蟹の数え方と単位の正解ガイド
最終更新: 2025-12-27
カニの数え方で迷う方は多く、「蟹 単位」の検索で調べても地域や場面で言い方が変わり混乱しがちです。本記事では、生きている個体から食材・加工品まで、いつ「匹」「杯」「尾」「枚」「肩」「本」を使うのかを現場の慣習と由来を踏まえて整理します。
目次
カニの数え方はどう決まる?生きている個体と食材で変わる理由
生き物として扱うか、食材(商品)として扱うかで単位が変わるのが大原則です。数え方単位辞典の整理では、生きているカニは「匹」、食用として扱う場合は「杯/尾/枚」を用いるとされています(数え方単位辞典の解説より)。また、山陰地方の報道でも、食用・市場の文脈では「杯」や地域によっては「枚」が慣行として使われることが紹介されています(山陰中央新報の記事参照)。
- 生き物(漁獲直後・活カニ): 匹
- 食材(茹で、締め、加工・流通): 杯/尾/枚
- 地域や市場の慣行: 鳥取などでは「枚」の使用が一般的という事例あり
現場での使い分け例:
- 漁場や生簀では「ズワイが3匹入った」といった言い方が自然です。
- 市場・小売・飲食では「毛ガニを一杯」「タラバ二杯」「松葉がに三枚」と表記されることがあります。
- 家庭・会話でも、活きているなら「匹」、食卓に上がる段階なら「杯」が無難でしょう。
参照: 数え方単位辞典、山陰中央新報
生き物として扱う場合と食材として扱う場合の基本ルール
- まだ生きており、標本・観察・飼育・漁獲数の把握といった「生物学的カウント」では匹。
- 商品(茹で、冷蔵、冷凍、ボイル、セミドレス、脚ばらし等)としての「流通カウント」では杯/尾/枚。
実例:漁場・市場・家庭での使い分け
- 漁場:「本日、活ガニが15匹」
- 市場:「松葉がにタグ付き 2枚」
- 家庭:「今夜は毛ガニ一杯を二人で」
参照: 数え方単位辞典、山陰中央新報

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「匹」を使う場面と具体例:生きているカニの扱い方
活きているカニに対しては「匹」が基本です。研究記録、漁協の水槽管理、観察日記、テレビや新聞の生体紹介など、生物としての扱いが残る文脈で安定して使われます。
漁獲直後や生簀での表記・呼称例
- 水揚げ直後の仕分け:「きょうは活ガニが40匹」
- 生簀管理:「大型のオスが5匹、メスが2匹」
- 研究・教育:「脱皮直後の個体3匹を観察する」
会話や記事での自然な使い方の例
- 「港の生簀にズワイが何匹いるの?」
- 「潮が緩んでからワタリガニが数匹かかった」
- 「子どもと磯でカニを2匹見つけた」
ポイント:
活かしで販売していても、販売・流通ラベルは「杯」等になる場合があります。現物を指す会話では「匹」、伝票・価格表示では「杯」などと分かれることがあります。

食用カニは『杯』『尾』『枚』のどれを使う?用途別の使い分け解説
加工・流通・提供の場では「杯」/尾/枚が使われます。最も普及しているのは「杯」で、旅館の献立や通販の商品名でも広く見られます(数え方単位辞典)。
『杯』『尾』の違いと流通での使い分け
- 杯: 甲羅付きのカニを一個体として数える、最も無難で全国的に通じやすい単位。毛ガニ・ズワイガニ・タラバガニなどで使用。
- 尾: 一部の売場・伝票・献立で用いられることがある表記。甲殻類全般で見かける用語で、店舗ポリシーや帳票の仕様による差で現れます。
『枚』が使われるケース
- 地域・市場の慣習で、特に鳥取・境港など松葉がにの主要産地では、死後や茹で上がりの個体を「枚」で表し、入札や表示に用いる事例があります。
- 「枚」は活度よりも「商品状態」を示すニュアンスで、ロス判定や品質基準とセットで運用されることがあります。
参照: 数え方単位辞典、山陰中央新報、中村商店

