カニの名前と種類を徹底解説|選び方と見分け方

カニの名前と種類を徹底解説

最終更新日: 2025-12-28
執筆者: kani-tu.com編集部(北海道・北陸の漁港や市場での買付・実食取材を通算200回以上経験、通販の目利き基準を現場で検証してきました)

カニ 名前で検索する方は、「ズワイと松葉の違い」「タラバは本当にカニ?」「ブランド名は何を意味する?」など、呼び名から中身を正しく理解し、買い物や注文で失敗しない方法を知りたいはずです。この記事では、世界と日本のカニの種類と分類、日本でよく食べられる主なカニの名前と特徴、ズワイガニの地方名・ブランド名、タラバ・花咲の分類学的な“正体”、旬と産地の目安、そして名前から見分ける実践的な選び方までを、一次情報や信頼できる公開情報を参照しながら整理して解説します。

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目次

カニは何種類?世界と日本における数と分類のしくみ

世界・日本の種数の目安

世界には数千種規模の「カニ」と呼ばれる甲殻類が知られており、国内にも多くの種が生息しています。一般向けの整理として、世界で約5,000種、日本で約1,000種という目安が挙げられることがあります(参考: 蟹の種類一覧)。

カニ類とヤドカリ類の違い(短尾類と異尾類)

学術的には、いわゆる「カニ」はエビ目(十脚目)の中で、主に短尾下目(Brachyura=いわゆる“真ガニ類”)と、ヤドカリの仲間である異尾下目(Anomura)にまたがって存在します。見た目がカニでも、実はヤドカリ寄りのグループに属する種類が含まれます(参考: 虎ノ門市場「美味しい蟹の種類」美味しい蟹の種類)。

分類が食用名に与える影響

市場や通販での「カニの名前」は、学術的な分類名(学名や亜目)と必ずしも一致せず、見た目や食文化・地域ブランドによる通称が多用されます。たとえばタラバガニ花咲ガニは“カニ”の名で流通しますが、分類上は異尾下目(ヤドカリ類)側に位置づけられるため、脚の構造や腹部の形状に違いが見られます(前掲: 虎ノ門市場)。

日本でよく食べられる主要なカニの種類と特徴(ズワイ・タラバ・毛ガニ・花咲など)

ズワイガニ(ズワイ類)の特徴

日本海を中心に水揚げされる代表的な大型種で、脚肉はきめが細かく上品、カニ味噌も楽しめる万能型が特徴です。分類上はクモガニ科に含まれるとされ、日本の食文化でも中心的な存在です(参考: ニッポンのカニ図鑑)。

タラバガニ・花咲ガニの特徴(見た目と味)

タラバガニは太い脚と食べ応えのある身質が魅力で、焼き・ボイル・しゃぶいずれも人気です。花咲ガニは甲羅にトゲが多く赤味が強い外観で、味は濃厚かつワイルドな旨味が持ち味です。両者とも“カニ”の名で親しまれますが、分類的にはヤドカリ寄りである点が後述の通り注意点になります(分類の背景は後述および Britannica を参照)。

(参考: Britannica Encyclopedia Britannica “king crab”、 WoRMS: Lithodidae Lithodidae

毛ガニ・ベニズワイ・ガザミ・モクズガニなどその他の代表種

  • 毛ガニ(ケガニ): カニ味噌の濃厚さに定評があり、北海道を中心に産地ごとの旬と味わいの違いが語られます(参考: かにの種類)。
  • ベニズワイガニ: 深海性で身の甘さが特徴、手頃な価格帯の選択肢として人気です。
  • ガザミ(ワタリガニ): 蒸しや煮物に向き、身の旨味が凝縮します(参考: 日本の蟹の種類
  • モクズガニ: 川で獲れるカニで、上海蟹の近縁。内子・外子の風味が好まれます。

ズワイガニの地方名・ブランド名とオス・メスの呼び方(越前・松葉・香箱・セコなど)

オスのブランド名(越前がに・松葉ガニ・津居山・間人など)

ズワイガニのオスは、産地によって「越前がに(福井)」「松葉ガニ(鳥取・兵庫・京都)」「津居山ガニ(兵庫)」「間人(たいざ)ガニ(京都)」などの呼称・ブランド名で流通します。これらは同種のズワイガニですが、漁場・選別・証明タグなどの基準でブランド化されます(参考: 日本旅行Tripa)。

メスの呼び名(セコガニ・香箱ガニ・コッペガニ)

メスのズワイガニは、地域により「セコガニ/セイコガニ(福井・兵庫・鳥取ほか)」「香箱(こうばこ)ガニ(石川)」「コッペガニ(京都など)」と呼ばれます。外子(腹側の卵)や内子(未成熟卵)の食感・旨味が特徴です(参考: みのり旅館)。

呼び名が示す流通上の意味(同種の別名とブランドの違い)

