かに 種類を徹底解説 世界と日本の見分け方と選び方

かにの種類を完全解説|見分けと選び方

更新日:2025-12-29

「かに 種類」で調べている方がまず知りたいのは、食卓で目にするカニが世界にどのくらいの種類がいて、日本では何が主流なのか、そして自分の用途(鍋・刺身・焼き)に合う“本当においしい一杯”をどう選べばよいかという点でしょう。

目次

カニは何種類いる?世界と日本の種数と基本分類

世界に存在するカニの種数と日本の分布

一般に食用として「カニ」と呼ばれる仲間は、大きく「カニ類」と「ヤドカリ類」に分けられます。民間の解説では、世界で約5,000種、日本で約1,000種が知られると紹介されており(虎ノ門市場、くらしる)、食卓で人気のタラバガニや花咲ガニは実はヤドカリの仲間に当たることがポイントです(出典:虎ノ門市場 https://www.toranomon-ichiba.com/column/t-category/gyokai/kani-shurui.html/くらしる https://www.kurashiru.com/articles/0c47b8a1-cf4b-48d4-9393-522c015aa0a9)。なお、学術的な分類では種数の推定に幅があるため、あくまで目安として捉えるのがよいでしょう。

「カニ類」と「ヤドカリ類」──分類の考え方

  • カニ類(カニ亜目=短尾類): いわゆる“真ガニ”。ズワイガニ、毛ガニなどが該当します。前脚のハサミを含めて見える脚が10本あるのが一般的な見た目の特徴です。
  • ヤドカリ類(ヤドカリ亜目=異尾類): タラバガニ、花咲ガニなどがこちら。見える脚は8本で、最前脚の1対が小さく甲羅の内側に隠れているため、見た目上“脚が4対”に見えます(詳細は後述の見分け方でも活用します)。

短尾類と異尾類という専門用語の簡単な説明

  • 短尾類(Brachyura)=カニ亜目の和名で、腹部が短く甲羅に折りたたまれて見えにくいのが特徴です。
  • 異尾類(Anomura)=ヤドカリ亜目の和名で、進化の過程で「カニ化(カーニフィケーション)」した種が多く、姿形はカニにそっくりでも系統は異なるグループを指します。
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日本四大カニ(タラバ・ズワイ・毛・花咲)の見た目と味の違い

タラバガニの特徴:見た目・味・おすすめの食べ方

見た目の特徴: 甲羅が大きくトゲが目立ち、見える脚は8本、太くて存在感のある脚肉が魅力です。

味・食感: 食べごたえのあるプリッとした繊維質と濃い旨みが特徴で、甘みも感じられます(北のグルメ便は「甘みが強い」と紹介: https://www.rakuten.ne.jp/gold/kitanogurumebin/contents/syurui.html)。

向く食べ方: 焼き、ボイル、しゃぶしゃぶの順でおすすめ。脚の太さを活かすなら焼き、ジューシーさ重視ならボイルが好相性です。

ズワイガニの特徴:見た目・味・おすすめの食べ方

見た目の特徴: 甲羅は比較的なめらかで脚は長く、端正なシルエット。ブランド名は主に産地や雌雄での呼称です。

味・食感: しっとり繊細で上品な甘みがあり、身離れがよく汁物にも向きます。

向く食べ方: カニすき・カニしゃぶ・カニ刺し(生食用表示品のみ)に最適で、かに味噌も香り高く楽しめます。

毛ガニの特徴:見た目・味・おすすめの食べ方

見た目の特徴: 全身に細かい毛が密生し、サイズは中型ながら甲羅の重厚感が出やすい個体が良品です。

味・食感: 身は繊細で甘みがあり、最大の魅力は濃厚なかに味噌と内子・外子のバランスです。

向く食べ方: 浜ゆでをそのまま、甲羅盛り、甲羅焼きが特におすすめです。

花咲ガニの特徴:見た目・味・おすすめの食べ方

見た目の特徴: 赤橙色でトゲが鋭く、タラバ同様に見える脚は8本、甲羅は分厚くいかつい雰囲気。

味・食感: 身はしっかりめで旨みが強く、エキゾチックな香りと表現されることも。

向く食べ方: ボイルや鉄砲汁に向き、出汁の深みは四大カニでも随一といわれます。

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タラバガニと類似種の見分け方:甲羅のトゲや腹部の形で判別する方法

甲羅のトゲの数と配置で見る見分け方

タラバガニは甲羅前縁のトゲ数が6本と案内されることが多く、トゲが力強く発達して見えます(参考:タラバの外見的特徴と甘みの記載は北のグルメ便 https://www.rakuten.ne.jp/gold/kitanogurumebin/contents/syurui.html)。

アブラガニは同部位のトゲが4本とされる売場説明が一般的で、全体のフォルムもやや細身に見えます。写真判定だけでは難しいため、可能なら店舗で甲羅の前縁を正面から確認しましょう。

