タラバガニはカニじゃない?見分け方と魅力
最終更新日:2025-12-25
筆者:kani-tu.com編集部(カニ通販の企画・試食歴10年以上/年間100杯超をテイスティング)
「タラバガニはカニじゃないの?」という検索が増えています。結論から言うと、生物学的には“カニの仲間ではなくヤドカリの仲間”と分類されますが、食べる楽しさや満足感は“王様級”。本稿では、なぜそう言われるのかを学術的にわかりやすく解説し、脚の本数や歩き方の違い、見た目の見分け方、サイズ・産地・味の比較、さらに失敗しないさばき方まで、購入前後に役立つ要点をまとめます。
\お得に旬のカニを手に入れたいあなたへ/
目次
タラバガニはなぜ「カニじゃない」と言われるのか(分類と学術的根拠)
甲殻類の中でのタラバガニの位置づけ
タラバガニ(一般にベニタラバガニを指すことが多い)は、十脚目の中でも異尾下目(ヤドカリの仲間)に属し、いわゆる「本当のカニ(短尾下目=Brachyura)」とは系統が異なると整理されています。英語圏でも“king crab”はtrue crabではなくanomuran(ヤドカリ類)として解説されるのが通説です(Britannica、NOAA Fisheries)。日本の流通・グルメ文脈では“カニ”と呼びますが、学術的には“ヤドカリの親戚”だと覚えると理解しやすいでしょう(s-sanchoku.com)。
(参照:味の素、s-sanchoku.com、Britannica、NOAA Fisheries)

脚の本数や歩き方で見るタラバガニと本当の“カニ”の違い
外から見える脚の本数と機能の違い(8本と10本)
一般的な“カニ(短尾下目)”は、はさみ脚を含めて計10本の脚が外からよく見えます。一方でタラバガニは、外から確認できる脚が8本に見えるのが大きな違いです。これは、最後部の一対(第5脚)が小さく退化し、甲羅の内側に隠れているためです(kensei-online.com)。“8本に見える=タラバガニ”という現場の見分け方は、鮮魚店でも実用的なポイントです。
(参照:kensei-online.com)
歩く向きや歩行の特徴(縦方向の歩行など)
短尾下目の多くは横歩きが得意ですが、タラバガニは関節の向きと脚の付き方の影響で、前後(縦方向)にも比較的歩きやすいと説明されます(marutsu.jp)。水槽や映像で観察すると、“横に素早く流れる”というより、“前へどっしり動く”印象を持つ方が多いでしょう。
(参照:kensei-online.com、marutsu.jp)

見た目で見分けるポイント:脚の太さ・甲羅のトゲなど外観特徴解説
脚の太さ・形状の違いと選び方の目安
タラバガニは脚が太く、筋繊維がしっかりしているのが大きな特徴です。脚を広げると1m以上、甲羅は約30cm、体重は概ね2〜8kgというスケール感が紹介されます(sanchoku-mall.com)。通販や店頭で選ぶ際は、付け根(肩)の太さがしっかりしていて、持ったときに“ずしっ”と重みを感じる個体を選ぶのがおすすめです。
甲羅の形状やトゲの有無で分かる特徴