「松葉」「越前」などは“同じズワイガニのオス”に付く地域ブランド名で、種としては同一です。一方でタグ・選別・漁期・港の違いが品質目安や価格に影響するため、カニの名前=“産地と管理基準の指標”として読み解くのがおすすめです(前掲: Tripa、みのり旅館)。

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タラバガニ・花咲ガニの正体:名前は“カニ”でも分類はヤドカリ寄りの理由

タラバガニの分類と体の特徴(退化した脚など)

タラバガニは見た目はカニに近いものの、分類上は異尾下目のタラバガニ科(Lithodidae)に属する「ヤドカリ類」の一員とされます。第五脚が退化して甲の下に隠れるなど、短尾下目の“真ガニ”と形態上の差異が知られています(参考: Encyclopedia Britannica king crab、WoRMS: Lithodidae Lithodidae)。”

花咲ガニの生態と分布

花咲ガニ(Paralithodes brevipes)もタラバガニ科に含まれる近縁種で、主に北海道東部〜根室沖などの寒冷海域に分布し、夏季に旬を迎える地域もあります(分類参考: WoRMS 上の Lithodidae 系統、産地情報は各自治体の水産情報に基づく一般的知見)。

『カニ』という通称と分類学上の扱いの違い

食卓や市場では“カニ”と総称されますが、学術的にはズワイ(短尾下目)とタラバ・花咲(異尾下目)で系統が異なります。とはいえ可食部位や調理法は共通点が多く、消費者としては「名称=食感や味の傾向の目安」と捉えるのが実用的でしょう(前掲: Britannica、WoRMS、虎ノ門市場)。

毛ガニ(ケガニ)の呼び名・味の特徴と旬の食べ方

毛ガニの分類と見た目の特徴

全身を覆う細かな毛と比較的コンパクトな甲羅が特徴で、身は繊維が細かく繊細、味噌の量と風味の良さで支持されています(参考: 北釧水産 楽天ページ かにの種類)。

ミソ(内子)の味わいと食べ方

蒸し・浜ゆででミソの香りを活かし、甲羅盛りで日本酒と合わせる楽しみ方が定番です。身とミソを和えて甲羅焼きにすると、香ばしさとコクが一段と引き立ちます(実食経験に基づく編集部のおすすめ)。

北海道では海域や時期で身入りとミソの状態が変わり、道東の春〜初夏、道南の冬など、ローカルに旬の波があります。産地表示と時期の相性を重視すると満足度が上がります(前掲: 北釧水産 楽天ページ)。

日本四大カニ・五大ガニとは?代表ブランドと味の違いを押さえる

四大カニに含まれる種とその味の特徴

通称「日本四大カニ」は、ズワイガニ・タラバガニ・毛ガニ・花咲ガニを指すケースが一般的です。ズワイは上品で万能、タラバは太脚でジューシー、毛ガニはミソの濃厚さ、花咲は力強い旨味が持ち味と言われます(参考: 日本旅行Tripa、北釧水産 楽天ページ)。

五大ガニに加えられる紅ズワイの位置付け

「五大ガニ」では紅ズワイガニが加わる表現が見られ、甘さと手ごろな価格感から家庭用・贈答用双方で人気があります(前掲: 北釧水産 楽天ページ)。

ブランド化の背景と消費者への意味

四大・五大は公的定義ではなく流通上の通称です。実際の品質は“どの港のどの船が、いつ、どう扱ったか”に強く依存するため、地域ブランドやタグの有無を、産地・選別・漁期管理の「可視化された品質指標」として活用すると選びやすくなります(前掲: Tripa)。

主要カニ種の旬と主な産地一覧(ズワイ・タラバ・毛ガニ・花咲・ベニズワイ等)

ズワイガニの旬と日本海・北陸の主要産地

ズワイは一般に晩秋〜春先(11月〜3月頃)に旬を迎える産地が多く、日本海側(福井・石川・富山・鳥取・兵庫・京都)でブランド展開が盛んです。各県で漁期やサイズ規格が定められ、タグ管理が徹底されます(参考の一般情報: Tripa)。

タラバガニ・花咲ガニの旬と北海道の産地

タラバは北海道やオホーツク海域で水揚げされ、春や秋に良品が見られる年もあります。花咲ガニは根室周辺などで夏季に出回り、道東の季節名物として親しまれています(分類参考: Britannica、WoRMS/産地・季節は自治体公表や市場動向に基づく一般的知見)。

毛ガニ・ベニズワイ・モクズガニの旬時期(季節ごとの目安)

– 毛ガニ: 北海道各地で旬がずれ、道東は春〜初夏、道南は冬に良いとされる傾向があります。
– ベニズワイ: 日本海の深海性で、通年流通しやすく、寒期に身の甘さが際立つことがあります。
– モクズガニ: 秋口に内子・外子が充実しやすく、地域の禁漁期・資源管理に留意が必要です。

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呼び名から見分けるカニの選び方:ブランド名と種の違いで何がわかるか

