川のカニ入門:種類・生息・観察と飼育
最終更新日:2025-12-26
筆者:kani-tu.com編集部(淡水甲 cr尤nの観察・飼育歴10年)
目次
川でカニを見かけたらまず知っておきたいこと
川のカニを見つけた瞬間のワクワクを、そのまま安全で豊かな体験につなげるために、種類の見分け・生息場所・観察と飼育の基本・食用の注意点を要点で整理します。検索の多い“川 の カニ”という言い方もありますが、実際にはサワガニやモクズガニなど複数種が関わり、川の上流から河口まで生息域が分かれることをまず押さえると理解が進みます。
この記事で分かること(種類・生態・飼育・食用の注意)
- 主な種類はサワガニとモクズガニで、識別ポイントと生態の違いが分かります
- 上流・中流・下流・河口での生息傾向と、地域ごとの分布の概要を把握できます
- 観察・採集のマナーと手順、家庭での飼育環境づくりの基本が分かります
- 食用にする際の衛生・法令・保全上の注意点を確認できます
兵庫県立人と自然の博物館は、サワガニを「日本固有の純淡水性カニで、水質の良い上流・中流域に生息し、水質指標生物」と解説しています。 一方、山形県関連サイトなどでは、モクズガニは「毛の生えた大きなハサミが特徴で、上流から河口まで広く生息し、産卵期には下流へ移動する」と紹介されています。
川に住む代表的なカニ:サワガニとモクズガニの特徴
サワガニの見た目と行動(純淡水性の特徴)
- 小型で甲幅は2〜3cmほど、体色は褐色〜紫がかり、沢筋の石下や湿った岸辺に潜む傾向があります
- 一生を淡水で過ごし、清流に多く、環境の変化に敏感です
- 水質の良い上流・中流域に生息し、水質指標として扱われます
参考:里山の生き物図鑑は、サワガニを純淡水性で上流・中流に多いと説明しています。 兵庫県立人と自然の博物館の記述とも整合します。

モクズガニの見た目と行動(大きな毛のあるハサミ等)
- 成体は甲幅5〜7cm程度になり、ハサミに黒褐色の藻状の毛が密生するのが最大の特徴です
- 上流〜中流〜下流〜河口まで幅広く分布し、産卵期には下流側へ移動する回遊性がみられます
- 歩脚が発達し、流れの緩い場所や夜間に活動的になることが多いです
参考:カニの仲間はモクズガニの毛のあるハサミと回遊的な生活史を紹介しています。山形県関連サイトも同様の特徴を述べています。

オス・メスの見分け方とその他の河川性カニ
- 腹部(腹節)の形で判別し、オスは細く三角、メスは広く丸みがちです
- 河口の干潟ではチゴガニ類やハクセンシオマネキなど複数種に出会うことがあり、はさみ振り行動などが識別のヒントになります
- 不明な個体は写真を残し、地域の自然史博物館や図鑑で照合するのがおすすめです

上流から河口まで:川の区間ごとの生息場所と日本での分布傾向
上流・中流で見られるカニ(サワガニ等)
- 冷涼で溶存酸素の多い区間ではサワガニが優占し、転石帯や落ち葉堆積部が隠れ家になります
- 渇水期は石の下、増水期は岸の高所へ退避するなど、小さな移動で環境変化に対応します
下流・河口で多様な種が見られる理由
- 汽水域は塩分勾配と干満差が生み出す微小環境が多く、餌と隠れ家が豊富で、複数種が共存しやすい環境です
- 例えば福岡市の多々良川河口干潟では、ヨシ原・干潟・転石帯がモザイク状に広がり、20種以上のカニ類が確認されています
地域ごとの代表的な分布事例(河川名や地域)も重要です。
– 本州〜九州の清流域ではサワガニが広く見られ、里山の小河川でも観察例が多い傾向です
– モクズガニは本州全域の大河川水系にも分布し、河口に干潟の発達した地域で目撃情報が増えやすいです
– 地域特性(ダム・用水路網・護岸形状)により局所的な分布差が出るため、現地の自然観察会や自治体レポートの情報を参照すると確度が高まります
繁殖の違いを知る:淡水で完結するカニと海へ移動するカニ
サワガニの繁殖と幼生の生活史(淡水完結)
- サワガニは淡水域で交尾・抱卵・孵化まで完結し、孵化後は小型の稚ガニとして親と同じ環境で生活します
- 淡水完結型ゆえに流域の水質や渇水の影響を受けやすく、局所個体群の保全が重要と言えるでしょう
モクズガニの産卵行動と下流移動(海依存性)
- モクズガニは産卵期に下流へ移動し、幼生期を汽水〜海水域で過ごしたのち、成長に伴って再び川を遡上する生活史が知られています
- 秋〜初冬にかけて下りガニの観察機会が増える地域が多く、夜間の移動が目立つことがあります
繁殖時期と観察のポイント
- 抱卵個体の採集・持ち帰りは地域ルールで制限される場合があり、観察優先・速やかなリリースが無難です
- 季節と潮汐(河口域)を意識して時間帯を選ぶと、行動観察の成功率が上がります
川のカニに関するQ&A
Q1. 川のカニの種類は何がある?
A. 代表はサワガニとモクズガニで、上流域では前者、広い区間では後者に出会いやすいです。河口干潟ではチゴガニ類など多種が見られる地域もあります。
Q2. サワガニとモクズガニの見分け方は?
A. ハサミの毛の有無とサイズ感が早道です。モクズガニは大きく、ハサミに黒褐色の毛が密生し、サワガニは小型で毛が目立ちません。
Q3. 川のカニは食べられる?
A. 地域によってモクズガニを食用とする文化がありますが、生食は避け、加熱を徹底し、法令・漁業権・禁漁期間を必ず確認してください。流通が明確な専門店・通販の利用が安全面では安心です。
Q4. サワガニは海に行かないの?
A. はい。サワガニは淡水で生活史を完結する純淡水性とされています。清流域の環境保全が生息に直結します。
Q5. 川でカニを飼う方法は?
A. 小型水槽に陸場と隠れ家、弱めのろ過、清潔な水、バランスの取れた餌(冷凍赤虫・沈下性フードなど)を用意し、低頻度で水換えするのが基本です。詳細は次節で解説します。
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参考
- サワガニ – 兵庫県立人と自然の博物館 https://www.hitohaku.jp/kawamushi/zukan/sonota/sawagani.html
- サワガニ(沢蟹) – 里山の生き物図鑑 https://sadotanada.com/ikimono/crustacean/sawagani/
- モクズガニと川の恵み – 山形県関連サイト https://bongheiberg.yamagata.jp/mokuzuganitokawa/
- カニの仲間 – 雑魚の水辺 http://zakonomizube.web.fc2.com/elseliving/kani.html
- 多々良川河口干潟のカニ類 – NPO法人 ふくおか湿地保全研究会 https://www.npo-fwcrg.org/%E5%A4%9A%E3%80%85%E8%89%AF%E5%B7%9D%E6%B2%B3%E5%8F%A3%E5%B9%B2%E6%BD%9F








