カニの足の構造と歩き方を徹底解説
目次
カニの足(脚)を理解すると観察も料理ももっと楽しくなる理由
カニの足は何本で、なぜ横に歩くのか、どこで切れて再生するのかといった疑問は、観察や調理の安全性にも直結します。検索ニーズの高い「カニ 足」の基礎から応用までを、信頼できる出典に基づき整理してご案内します。
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カニの脚の基本構造:7つの節と各節の名称
カニの胸脚は一般に7つの節で構成され、それぞれが役割分担を担います。甲羅側から末端に向けて、底節(ていせつ)-基節(きせつ)-座節(ざせつ)-腿節(たいせつ)-膝節(しつせつ)-前節(ぜんせつ)-指節(しせつ)という順で並び、末端の指節が砂地の踏ん張りや岩への引っ掛かりを助けます。筑波大学の研究と博物館の解説では、カニ類では基節と座節が癒合して「基座節(きざせつ)」を形成し、この部位が自切(じせつ)の要となると整理されています。

脚の7節とは(底節・基節・座節など)
- 体側から順に7節で構成され、関節ごとに曲がる方向と可動域が決まっています。
- 多くのカニで基節+座節が合体した基座節が存在します(筑波大学, 県立博物館)。
節ごとの役割(支持、運動、感覚)
- 底節・基座節は体の支持と力の受け渡しを担い、外力に対する「逃げ道」を作ります。
- 腿節・膝節・前節はストロークを生み、歩行や掘削で推進力を生みます。
- 指節は接地や把持を担い、微妙な凹凸の検知にも関与すると考えられます。
基座節と自切(じせつ)との関係
- 危険時に基座節の特定位置で切り離す機構が備わり、出血を最小化して生存率を高めます。
- 自切位置の再検討でも、基座節での自切が主要であることが示されています。
カニの足は何本?5対10本の胸脚とハサミ脚の役割
十脚目という名の通り、カニの「足」は胸部に5対10本あります。そのうち第1脚は大きな鉗脚(ハサミ)に変化し、残りの4対が主に歩行脚として機能します。
胸脚とは何か:第1脚の鉗脚(ハサミ)の特徴
- 鉗脚は獲物の捕獲、殻割り、巣材の運搬、相手への示威など多用途に使われます。
- 種によって左右差(利きハサミ)や形状の性差が見られることがあります。
残りの胸脚の役割(歩行・捕食補助・防御)
- 第2〜第5脚は歩行に最適化され、横移動で高い機動力を発揮します。
- 岩礁や砂泥では、末端の指節を使って滑りにくい姿勢を維持します。
- 危険時には歩行脚も踏ん張りや威嚇に動員されます。
脚の数が生態に与える影響
- 4対の歩行脚が同調して動くことで、狭所でも素早い方向転換が可能です。
- ハサミ脚を含む10本構成が、捕食・防御・移動を同時に成立させています。
なぜカニは横向きに歩くのか:関節の可動域と脚の配置が示す仕組み
カニの「横歩き」は、関節の曲がる向きと脚の根元の密集配置によって説明できます。
関節の向きと可動域が歩行方向に及ぶ影響
- 各節は広く一方向に曲がる傾向があり、特に腹側へ畳む動きが得意です。
- 甲羅の後方へは曲がりにくく、横方向のストロークが効率よく出せます。
胸脚の集合配置と前進より横移動が有利な理由
- 4対の歩行脚が体の側面に並び、根元が密集するため、真正面の前進よりも左右方向の推進がスムーズになります。
- 横行は岩礁の隙間や砂地での素早い退避に理にかなっています。
例外と種による歩行様式の違い
- 甲羅形や脚の長さの違いで、前後移動を併用する種もいます。
- 生息環境と形态が、歩行方向の得意・不得意を分けます。
出典:sakanato.jp「なぜカニは横向きに歩くのか?」、中村商店「カニは横行君子、横歩きする」
遊泳脚や鉤爪など:特殊化した脚の種類とそれぞれの生態的役割
脚は環境適応で大きく姿を変えます。平たい櫂状になって泳いだり、鉤状に曲がって貝殻を背負ったりと、多彩です。
遊泳脚・平たい脚の例と潜る機能
- アサヒガニやキンセンガニでは、平たい脚で砂に潜る動きが洗練されています。
- 砂中潜行は捕食回避と待ち伏せに有効と考えられます。
鉤爪や背負い用途の脚(カイカムリ等)の事例
- カイカムリやヘイケガニは後脚が鉤状で、貝殻や海綿を背負う習性が知られています。
- 背負い物はカムフラージュとして機能します。
形態と生息環境の関係
- 泳ぐ種は櫂状の末脚、潜る種は平板状の脚、背負う種は鉤状の末端など、環境に即した形態が進化しました。
- 脚の形から生活様式を推定できるのがカニ観察の面白さです。
出典:鹿児島大学総合研究博物館ニュースレター
よくある質問(FAQ)