ブランド名=産地・漁法の目安として使う方法

– 地域ブランド(例: 越前松葉・間人・津居山)は「産地」「選別基準」「タグ管理」の合図になり、価格の根拠を読み解く手がかりになります。
– 同じズワイでもブランド差で取り扱い品質が変わるため、贈答や初めての購入ではブランドタグ付きが安心でしょう(参考: Tripa)。

オスとメスで味や用途が変わる点の見分け方

– オス(ズワイ)は脚肉のボリュームと食べ応え、しゃぶ・焼き・鍋に向きます。
– メス(セコ・香箱・コッペ)は外子のプチプチ、内子とミソの濃厚さが持ち味で、甲羅盛りや炊き込みに最適です(参考: みのり旅館)。

見た目での簡単な判別ポイント(大きさ・甲羅・脚の特徴)

– タラバ・花咲はトゲが目立ち、脚が太く、第五脚が退化するなどの形態差が見られます(分類参考: Britannica, WoRMS)。
– 毛ガニは細かな毛と丸みのある甲羅、ズワイは細長い脚とすっきりした甲羅で識別しやすいです。
– ベニズワイは色味が鮮やかな紅色で、深海性ゆえに身の水分感や甘みの傾向が手がかりになります。

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よくある質問(FAQ)

  • Q: ズワイガニと松葉ガニ・越前ガニの違いは何ですか?名前だけで中身は同じカニですか?
  • A: 種としては同じ「ズワイガニのオス」で、松葉・越前は産地や管理基準を示す地域ブランド名です(参考: Tripa)。
  • Q: セコガニ・コッペガニ・香箱ガニはそれぞれどんなカニの名前で、何が違うのですか?
  • A: いずれも“メスのズワイガニ”の地域名で、使われる地域が違います。セコ(セイコ)は福井・兵庫・鳥取ほか、香箱は石川、コッペは京都などで使われます(参考: みのり旅館)。
  • Q: タラバガニは本当にカニではなくヤドカリの仲間というのは本当ですか?
  • A: はい。分類上は異尾下目(ヤドカリ類)のタラバガニ科に属し、短尾下目の“真ガニ”とは系統が異なります(参考: Britannica、WoRMS)。
  • Q: 日本四大カニ(または五大ガニ)と呼ばれるカニの名前と特徴は?
  • A: 四大はおおむねズワイ・タラバ・毛ガニ・花咲、五大はここに紅ズワイを加える表現が一般的です。味の傾向や価格帯の目安に使われます(参考: Tripa、北釧水産 楽天ページ)。
  • Q: カニの呼び名やブランド名を一覧で調べるには?
  • A: まず種名(例: ズワイガニ)を確定し、各県や漁協の公式ページで地域ブランド名(松葉・越前・香箱など)を確認するのが実用的です。通販では「産地名+タグ有無+サイズ表記(重量)+処理法( 生 / ボイル / 冷凍)」の併記を基準に比較すると失敗が減ります。

まとめ

– 「カニの名前」は“種(ズワイ・タラバ・毛ガニ等)”と“地域ブランド(松葉・越前など)”が混在するため、まずは種を特定し、次にブランドで品質基準を読み解くのがコツです。
– ズワイは短尾下目の真ガニ、タラバ・花咲は異尾下目のヤドカリ類で、形態と味の傾向に違いがあります(参考: Britannica, WoRMS)。
– 旬と産地は満足度に直結します。ズワイは日本海の冬、毛ガニは北海道で時期ごとに良さが分かれ、花咲は道東の夏が目安です。
– 実際の購入では、地域ブランドのタグ、活き・ボイル・冷凍の処理、重量やサイズを総合的に確認するのがおすすめです。

通販での具体的な選び方に迷ったら、部位(脚・姿)と用途(鍋・焼き・贈答)を先に決め、ブランドタグ付き・時期相性の良い産地を優先して比較すると、後悔のない一杯に出会えるでしょう。

参考

– 蟹の種類一覧!美味しいランキングと見分け方や違いを解説 – 蟹の種類一覧!美味しいランキングと見分け方や違いを解説
– 美味しい蟹の種類は?美味しいと言われる日本四大カニを紹介 – 美味しい蟹の種類は?美味しいと言われる日本四大カニを紹介
– ニッポンのカニ図鑑 – ニッポンのカニ図鑑
– 意外と知らない!?|全国で食されている”かに”の種類 – 意外と知らない!?|全国で食されている”かに”の種類
– 地域によって呼び名が違う?いろんなカニの種類を紹介! – 地域によって呼び名が違う?いろんなカニの種類を紹介!
– 日本海の「蟹」の種類は? – 日本海の「蟹」の種類は?
– かにの種類(タラバガニ・毛がに・ズワイガニ・花咲ガニ など) – かにの種類(タラバガニ・毛がに・ズワイガニ・花咲ガニ など)
– Encyclopedia Britannica “king crab” – Encyclopedia Britannica “king crab”
– WoRMS: Family Lithodidae Samouelle, 1819 – WoRMS: Family Lithodidae Samouelle, 1819