自宅でできる蟹の育て方と飼育準備ガイド
“蟹 の 育て 方”で検索した方へ、失敗しにくい始め方と毎日の管理のコツを、実体験と専門サイトの知見をもとに整理します。
目次
自宅でカニを飼う前に知っておきたいことと準備の全体像
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カニは「淡水」「半陸生」「海水」で必要な設備が変わり、逃げ出しやすく水質悪化に弱い点が特徴です。最初に飼育タイプを決め、水槽・蓋・底砂・シェルター・餌・水質計測を一式そろえるのが近道です。
Tropicaは半陸生タイプでは水槽の半分を陸地にし、底砂を厚めに敷く構成を推奨しています(陸地と水場を明確に区分)と解説しています。
誰がどんなカニを飼いやすいか(初心者向けの目安)
- 初心者向けは丈夫で入手しやすいサワガニや、飼育情報の多い小型の半陸生カニが扱いやすいでしょう。
- 海水環境の管理に慣れているなら、磯で見かける小型のカニやヤドカリ類も選択肢です。
- 子どもと一緒に観察する場合は、餌やり頻度が少なくて済む種を選ぶと負担が小さく続けやすいです。
筆者メモ:編集部の自宅テストでは、サワガニ1匹+広めの隠れ家構成だと安定し、餌は少なめ運用で水質維持が楽でした。
飼育で気をつけるべき法律・採集マナーと安全面
- 国立・都道府県立の自然公園や保護区では動植物の採取が制限されます。採集は各自治体や公園管理者の規則を必ず確認しましょう。
- 外来種の放流は禁止される場合があり、飼えなくなった個体の野外放流は避けるのが基本です。
- 河川や海域には漁業権が設定される区域があり、勝手な採捕はトラブルのもとです。
- 子どもと採集する際は、満潮・増水・高波に注意し、滑りにくい靴と手袋を用意すると安全です。
自宅で飼えるカニの種類と淡水・半陸生・海水の違い
カニは生活様式によって必要な水槽設計が変わります。淡水は水中中心、半陸生は陸と水の両方、海水は塩分管理が要点です。
代表種(サワガニ・モクズガニ・ヤドカリなど)の特徴
- サワガニ(淡水):小型で丈夫。涼しい水温と清浄な水を好み、隠れ家があると落ち着きます。
- モクズガニ(淡水〜回遊性):大きくなるため広い水槽が必要で、逃げ出し対策は強固にします。
- 磯の小型カニ(海水)・ヤドカリ:塩分管理がカギ。比重計などの用意があると安定します。
淡水飼育と半陸生・海水飼育で必要となる設備の違い
- 淡水:ろ過と隠れ家重視。水換えとアンモニア管理が要です。
- 半陸生:水陸の明確な区分と乾湿のバランス、登れる足場、脱走防止の高い縁が必須です。
- 海水:人工海水の素、比重計、塩分補正用の予備海水、塩害対策のフタや防錆器具があると安心です。
水槽の準備:水場と陸地の作り方、底砂とろ過設備の選び方
カニは「隠れる」「よじ登る」「濡れる・乾く」を切り替えられる環境で安定します。種類に合わせて構成を決めましょう。
水槽サイズと水量の目安
- 目安は小型1匹で30cm水槽以上、複数飼育は広めが無難です。水量が多いほど水質が安定しやすい傾向があります。
- 設置場所は直射日光を避け、振動と高温から遠ざけます。
陸地と水場の配置(半陸生向けの作り方)
- 半陸生は水槽の半分を陸地にし、厚めの底砂で傾斜を作ると上陸しやすいです。
- 流木やコルクバーで段差と影を作り、転落時のクッションを用意すると安心です。
底砂の種類と厚さ、ろ過装置の選び方
- 底砂は角が丸い砂を中心に、局所的に小石で変化を付けます。厚さは半陸生で厚め、淡水水中飼育は薄めでも管理しやすいです。
- ろ過はスポンジや外掛けなど静音タイプが扱いやすく、流れは強すぎない設定がポイントです。
- 隠れ家・シェルターは個体数+1以上を配置し、死角を複数用意すると争いを減らせます。
カニの水質管理と安全な水換えのやり方
水質の乱れは最も多いトラブルです。温度・pH・アンモニアの管理で予防しましょう。
Tropicaや飼育者の実践では、水中中心の飼育が長寿につながる例が報告され、水温は30度程度まで耐えるが35度は危険という声があります。
チェックする水質指標と測定方法(温度・pH・アンモニア)
- 温度計で常時把握し、夏場はファンや保冷剤で上がりすぎを防ぎます。
- pHとアンモニアは試薬で簡易確認し、上昇時は餌量削減と換水で対処します。
水換えの頻度と手順(部分換水のすすめ)
- 週1回を目安に全水量の20〜30%を部分換水し、温度合わせを丁寧に行います。
- 砂利の表面だけ軽く掃除し、バクテリアの住処を残すのがコツです。
水温管理の目安と高温時の対処法
- 25〜28度帯で安定させ、30度が見えたら速やかに送風と蒸発冷却で下げます。
- 35度付近は危険域のため、直射と密閉を避け、夜間に温度を戻す工夫をします。
カニに与える餌の選び方と与え方(人工飼料・生餌の扱い)
カニは雑食で、人工飼料を基軸に少量の動物性を足すと管理が楽です。
おすすめの人工飼料と冷凍・生餌(イトミミズ・アカムシ等)
- 小型甲殻類用の沈下性フードを基本にし、補助で冷凍アカムシやイトミミズを少量与えます。
- 野外採集の餌は持ち込む病原のリスクがあるため、家庭内では避けるのが無難です。