腹部の形状や脚の付け根などの細部での判別ポイント

  • 腹部(ふんどし)の形状: ヤドカリ類(タラバ・花咲)は腹部が左右非対称気味で折りたたまれ、真ガニ(ズワイ・毛)は短く幅広く折り込まれます。
  • 見える脚の本数: 真ガニはハサミを含め“10本”見えますが、タラバなどヤドカリ類は“8本”に見えるのが実地での早見ポイントです。
  • 甲羅表面の質感: タラバ・花咲はトゲが顕著、ズワイは比較的なめらか、毛ガニは毛の密生で判別しやすい傾向です。

市場での実践的なチェック方法(重さ・殻の硬さ・値札表記)

  • 重さ(比重感): 同サイズでも身入りが良い個体は手に持つとずっしり感じます。
  • 殻の硬さ: 脱皮直後は殻が柔らかく水っぽくなりやすいため避け、硬い殻で締まった個体を選びます。
  • 値札・ラベル表記: 種名(学名・和名)、原産地、正味重量(グレーズ除く)か総重量か、生・ボイル、冷蔵・冷凍、再凍結の有無、加熱用/生食用の別を確認しましょう。
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購入・保存・調理で気をつけたいこと:安全・鮮度・トラブル回避の実践ポイント

冷蔵・冷凍保存の正しい方法と注意点

冷蔵(ボイル済・未冷凍): 当日~翌日までを目安、ドリップを吸うようキッチンペーパー+密閉容器。

冷凍: できるだけ空気を抜いて二重包装し、-18℃以下で保管、解凍後の再冷凍は品質劣化が大きいため避ける。

解凍: 冷蔵庫で低温解凍(半日~1日)、ドリップを都度拭き取る。急ぎは“氷水+塩少量”で温度上昇を抑えつつ短時間に。

アレルギーや衛生面での注意(調理前の下処理)

甲殻類アレルギーがある場合は摂取を避け、調理器具の共用にも注意します。日本の食品表示制度では“えび・かに”は特定原材料として表示義務があり、ラベルで必ず確認しましょう(消費者庁 食物アレルギー表示:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/allergy/)。

違法表示や品質トラブルの見分け方と返品対応のポイント

  • 不十分な表示(原産地不記載、正味重量不明、解凍歴不明)は避ける。
  • 写真が不自然に艶やか・巨大に見える場合は、実重量やサイズ表記(肩数・L/2L等)で実態を必ず確認。
  • 受け取り時に“溶け・液漏れ・破袋”がある場合は、到着直後の写真を残し、販売店の規約に沿って速やかに連絡・相談を。

公的データの観点と旬の確認ポイント

公的データの観点では、日本のカニ類の漁獲は北海道の寄与が大きく、冬期の出荷が厚くなる傾向が統計から読み取れます(農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/gyogyou_seisan/)。直近年の数値確認がおすすめです。

旬別に見るおすすめの産地(北海道・北陸など)

  • タラバガニ: 冬~春のボイル流通が厚く、北海道産が中心。
  • ズワイガニ: 日本海側の解禁期(概ね11月~3月)が“旬のピーク”で、ブランドが多い。
  • 毛ガニ: 北海道は地域ごとに旬がずれ、道南の冬、オホーツク沿岸の春~初夏など分散して美味期が訪れます。
  • 花咲ガニ: 北海道東部を中心に夏の出回りが多く、鉄砲汁の季節感が魅力です。

旬は年や海況で前後するため、最新の漁期・相場は各産地の市場・漁協発信をチェックしましょう。

通販で買うときの注意点と信頼できる表記

  • 重量表記は「正味重量(可食部+殻、氷膜を除く)」か「総重量(氷膜含む)」かで実質量が変わるため要確認。
  • グレーズ(氷膜)率の表記があるショップは良心的で比較しやすい。
  • 「生」「ボイル」「冷蔵」「冷凍」「生食用」「加熱用」の別、解凍歴(再凍結の有無)を明記。
  • 学名・原産地・加工地の表示が整っているか(食品表示法の基本に適合)。
  • 返品・不良対応が明記され、写真は実物に近い撮影かもチェック。

筆者メモ(経験談):通販レビューと実物のズレで多いのが「思ったより小さい」「身がスカスカ」。実店舗では“重み”“殻の硬さ”で回避できますが、通販では「正味重量」「サイズの測り方(脚何本=何肩、姿の何L表記)」「グレーズ率」の3点を揃えて出しているお店を選ぶと失敗が減ると感じます。

鮮度・身入り・旬で選ぶ本当に美味しいカニの買い方と産地別の特徴

鮮度と身入りを確認するチェックリスト

  • 手に取ったときの“重み”がある個体を選ぶ(同サイズ比で重い=身が詰まっている目安)。
  • 殻が硬く、甲羅を押してもへこまない。
  • 脚の付け根が痩せていない、関節部にしわが少ない。
  • 冷凍品は「正味重量(グレーズ除く)」の明記があるか、再凍結の有無が記載されているか。
  • 生食用表示の有無(刺身に使う場合は“生食用”表示の製品を厳守)。

