失敗しないカニのさばき方ガイド
最短で美味しく食べるための「カニのさばき方」を、初心者でも安全に実践できる手順でまとめました。キッチンバサミ中心の方法なので力任せにならず、身を崩さずに取り出しやすいのが特徴です。
目次
準備編:解凍状態の確認と必要な道具(キッチンバサミの選び方)
冷凍カニの正しい解凍具合の見分け方
- 甲羅や脚の表面がしっとりし、霜が消えているのに、芯はうっすら冷たい程度が扱いやすいベストです。完全に常温まで戻すとドリップが出て旨味が逃げやすく、逆に凍りが残りすぎていると殻が割れにくく危険です。
- 基本は冷蔵庫で低温解凍(受け皿+ラップ)にし、サイズにより数時間〜一晩を目安にしましょう。急ぎのときは氷水密閉解凍に切り替えるとドリップを抑えやすいです。
- 甲羅の隙間や関節の氷が消え、指で押すと軽く弾力を感じる程度で作業に入ると失敗が少ないでしょう。
下処理用にあると便利な道具(キッチンバサミ・まな板・布巾)
- キッチンバサミ(分解洗浄・ギザ刃・厚手対応)
- 大きめのまな板(滑り止めの濡れ布巾を下に敷く)
- 布巾・ペーパー(すべり止め兼ふき取り用)
- 小さじ・竹べら(カニ味噌のかき出し用)
- 使い捨て手袋(衛生・すべり対策)
キッチンバサミなら、脚の付け根から切り離し、関節や殻に2箇所入れて身を押し出す一連の動きが安全かつ簡単にできると解説されています(ますよね https://masuyone.com/blog/learn/58/、ふるなび https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202510-crab/)。
キッチンバサミの安全な持ち方と基本的な使い方
- 刃先を進行方向に向け、関節の溝に刃を「添える」ように入れると滑りにくく、殻だけを切りやすいです。
- 力を入れるのは最初の貫通だけにし、その後は長手方向へスライドさせると身を傷つけにくいでしょう。
- 分解洗浄できるタイプを選ぶと、関節まわりの殻粉や汁が残りにくく衛生的です。

種類別の違い:ズワイガニ・タラバガニ・毛ガニで変わるさばき方のポイント
ズワイガニの特徴とさばきやすさ
- 殻は中硬で脚が長く、関節の溝に沿ってハサミを入れるとスーッと縦割りしやすいのが特徴です。
- 腹側の三角形のふんどし(前かけ)を外すと甲羅が外しやすくなる基本は、ズワイでも有効です(天乃食品 https://www.amanofoods.jp/season/10782/)。
タラバガニの殻の厚さと力の入れ方
- 殻が厚くトゲも多いため、刃先を使い分けて「関節の溝」や「殻の内側の薄い面」を狙います。最初の入り口は関節側から、開通後は長手方向に一気に。
- 無理に真横から押し潰すと身割れしやすいので、縦割り中心の方が歩留まりが良いでしょう。
毛ガニの甲羅の扱い方と内臓(カニ味噌)の楽しみ方
- 甲羅が外れやすく、カニ味噌が濃厚です。ふんどしを外して甲羅を開け、エラを外したのち味噌を甲羅に寄せておくと無駄が出ません(ふんどしの基本操作は上記参照)。

初心者向け実践手順:カニのさばき方をステップで解説(ふんどし→甲羅→脚→胴体)
ステップ0:作業スペースの準備と安全確認
- まな板の下に濡れ布巾で滑り止め、カニは甲羅を上にして安定させます。
- 手袋とペーパーを用意し、刃先は常に自分から外側へ向けます。
ステップ1:ふんどし(前かけ)の取り外し方法
- 腹側の三角形の前かけ部分(ふんどし)に指または包丁の先を差し込み、手前に起こして外します。これで甲羅のロックが外れ、次工程がスムーズになります(さいほく https://www.saihok.jp/c/howto/howto-kani/howto-zuwai、天乃食品 https://www.amanofoods.jp/season/10782/)。
ステップ2:甲羅の剥がし方とカニ味噌の扱い方
- 背中側から甲羅を手前に開き、甲羅内のカニ味噌はスプーンで甲羅に集めておきます。
- 胴体側のエラ(後述)を先に外すと、作業スペースが広がります。
ステップ3:脚の切り離し→関節ごとの切断のやり方
- 脚は付け根からキッチンバサミで切り離し、関節ごとに分けると後工程が楽です。
- 殻の内側の白い面や関節の溝に沿って縦に2箇所切れ込みを入れ、殻を開いて身を押し出します。キッチンバサミ利用が安全で簡単とされています(ますよね https://masuyone.com/blog/learn/58/、ふるなび https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202510-crab/)。
ステップ4:胴体の分割と身の取り出し方
- 胴体は左右に割ってから、指または竹べらで房状の身を外します。
- 小さな殻片が出やすいので、最後にペーパーで軽く拭いながら確認すると食感が良くなります。
脚の殻を簡単にむくコツ:関節の使い方とキッチンバサミ活用法
脚の付け根で切り離すメリットと方法
- 付け根から外すと関節が露出し、溝が見つけやすくなります。可動部は殻が薄く切り始めに適しています。
関節ごとの切断ラインとハサミを入れる位置
- 狙うのは「関節の谷」と「殻の内側の平らな面」。まず谷に刃先を入れて開通し、次に平らな面を長手方向へ切り進めると身がきれいに抜けます。
ハサミでの縦割り・横割りの使い分け
- 縦割り(脚の長手方向)は身割れを防ぎやすく歩留まり重視に向きます。
- 横割り(リング状カット)は一口大の見た目を整えたいときに有効ですが、身を傷つけやすいので浅めに入れて殻だけ割るのがコツです。

