蟹の内子と外子の違いと見分け・食べ方
最終更新日:2025-12-29
監修・執筆:kani-tu.com カニバイヤー/調理担当 佐藤
– 産地でのセコガニ買付歴10年、シーズン中は毎週ゆで蟹を試食しています。内子・外子の状態による味わいの違いと、通販での見分けのコツを実体験ベースで解説します。
目次
蟹の内子と外子を知ると料理や選び方が変わる理由
内子・外子で検索する人が知りたいこと
- 蟹 内子 外子は何が違うのか(場所・成熟度・見た目・味)
- お店や通販での見分け方、どちらが好みの味かの判断基準
- 内子・外子それぞれの美味しい食べ方と簡単レシピ
- セコガニ(香箱ガニ)で外子が黒い「黒子」は買いかどうか
この記事で得られる結論(見分け方・おすすめの食べ方)
- 内子は体内の卵巣、外子は体外に抱えた成熟卵で、見た目と食感が明確に異なります。内子は濃厚ねっとり、外子はプチプチでさっぱりが基本です。

内子は、卵巣の状態を指し、体内にある未成熟〜成熟途中の卵巣として特徴づけられます。茹でたときにはオレンジ色に発色し、ねっとりとした口当たりと濃厚な旨味が引き出されます。
外子は、体外の成熟卵として腹部のふんどしに密集して付着します。茶色の粒が特徴で、食べるとプチプチとした食感が楽しめ、味わいは比較的さっぱりしています。
内子とは:卵巣の見た目・ねっとりした食感と濃厚な味の特徴
内子の位置と構造(卵巣であること)
内子はメス蟹の体内にある卵巣部分を指し、甲羅の内側から胴体にかけて詰まっています。未成熟〜成熟途中の卵巣である点が本質で、抱卵前の段階の旨味を楽しめます。
茹でたときの色と食感(オレンジ色・ねっとり)
ボイル後は鮮やかなオレンジ色に発色し、ペースト状でねっとりとした口当たりになります。身やカニ味噌と混ぜても一体化しやすく、料理全体を濃厚にまとめます。
味の特徴(濃厚さ・旨味)
内子はコクと旨味が強く、少量でも満足感が高いのが特徴です。塩味の当たりは控えめなので、出汁や醤油で引き立てると相性が良いでしょう。
外子とは:成熟卵の見た目(茶色粒状)とプチプチした食感の特徴
外子の位置(体外に付く成熟卵)
外子はメス蟹が腹側のふんどしに抱える体外の成熟卵です。産卵に向けて発達した卵が腹面に密集して付着します。
見た目と食感(茶色の粒・プチプチ)
粒は茶~焦げ茶色に見え、指でほぐすと細かな粒がほろほろとほどけます。食べるとプチプチ小気味よい食感で、内子とは質感が対照的です。
味の特徴(さっぱりした風味)
味は比較的あっさりで、塩やだし醤油に合わせると旨味が引き立ちます。薬味や酢を少量効かせると、香りと食感が際立ちます。
位置・成熟度・見た目・味で比べる内子と外子の違い
位置の違い(体内の卵巣 vs 体外の成熟卵)
- 内子:体内の卵巣。甲羅内部〜胴体側に詰まる。
- 外子:体外の抱卵。腹側ふんどしの内側に粒が密集。
成熟度と色の違い(オレンジ/茶色/黒子)
- 内子:ボイルで鮮やかなオレンジへ。
- 外子:茶色〜黒っぽい色まで幅があり、黒子は熟度が進んだサイン。
食感と味の違い(ねっとり/プチプチ・濃厚/さっぱり)
- 内子:ねっとり濃厚、味噌やバターと相性抜群。
- 外子:プチプチ食感主体、酢や醤油・薬味で引き立つ。
セコガニ(香箱ガニ)で見る内子と外子の魅力と外子の色(黒子)の意味
セコガニ・香箱ガニとは(メスの特徴)
ズワイガニのメスがセコガニ・香箱ガニと呼ばれ、小ぶりながら内子と外子を一杯で同時に楽しめるのが魅力です。
内子・外子が特に美味しい理由
小型でも成熟期の個体を選べば、内子は濃密で外子はぎっしり。ゆで上げ直後は香りがよく、身・味噌・内子の三位一体の旨さが際立ちます。
外子が黒い(黒子)ときの意味と見分け方
外子の色が濃く黒に近いほど成熟が進んだ状態とされ、粒が締まりプチプチ感が強まる傾向があります。腹側のふんどしをそっと開き、粒の色と詰まり具合を確認すると判断しやすいでしょう。
よくある質問(内子・外子)
- 蟹の内子と外子の違いは何ですか?