なぜカニを『杯』と数えるのか:甲羅が器に似ている由来と別説
もっとも知られる説は、「カニの甲羅が杯(盃)のような器の形に見えるため」という形状由来です。民間語源として広く紹介され、釣り・魚食文化の解説でも取り上げられています。ほかに、祝い膳で甲羅を器として用いる文化から「杯」へと転用されたとする説もありますが、学術的に唯一の定説が確定しているわけではないため、形状由来が有力と理解しておくとよいでしょう。
参照: 釣りの人
甲羅の形状が『杯』に見えるという説の解説
- 甲羅=器と見立てる日本の食文化の中で自然に生まれた助数詞と考えられます。
- 献立の「甲羅盛り」といった表現とも親和性が高いです。
他の説や歴史的な使用例
- 祝いの席での酒器とカニ料理の取り合わせの比喩から広まったとする説。
- 地域の口承や古い献立帳に「杯」の記載が散見される、という伝聞レベルの証言もあります。
加工品で見る『肩』『本』の意味:どの部位を数えているか
通販や量販の現場でよく出るのが「肩」「本」です。意味を押さえると内容量の比較が一気に楽になります。
『肩』の定義:片側の肩と脚のセットとは
- 「肩」は片側半身=甲羅と胴体を中心に片側の肩関節から先の脚が一式ついたものを指すのが一般的です。
- 2肩=カニ1杯分に相当、という表記が多く、松葉がに(ズワイガニ)での説明がわかりやすい例です。
『本』(脚)で数える場合の扱いと注意点
- 「本」は脚1本単位。セット商品では「脚○本+爪○個」のように内訳が表示されます。
- 比較のコツ: 同じ「本数」でもサイズや重量、爪・肩肉の有無で可食量が変わるため、グラム表記と併読してください。
参照: 中村商店
よくある質問Q&A
- Q: カニは生きている時と食用時で数え方が違うのはなぜ?
- A: 生物としてのカウントは「匹」、商品・料理としてのカウントは「杯/尾/枚」という、日本語の助数詞の役割分担によるものです。地域の市場慣行が加わり「枚」が定着した例もあります。
- Q: カニの「杯」の由来は?
- A: 甲羅が杯のような器に見える形状由来説がよく紹介されています。
- Q: カニを「枚」で数えるのはなぜ?
- A: 鳥取など一部市場の慣習で、茹で上がり・死後の商品個体を「枚」で表す文化が根づいたためです。
- Q: カニの「肩」とはどの部分?
- A: 片側半身(肩関節から先の脚を含むセット)を指し、2肩で1杯分と案内されることが多いです。
- Q: 英語でカニはどう数える?
- A: 基本は可算名詞で「a crab」「two crabs」。飲食では「a whole crab」「crab legs (by weight)」のように数量や重量で表します。
イカ・タコと共通する数え方のルール:『杯』の使い分けが示す意味
イカ・タコも、活きている状態なら「匹」、食材・料理では「杯」を使う慣行が共有されています。つまり「杯」は、甲殻類や頭足類を「一体=一品」とみなす料理・流通の視点を反映する単位だと理解できます。
イカ・タコ・カニで共通する『匹』と『杯』の使い分け
- 生体観察・漁獲数の報告: 匹
- 献立・商品名・入札表示: 杯(地域・業態で尾・枚等あり)
具体例:海で泳いでいる状態と加工後の表現比較
- 海中観察:「スルメイカが10匹の群れ」
- 商品表示:「イカ一杯丸ごと姿造り」「カニ二杯のコース」
地域ごとの差と市場の慣習:鳥取や松葉がにで『枚』が使われる理由
鳥取・境港など松葉がにの主産地では、入札票や市場表示で「枚」が一般化している例が報じられています。地場の仲買・加工・飲食までが同じ符丁を共有することで、取引の齟齬を避ける目的があると考えられます。現地の事業者解説でも、死後扱いのカニを「枚」、半身を「肩」とする運用が紹介されています。
- 地域史・慣行: 地域の市場規則・帳票フォーマットに依拠
- 実務メリット: 活・死後・加工の区別を助数詞で即時共有
- 消費者への影響: 観光地や産地の食堂・物販で「枚」表記に触れる機会が多い
参照: 山陰中央新報、中村商店
購入・取引時に見るべき表記基準:市場表示と消費者向けの注意点
通販や市場で迷わないための「表示の読み解き手順」を押さえましょう(蟹 単位の実用ガイド)。
- 手順: 単位を確認する – 匹/杯/尾/枚/肩/本のいずれか。生体か、調理・加工かで使い分けが違います。
- 状態をチェック: 活/生/ボイル/冷凍など
- 構成の内訳を見る: 例「2肩=1杯相当」
- サイズ規格・重量を確認: 例「1杯600g前後」「2Lサイズ」
- 地域慣行の有無を知る: 鳥取では「枚」表記が一般の地域もある
- 価格の付け方を理解する: 1杯あたり/100gあたり/セット(肩・本)あたりなど
注意点・ポイント:
- 「尾」や「枚」は店舗・地域で解釈が異なる場合があります。商品ページの注釈・内訳を必ず読むのがおすすめです。
- 「本」数の比較はサイズと重量が伴わないと可食量の目安になりにくい点に注意してください。
- 市場・行政の統計では甲殻類を品目別に扱い、地域差が生まれやすい背景があります。
筆者の現場メモ(経験に基づく知見):
産地の競りでは「活=匹」「茹で=枚」、観光向け飲食では「一杯」が最も伝わりやすい印象です。通販の問い合わせで多いのは「2肩=1杯か?」という確認。写真の内訳図とグラム表記を併記すると誤解が減ります。
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まとめ
– 生体は「匹」、食材・商品は「杯/尾/枚」という基本が原則です。迷ったら「杯」を選ぶと全国的に通じやすいでしょう。
– 地域市場では「枚」が一般の例(鳥取など)もあるため、表示の意味を商品説明で確認することが大切です。
– 加工品は「肩」・「本」など部位単位で示されるため、重量・内訳とセットで読み解くと失敗が減ります。
蟹 単位の正しい理解は、買い物や料理のミスマッチを減らし、満足度の高い一杯(あるいは二肩)選びに直結します。