甲羅とカニ味噌の扱い方:無駄なく楽しむ取り出し方と保存のコツ
甲羅を外してカニ味噌を取り出す手順
- ふんどしを外して甲羅を開け、エラ(がに・ハカマ)を除去したら、味噌を甲羅に集めます。甲羅は小鉢代わりに使えるので、身と和える準備をしておくと後で便利です。
カニ味噌の食べ方と保存方法のポイント
- ほぐし身と1:1で和え、少量の醤油や酢でのばすと風味が立ちます。残ったら小容器に入れ、密閉して冷蔵1日程度を目安に早めに使い切りましょう。
食べないほうが良い部分(エラ・内臓)の見分け方
- ねずみ色〜黄土色のスポンジ状の部位(エラ、通称がに・ハカマ)は食べられません。毒ではありませんが風味を損ねるため取り除くのが基本です(姫丸 https://www.himemaru.com/how_to_eat_crab/)。
よくある質問(FAQ)
- Q. カニのさばき方でハサミは必要?
A. 初心者はキッチンバサミがおすすめです。脚の付け根から関節ごとに切り、縦に切れ込みを入れて殻を外す方法が安全で歩留まりも良いと紹介されています(ますよね、ふるなびを参照)。 - Q. カニのエラ部分は食べられる?
A. 食べないのが基本です。食味が悪く、取り除くことが推奨されています(姫丸の解説を参照)。 - Q. 生カニと茹でカニのさばき方の違いは?
A. 生は水分が多く身崩れしやすいので、特に縦割りで殻だけを切る意識が大切です。茹では身が締まっているため比較的外しやすく、甲羅側の処理を先に行うと効率的です。 - Q. ズワイガニとタラバガニのむき方の違いは?
A. タラバは殻が厚いので関節の薄い面から切り始め、ズワイは関節の溝に沿って刃を滑らせるとスムーズです(種類別の章を参照)。 - Q. カニ味噌を無駄なく楽しむコツは?
A. 甲羅に集めておき、ほぐし身と和える、炙る、酢でのばすなどで風味を活かしましょう。早めの消費が安心です。
衛生・安全面の注意点:解凍不十分や内臓の取り扱いで避けるべきこと
解凍が不十分な場合のリスクと正しい解凍時間
- 未解凍だと滑って刃が逸れやすく、殻割りに過度な力が必要になり危険です。低温でじっくり、受け皿+ラップで冷蔵解凍を基本にするとドリップを抑えられます。
エラや内臓を取り残したときの味や安全性の注意
- エラは風味を損ねるため丁寧に除去します。甲羅内の液体はキッチンペーパーで余分を吸い、味噌だけを集めると雑味が抑えられます。
道具の消毒と作業後の処理方法
- 使い終えたハサミやまな板は、洗剤で物理的に汚れを落とし、熱湯やアルコールで消毒を行うと安心です。家庭で実践できる食中毒予防の基本として「清潔・迅速・加熱(状況に応じて)」が推奨されています(消費者庁:食中毒予防の情報 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_poisoning/)。
手順のおさらいとおすすめ道具ガイド:初心者が揃えるべき3点セット
今日から使えるチェックリスト(5行で手順復習)
- 冷蔵で低温解凍し、作業台と道具を準備
- ふんどしを外して甲羅を開け、エラを除去
- カニ味噌を甲羅に集めて一時待避
- 脚は付け根で外し、関節ごとに分けて縦割り
- 胴体を割って房状の身を外し、殻片チェック
初心者におすすめのキッチンバサミ・甲羅はがしのコツ道具
- 分解洗浄できる厚刃のキッチンバサミ(ギザ刃、耐食ステンレス)
- 大判まな板+滑り止め布巾
- 小さじ・竹べら(味噌・身のかき出しに重宝)
次に試したい簡単レシピ(茹で・焼き・味噌和え)
- 甲羅味噌和え:ほぐし身と味噌を1:1、醤油少々
- さっと炙り:脚身を軽く炙って香りを引き立てる
- カニ酢:酢・出汁・砂糖少々で手早く一品
まとめ
カニのさばき方は「低温解凍」「ふんどし→甲羅→脚→胴体」の順で、キッチンバサミを主役に据えると安全で歩留まりが良くなります。種類により殻の厚みと切り出し位置が異なるため、関節の溝と殻の薄い面を見極めるのが上達の近道です。甲羅味噌はエラを確実に外してから丁寧に集め、早めに美味しく使い切りましょう。衛生の基本を押さえれば、家庭でも安心して極上の一杯を楽しめます。
更新日:2025-12-27
執筆者:kani-tu.com編集部(毎冬10杯以上のズワイ・タラバ・毛ガニを自宅でさばく実体験と、通販顧客からのフィードバックに基づく手順最適化の知見を反映)