タラバガニの甲羅は強いトゲ(棘)が目立ち、肩の張り出しも大きいのが一般的な見た目です。ズワイガニは相対的に甲羅表面が滑らかで、脚は細長く繊細に見えます。甲羅の“いかつさ”と脚の“太さ”が、現場での即時判別ポイントと言えるでしょう(一般的な分類解説:Britannica など)。
(参照:sanchoku-mall.com、Britannica)
どれくらい大きい?タラバガニのサイズや体重の実例
甲羅・脚の広がりごとのサイズ感
流通では「脚の全幅(足を広げた長さ)」が1m前後の個体が家庭向けで扱いやすく、パーティー向けには1.2m級の大型も人気です。甲羅幅はオスで30cm前後の記載が多く、個体差はありますが“食卓インパクト”は群を抜きます(sanchoku-mall.com、NOAA Fisheriesの種解説も参照)。
なお、再加熱用の鍋やオーブンのサイズも事前にチェックしておくと安心です(NOAA Fisheriesのサイズ情報も参考に適量を検討しましょう)。
体重別の用途(贈答用・家庭用など)の目安
– 1.6〜2.0kg前後:2〜3人の食べ比べや贈答の手軽なサイズ
– 2.5〜3.0kg前後:家族4人で満足、脚の一本一本に食べ応え
– 3.5〜4.0kg以上:年末のごちそう・特別なギフト向け、鍋・焼き・天ぷらと多用途
なお、再加熱用の鍋やオーブンのサイズも事前にチェックしておくと安心です(NOAA Fisheriesのサイズ情報も参考に適量を検討しましょう)。

主要産地と生息環境:北海道〜ロシア・アラスカで育つ理由
国内外の主要産地(オホーツク海、ロシア、アラスカ)
商業的に知られる主産地は、北海道(オホーツク海)、ロシア極東(カムチャツカ半島周辺)、アラスカ(ベーリング海〜アラスカ湾)です。日本の市場では、ロシア・アラスカ由来の入荷が多い年もあります(NOAA Fisheries)。
水深や水温など生息環境のポイント
タラバガニ(赤系統)は、冷たい海域の大陸棚・斜面域で、季節や成長段階により水深数十〜数百メートルの範囲を移動します。概して低水温(目安2〜5℃程度)を好み、底質は砂泥〜礫など多様な環境に適応します(NOAA Fisheriesの生態解説)。この“冷たい海×広い回遊”が、身の締まりや豊富な水揚げ海域につながっています。
(参照:NOAA Fisheries)
味と食感はどう違う?タラバガニとズワイガニの食べ比べポイント
タラバガニの味・肉質の特徴(繊維・濃さ)
タラバガニは筋繊維が太く、噛むほどに“肉厚でジューシー”。旨味は力強く、塩焼きや豪快なステーキカットで“プリッと弾ける”食感を楽しむ食べ方が向きます。脚一本の満足度が高いのが魅力です。
ズワイガニとの味・食感の違いを料理別に解説
- 焼き・バターソテー:濃い旨味と弾力が出るタラバガニが好相性
- かにすき・しゃぶ:上品な甘さと出汁の伸びで、ズワイガニに軍配が上がりやすい
- 天ぷら・フライ:タラバガニはボリューム感、ズワイガニは繊細な甘みと香りが立ちます
- サラダ・和え物:ほぐし身の繊細さではズワイ、存在感ではタラバが活きる
筆者の経験上、“主役の一皿”に据えるならタラバ、“出汁や甘さで全体をまとめる”ならズワイが選びやすいと言えるでしょう。
よくある質問(FAQ)
- Q. タラバガニはなぜカニじゃないの?
