレッドリストに見るリスク
名古屋市の調査に見るレッドリストの状況(掲載種と原因)
名古屋市港域の調査では、河口や干潟、ヨシ原、カキ礁などに多様なカニ類24種が確認され、地域のレッドデータブックで評価が整理されています(出典:名古屋市レッドデータブック2015[r5])。
生息環境の悪化要因(埋立て、干潟破壊、ヨシ原消失)
干潟やヨシ原の減少、護岸の高度化、遡上阻害などは、回遊・採餌・隠れ家の喪失につながります。上流では清流環境の劣化や水量の変動も影響します。
観察・採集時に守るべきマナーと保全に寄与する行動
- 採りすぎない、元の石や倒木を必ず戻す、外来種の放流をしない。
- 調査情報を自治体・研究会へ共有し、地域の保全活動に参加する。
- 子ども向け観察会でも、生息地を傷めない動線づくりを徹底する。
筆者メモ:上流の沢でのサワガニ観察は、石を動かしたら必ず元に戻すことが生息地保全の基本です。モクズガニの調理では「しっかり加熱」が味と安全の両立に役立ちます。
参考
- 淡水ガニ – https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%A1%E6%B0%B4%E3%82%AC%E3%83%8B
- ミニ図鑑 淡水編|宮崎県水産試験場 – https://www.mz-suishi.jp/import02/03.html
- カニの仲間 – 雑魚の水辺 – http://zakonomizube.web.fc2.com/elseliving/kani.html
- 名古屋市レッドデータブック2015 動物編 カニ類 – https://www.city.nagoya.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/034/190/160122-rdbn2015a-9-kanirui.pdf
- 蟹の種類一覧!美味しいランキングと見分け方や違いを解説 – https://sanchoku-mall.com/blogs/column/kani_syurui_ichirann
- モクズガニ – https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%AF%E3%82%BA%E3%82%AC%E3%83%8B
- カニを飼育してみよう! 自宅で飼えるカニの種類から飼育方法まで – https://tropica.jp/2018/09/08/post-21386/
- 川や海で採れるカニの飼い方は?水槽、餌、飼育水の準備は? – https://magazine.cainz.com/article/107920