餌やり頻度と量の目安(過給餌を避ける方法)
- 3日に1回、ごく少量から開始し、残り具合で微調整します。
- 脱皮前後は食欲が落ちるため、控えめで問題ありません。
餌で水質が悪化したときの対処法
- すぐに食べ残しを回収し、翌日に20%の部分換水を行います。
- 臭いが強い場合は活性炭などのろ材を一時的に併用します。
脱走を防ぐ具体策:蓋の選び方と固定方法
カニは垂直面もよじ登ります。蓋と隙間対策が生命線です。
Tropicaはフタの必須性と重りでの固定を強調し、陸生カニは特に身軽で脱走しやすいと注意喚起しています。
安全に使える蓋の種類と注意点
- 金網+ガラスの二重蓋は通気と保温の両立がしやすいです。
- フィルターや配線の隙間はスポンジやカバーで塞ぎます。
蓋の固定方法(重り・クリップ等)と隙間対策
- ガラス蓋は専用クリップ+文鎮などの重りで固定します。
- 給排水の角や前面スリットに隙間が出やすく、個別に塞ぐのがコツです。
隠れ家・シェルターの作り方と複数匹飼育時の配置のコツ
隠れ家はストレス軽減と共食い防止に役立ちます。数と向きが重要です。
流木・石・市販シェルターの配置例
- 出入口の向きを互い違いにし、視線が合わない死角を増やします。
- 転倒防止に土台を安定させ、崩落しにくい軽量素材を選ぶと安全です。
個体間の縄張り対策と観察ポイント
- 個体数より多い隠れ家を用意し、餌場を分散させます。
- 追い回しが見られたら隔離やレイアウト変更で緩和します。
海水カニのための人工海水の作り方と天然海水との使い分け
海水カニは塩分管理が鍵で、人工海水が管理しやすい傾向です。
Cainzは天然海水も利用可能だが、安定性の面で人工海水を推奨としています。ハグKumも人工海水の素を規定濃度で溶かし、砂利を敷き水量は多めが安定と案内します。
人工海水の素の使い方と規定濃度・比重の測り方
- 製品の計量指示に従い、よく溶かしてから比重計で確認します。
- 蒸発で比重が上がるため、真水の足し水で調整します。
砂利や水量の選び方と水換えのポイント
- 角の丸い砂利を薄く敷き、汚れが溜まる前に部分換水します。
- 水量は多めに確保し、温度と塩分を合わせてから注ぎます。
天然海水と人工海水のメリット・デメリット
- 天然海水は微量元素が豊富と言われますが、持ち帰りや変質の管理が難点です。
- 人工海水は品質が一定で、再現性が高くトラブル対応が容易です。
初心者向けチェックリスト:始める前に揃える8項目と日常管理のコツ
今すぐ用意するものリスト(水槽・蓋・底砂・シェルター・エサなど)
- 水槽(小型1匹で30cm以上)
- 蓋と固定具(重り・クリップ)
- 底砂・小石(角が丸いもの)
- 隠れ家・流木・コルク
- ろ過装置・サーモメーター
- 人工飼料・冷凍餌(少量)
- 水質試薬(アンモニア・pH)
- 海水種は人工海水の素・比重計
よくあるトラブルと即時対処(脱走・水質悪化・餌の食べ残し)
- 脱走:蓋を二重化し、隙間を塞いで重りで固定します。
- 水質悪化:残餌回収→20〜30%部分換水→餌量を減らします。
- 高温:送風と遮光で温度を下げ、夜に水温を戻します。
更新日:2025-12-27
筆者の知見:編集部でのサワガニ・半陸生カニの小規模飼育テストと、アクアショップ・専門サイトの取材内容を統合し、初心者が失敗しやすいポイントを重視して解説しました。公的機関の情報を参照し、採集・放流に関する法令面の留意点も補足しています。
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参考
- サワガニは水中飼育こそが長寿命につながる大正解 – https://kazetoge.com/24238/
- カニの飼育に最適!水槽セット!淡水・海水カニに向いている … – https://tropica.jp/2019/08/05/post-29780/
- カニを飼育してみよう! 自宅で飼えるカニの種類から飼育方法 … – https://tropica.jp/2018/09/08/post-21386/
- カニの餌は何がいい?イトミミズ?カニに最適な人工飼料などを … – https://t-aquagarden.com/column/crab_feed
- 海で採ったカニ、育ててみませんか?海水飼育・産卵・脱走 … – https://hugkum.sho.jp/384898
- 川や海で採れるカニの飼い方は? 水槽、餌、飼育水の準備は … – https://magazine.cainz.com/article/107920
- 環境省 自然公園制度(採取規制の概要) – https://www.env.go.jp/nature/park/
- 環境省 外来生物法(総合情報) – https://www.env.go.jp/nature/intro/
- 水産庁 漁業権とは – https://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/gyogyoken.html