A. 学術分類で“異尾下目(ヤドカリの仲間)”に入り、短尾下目の“本当のカニ”と系統が異なるためです(味の素、 s-sanchoku.com、 Britannica)。 - Q. タラバガニとズワイガニの脚の本数は違う?
A. 外から見える本数はタラバガニが8本、ズワイガニ(多くの短尾下目)は10本に見えます(kensei-online.com)。 - Q. タラバガニの味はズワイガニとどう違う?
A. タラバガニは肉厚で力強い旨味、ズワイは繊細な甘さと上品な出汁感が特徴です。調理法の相性も異なります。 - Q. タラバガニの産地はどこ?
A. 北海道オホーツク海、ロシア極東、アラスカ(ベーリング海〜アラスカ湾)が主要産地です(NOAA Fisheries)。 - Q. タラバガニのさばき方や調理のコツは?
A. 冷蔵庫でゆっくり解凍し、再加熱は“温めすぎない”が基本。殻はキッチンバサミで関節に沿って切ると身を傷めにくいです(後述の手順参照)。
タラバガニの呼び名と魅力:名前の由来から贈り物としての価値まで
呼び名(タラバガニ/たらば蟹)の由来と流通上の名称
“タラバガニ”は「鱈(タラ)の漁場=タラ場」でよく獲れたことに由来する呼称が広く知られています。流通ではベニタラバガニ(赤)を中心に、アブラガニ(青系)など近縁種も“タラバガニ”として括られることがあります。贈答や外食では“キングクラブ”の英名表記が使われるケースもあります。
ギフト向けの選び方とタラバガニの魅力ポイント
– 見栄え重視:肩の張りが大きく、脚先まで太い個体が写真映えします
– 食べやすさ重視:ハーフカットやスリット加工済みを選ぶと初心者も安心
– 失敗回避:霜(冷凍焼け)や過剰な氷膜が少ない“生冷(ボイル済み)の高鮮度品”がおすすめ
“王様級の満足感”と“扱いやすさ”のバランスで、贈答・家庭どちらにも高い評価を得ています。
失敗しないさばき方と美味しく食べる調理の手順(初心者向け)
下準備(解凍・洗浄)の手順
1) 冷蔵庫でゆっくり解凍する
– 未開封のままバットに置き、2〜3℃で12〜24時間。ドリップ受けの網やペーパーを敷くと再吸収しやすく、旨味流出を抑えられます。
2) 表面をさっと洗う
– 解凍後、殻の表面を軽く流水で流し、余分な氷膜を落とします。水に長く浸けないのがコツです。
茹で方・焼き方・脚の取り出し方のステップ
– 再加熱(蒸し/茹で):
1. 大鍋に少量の湯または蒸し水を用意(塩は海水の約3%が目安)
2. 殻を下にして入れ、弱めの中火で10〜15分を目安に温める
3. 粗熱を取り、殻の内側から切り込みを入れて身を外す
– 焼き(グリル/魚焼き):
1. 予熱したグリルで、殻を下にして中火7〜10分
2. 仕上げに身側を短時間だけ炙り、香りを立てる(焼きすぎ注意)
脚の取り出し(キッチンバサミ)の手順
1. 関節ごとに切り分ける
2. 殻の柔らかい内側(白い面)に沿って縦にハサミを入れる
3. もう片側にも切り込みを入れ、身を折り開くように取り出す
調理時の注意点(身を傷めないコツ)
- 再加熱は“短時間×低めの火力”で水分を保つ
- 解凍は常温・電子レンジを避け、冷蔵庫中心で
- 切る位置は“関節の節目”と“内側の薄い殻”を狙うと歩留まりが上がります
- 旨味塩分が強い個体は、味付けを控えめにして素材の甘みを活かしましょう
まとめ
学術的には“タラバガニはカニではなくヤドカリの仲間”で、腹部のねじれや退化した第5脚などが根拠です。
見分けの実用ポイントは「外から見える脚が8本」「甲羅に強いトゲ」「太い脚」。歩き方も前後に動きやすい傾向があります。
サイズは家庭向け2kg前後〜特別な贈答4kg級まで。主要産地は北海道・ロシア・アラスカの冷水域です。
味は“タラバ=肉厚で力強い旨味”、“ズワイ=繊細な甘み”。料理で使い分けると満足度が上がります。
解凍は冷蔵庫でゆっくり、再加熱は手短に。殻は内側から切ると美しく外せます。
“タラバガニ カニ じゃない”という疑問は、分類を知ればスッキリ解消します。あとは、用途と人数に合うサイズを選び、旬の一杯を最高の状態で楽しみましょう。
\お得に旬のカニを手に入れたいあなたへ/
参考
- 違いがわかる!ズワイガニとタラバガニの魅力 ~高たんぱく … – https://story.ajinomoto.co.jp/series/season/007.html
- ズワイガニとタラバガニの違いとは?その違いとおいしさを比較! – https://s-sanchoku.com/blog/report/791/
- ズワイガニとタラバガニはどっちが美味しい?味や大きさの違い … – https://www.kensei-online.com/article/column/seo_kani09.php
- ズワイガニvsタラバガニどっちが美味しい?味や値段の違いを … – https://marutsu.jp/blogs/news/zuwaigani_vs_tarabagani
- ズワイガニとタラバガニの違いとは?その特徴を徹底比較 – https://sanchoku-mall.com/blogs/column/snowcrab_and_kingcrab
- King crab | Encyclopaedia Britannica – https://www.britannica.com/animal/king-crab
- Alaska Red King Crab | NOAA Fisheries – https://www.fisheries.noaa.gov/species/alaska-red-king-crab
- タラバガニ – Wikipedia – https://ja.wikipedia.org/wiki/タラバガニ