Q. なぜカニは横に歩くのか?
A. 関節が主に腹側へ曲がり、側方のストロークが出しやすいこと、脚の根元が密集して前進が非効率なことが重なるため、横移動が合理的だからです。
Q. カニの足は何本ある?
A. 胸脚は5対10本で、第1脚は鉗脚(ハサミ)、残り4対が歩行脚です。
Q. カニのハサミ脚の役割は?
A. 獲物の捕獲、殻割り、運搬、威嚇・闘争、求愛のシグナルなど多目的に使われます。
Q. すべてのカニが横歩きするのか?
A. 一般的には横行が得意ですが、クモガニ類など前後移動もこなすグループが知られています。
Q. カニの脚の関節はどうなっている?
A. 7つの節で構成され、基節と座節が癒合した基座節が要所です。曲がる向きが偏るため、横行が有利になります。
自切(じせつ)機能と脚の再生の仕組み:なぜ切れても生きられるのか
自切が起きる位置と進化的メリット(捕食回避など)
- 捕獲された脚だけを切り捨て、胴体を守ることで次の繁殖機会を確保できます。
- 漁具やハンドリングの強い圧力でも自切が誘発されることがあります。
再生の過程と再生にかかる時間の目安
- 欠損部は次回以降の脱皮で小さく再生し、数回の脱皮を経て元の太さに近づく例が多いです。
- 成長段階や栄養状態で速度は変わるため、個体差があります。
自切に伴う注意点(漁業・観察時の配慮)
- 強くつまむ、持ち上げてぶら下げる等は避け、不要な自切を誘発しない配慮が必要です。
- 観察・撮影後は速やかに放すか、調理目的なら速やかな処理が望ましいでしょう。
前後にも歩けるカニの例:クモガニ類など歩行バリエーションの紹介
横行が一般的でも、例外はあります。クモガニ類では脚が長く前後方向のストロークを取りやすく、障害物の多い底質での前進・後退が観察されます。甲羅が前後に長い種、脚の付け根の可動方向がやや前後寄りの種では、横行と前進を状況で使い分ける傾向が見られます。観察時は、脚の長さ比や末脚の形、甲羅の輪郭を手掛かりに歩行様式を見分けると理解が深まります。
手順/方法:カニの脚を安全に観察するやり方
- ステップ1:掴む前に進行方向を塞ぎ、背後や側面から静かに近づきます。
- ステップ2:甲羅の後縁を親指と人差し指でそっと挟み、体を支えるように持ち上げます。
- ステップ3:鉗脚の可動域を避け、歩行脚をぶら下げないよう両手で安定させます。
- ステップ4:光の反射を避けて写真・メモを取り、観察は短時間で切り上げます。
- ステップ5:元の向きに戻してそっと放し、無用な追い回しは行いません。
触って観察する前に知っておきたいカニの脚の扱い方と注意点
安全にカニの脚を観察する手順(捕まえ方・保持方法)
- 甲羅後縁を持ち、鉗脚の射程に指を入れないのが基本です。
- 濡れた手袋を使うと滑りにくく、魚臭も残りにくいでしょう。
観察時・料理時の注意点(自切誘発やハサミの危険)
- 歩行脚を掴んで持ち上げると自切しやすく、個体のダメージになります。
- 冷水で落ち着かせてから下処理すると暴れが抑えられ、安全です。
観察記録の取り方(節の名称をメモするコツ)
- 写真に「底節→指節」方向の矢印を書き込み、基座節の位置を必ず記録します。
- 左右差や欠損・再生の有無を欄で分けると、後から比較しやすいです。
筆者メモ:漁港でズワイガニを扱う際、歩行脚を持ち上げると自切が起きやすい一方、甲羅後縁で支えると安定して観察できました。撮影時は濡れ布で体を覆い、ストレスを減らすと暴れにくく感じます。
まとめ:カニの足を知れば観察も料理も安全に
- カニの脚は7節構造で、基節と座節が癒合した基座節が自切の要所です(筑波大学、県立博物館)。
- 足は5対10本で、第1脚は鉗脚、残りが歩行脚として機能します。
- 横行は関節の可動方向と脚の配置に適した合理的な歩行様式です。
- 環境適応で脚は櫂状・鉤状などに特殊化し、生態と直結します。
- 観察・調理では甲羅を持つ、短時間で済ますなどの手順と配慮が有効です。
更新日:2025-12-26