内子は体内の卵巣でねっとり濃厚、外子は体外の成熟卵でプチプチ食感が特徴です。
- 内子と外子はどちらが美味しいですか?
濃厚さ重視なら内子、食感と後味の軽さ重視なら外子がおすすめです。香箱は両方を一杯で楽しめます。
- セコガニの内子外子はどうやって食べる?
内子は味噌と合わせて甲羅盛りやご飯に、外子はだし醤油漬けや酢の物のトッピングが手軽で美味です。
- 蟹のオスとメスの見分け方は?
腹側ふんどしの形で判別します。細長い三角がオス、丸く広い扇形がメスです。
- 外子が黒いのはどういう意味?
黒子は成熟度が高いサインで、粒感がよりはっきり感じられることが多いです。
カニのオスとメスを見分ける方法:ふんどし(腹側)での判別手順
ふんどし(腹側の形)を確認するポイント
- 甲羅を下にして腹側を上に向けます。腹部中央の三角〜扇形の甲片が「ふんどし」です。
- 細長い逆三角形ならオス、丸く幅広い扇形ならメスが基本の判別ポイントです。
- メスはふんどし内側に外子を抱えるため、ふんどし部分が厚く丸みを帯びます。
セコガニなど実例での見分け方のコツ
- ふんどしの付け根が幅広く、開くと粒(外子)が見える個体はメス確定です。
- オスはふんどしが細く、開いても外子は見えません。脚や甲羅のサイズも相対的に大きめです。
内子と外子のおいしい食べ方:カニ味噌と混ぜる、醤油漬けなどの簡単レシピ
内子はカニ味噌と混ぜて濃厚に楽しむ方法
- 甲羅内の味噌と内子を1:1で合わせ、ほんの少しの出汁醤油とみりんを加えて混ぜます。
- 軽く温めると香りが立ち、熱々ご飯や日本酒の肴に最適です。バターをひとかけ入れるとコクが増します。
- 筆者は香箱の内子を味噌と合わせ、炙った甲羅に戻して香りを立てる食べ方を推します。
外子はプチプチ感を生かした醤油漬けやトッピング例
- 外子をほぐし、だし醤油:みりん:酢=2:1:1で10〜20分漬けます。柚子皮や生姜を少量添えると香りが整います。
- 冷奴、酢の物、ちらし寿司のトッピングに。炊きたてご飯に少量のせるだけでも満足感があります。
簡単レシピ(材料と手順の要点)
- 甲羅味噌内子和え:内子50g、味噌50g、出汁醤油小さじ1、みりん小さじ1、バター3g。混ぜて温めるだけ。
- 外子のだし醤油漬け:外子50g、だし醤油大さじ1、みりん大さじ0.5、酢大さじ0.5、柚子皮少々。冷蔵で10分。
食べるときの注意点:保存方法・鮮度の見分け方と衛生上のポイント
購入後の保存(冷蔵・冷凍のコツ)
ボイル済みは当日〜翌日まで冷蔵(0〜4℃)で保存し、可及的速やかに可食部を外して小分けにします。内子・外子はラップで空気を遮断し、密閉容器で冷蔵。長期は冷凍を推奨し、急速凍結が望ましいです。冷凍は薄平らにして短時間復温がしやすく、解凍は冷蔵庫内でゆっくり行い、再凍結は避けます。
鮮度の見分け方と外子の色の判断
内子は色が鮮やかで水っぽくないものが良質。異臭や変色は避けましょう。外子は粒が締まり、匂いが穏やかなものが良いサイン。黒子は成熟度が高く、粒感重視の方に向きます。
食中毒予防や火入れの目安
生食は避け、中心まで十分に加熱されたゆで蟹を選ぶと安心です。清潔・迅速・加熱の基本を守り、加熱は十分な温度と時間を確保しましょう。ノロウイルス対策では高温での十分な加熱が推奨されています。
結論:内子と外子の見分け方と購入・調理で試すべき楽しみ方
内子・外子の違いの要点まとめ
- 内子=体内の卵巣、ねっとり濃厚。
- 外子=体外の成熟卵、茶色〜黒子でプチプチ食感。
- 香箱(セコガニ)は一杯で両方を楽しめ、成熟度の違いで食感と風味が変わります。
鮮度・成熟度のチェックリスト
- 匂いが穏やか、色が鮮やか、汁だれ少なめ。
- 外子は粒が締まり、黒子はより成熟。
おすすめの食べ方の優先順位
- 濃厚派:内子×カニ味噌×甲羅焼き → ご飯 or 日本酒。
- 食感派:外子のだし醤油漬け → 冷奴/酢の物/ちらしのトッピング。
- 初心者は香箱ガニを選び、内子と外子を食べ比べると好みが掴みやすいでしょう。