公的データの観点では、日本のカニ類の漁獲は北海道の寄与が大きく、冬期の出荷が厚くなる傾向が統計から読み取れます(農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/gyogyou_seisan/)

旬別に見るおすすめの産地(北海道・北陸など)

  • タラバガニ: 冬~春のボイル流通が厚く、北海道産が中心。
  • ズワイガニ: 日本海側の解禁期が旬のピーク。ブランドが多い。
  • 毛ガニ: 北海道は地域ごとに旬がずれ、道南の冬、オホーツク沿岸の春~初夏など分散して美味期が訪れます。
  • 花咲ガニ: 北海道東部を中心に夏の出回りが多く、鉄砲汁の季節感が魅力です。

通販で買うときの注意点と信頼できる表記(再掲)

  • 重量表記は「正味重量(可食部+殻、氷膜を除く)」か「総重量(氷膜含む)」かで実質量が変わるため要確認。
  • グレーズ率の表記があるショップは比較しやすい。
  • 「生」「ボイル」「冷蔵」「冷凍」「生食用」「加熱用」の別、解凍歴を明記。
  • 表示は学名・原産地・加工地の表示が整っているか(食品表示法の基本に適合)。
  • 返品・不良対応が明記され、写真は実物に近い撮影かもチェック。

筆者メモ(経験談):通販は実物と写真の差が起こりやすい点に注意。重量・サイズ・グレーズの情報が揃っている店舗を選ぶと安心です。

家庭で試せるカニの調理とさばき方:茹で方・蒸し・刺身向けのコツ

茹で方の基本手順と時間の目安(種類別)

  • 下ごしらえ
  • 大鍋に“海水程度の塩分(3%)”の湯を用意。2) 生冷凍は冷蔵庫で半解凍(芯が少し残る程度)にしてから調理。
  • 茹で時間の目安(沸騰後、再沸騰してから計測/サイズで±調整)
  • タラバ脚(1kg前後): 12~15分
  • ズワイ姿(800g~1.0kg): 15~18分
  • 毛ガニ姿(600~800g): 12~15分
  • 花咲姿(1.0~1.2kg): 15~18分
  • 仕上げ

氷水で急冷しすぎると旨みが抜けやすいので、適度に冷まし、脚先を下にして余熱と水切りを兼ねます。

刺身・蒸し・焼きなど調理法別の向き不向きとコツ

  • 刺身(生食用表示品のみ): ズワイ(特にオスの腿~爪下)や活ガニの可食部。
  • 蒸し: 毛ガニや花咲は蒸しが好相性。90~95℃の穏やかな蒸気で時間は茹で基準の8~9割を目安。
  • 焼き: タラバ脚は表面高温・中火キープで香ばしさを付与。かに味噌の甲羅焼きは弱火~中火で分離を防ぐ。

注意: 生食は安全のため「生食用表示」製品のみに限定してください。厚生労働省の衛生情報も併せて参照しましょう。

殻の剥き方と身を効率よく取り出す手順(初心者向け)

  • 脚(セクション): 関節で折る → キッチンバサミで内側をカット → 身を取り出す
  • 爪: 先端を落としてから縦にハサミを入れる → 内側を開く
  • 甲羅(姿): 甲羅を外してエラを除去 → かに味噌を別取り → 胴の部位を放射状に割る
  • 仕上げ: 部位ごとに盛り付けて味比べ

購入・保存・調理で気をつけたいこと:安全・鮮度・トラブル回避の実践ポイント

冷蔵・冷凍保存の正しい方法と注意点

  • 冷蔵(ボイル済・未冷凍): 当日~翌日まで、ドリップを吸うようキッチンペーパー+密閉容器。
  • 冷凍: できるだけ空気を抜いて二重包装、-18℃以下。
  • 解凍: 冷蔵庫で低温解凍(半日~1日)、ドリップを拭き取る。急ぎは氷水で短時間。

アレルギーや衛生面での注意(調理前の下処理)

甲殻類アレルギーがある場合は摂取を避け、調理器具の共用にも注意します。表示は重要なので、必ず確認を。

  • 不十分な表示は避ける。
  • 写真が過度に艶やか・巨大に見える場合は実重量・サイズ表記を確認。
  • 受け取り時のトラブルは写真を残し、販売店の規約に従って対応。

まとめ

– カニは“カニ類(短尾類)”と“ヤドカリ類(異尾類)”に大別され、タラバ・花咲は後者、ズワイ・毛は前者という整理が“見分けと食べ方選び”の出発点になります。

– 四大カニはそれぞれ食感と香りの個性が異なり、用途に合わせて選ぶと良い。見分けは甲羅のトゲや脚の本数、殻の硬さと重み、表示の精度でチェックします。

– 調理は“塩分3%”と過加熱回避、用途別の火入れがコツ。生食は生食用表示の製品を厳守しましょう。

参考