犬がカニを食べるときの安全ポイントと注意点

犬がカニを食べる時の安全ガイド

最終更新日:2025-12-29

犬がカニを食べるのは大丈夫か、どこまでなら安全か、避けるべきリスクは何かを、獣医師監修情報と公的資料を踏まえてわかりやすく整理します。

目次

犬が生のカニを食べたらどうなる?チアミナーゼとビタミンB1欠乏の危険性

生のカニには「チアミナーゼ」という酵素が含まれ、犬の体内でビタミンB1(チアミン)を分解してしまうことがあり、欠乏が進むと神経や筋肉機能に障害が出る可能性があると解説されています(PS保険の獣医解説、PS保険 https://pshoken.co.jp/note_dog/dog_ngfood/case014.htmlmoffme https://moffme.com/article/780の獣医師監修記事参照)。

チアミナーゼとは何か(生カニに含まれる酵素の働き)

チアミナーゼチアミン(ビタミンB1)を破壊する酵素で、生の魚介類に含まれることがあり、生カニを犬が食べると体内のビタミンB1が消費され、神経伝達やエネルギー代謝に支障が出るとされています(PS保険 https://pshoken.co.jp/note_dog/dog_ngfood/case014.htmlmoffme https://moffme.com/article/780)。

犬で見られる具体的な症状:疲労、筋力低下、歩行障害など

初期は元気消失や食欲低下、嘔吐などがみられ、進行すると疲労感、筋力低下、ふらつきや歩行障害、痙攣などの神経症状へ移行することがあり、重症例では命に関わる可能性もあると報告されています(前掲PS保険・moffme)。

加熱したカニは少量なら与えられる?加熱条件・塩分・アレルギーの注意点

結論として、加熱したカニの身であれば少量に限り与えられるケースがあり得ますが、加熱条件・塩分・殻の混入・アレルギーを慎重に管理する必要があります(犬ナビ、hotto https://hotto.me/10428の獣医師監修記事)。

加熱でリスクが低減する仕組み(目安の温度と取り扱い)

チアミナーゼは加熱により失活するとされるため、生は避け、中心までしっかり加熱した身のみを与えるのが基本とされています。一般的な目安として70℃以上相当の加熱でリスク低減が期待され、茹でる・蒸すなど塩を足さない調理が望ましいと解説されています(犬ナビ https://inunavi.plan-b.co.jp/crab/hotto https://hotto.me/10428)。

塩分と与える頻度の目安、アレルギーが疑われる場合の対応

市販の茹でガニやカニ加工品は塩分が高くなりがちで腎臓や心臓への負担が懸念されるため、与えるなら無塩調理の身を少量、頻度はごくたまにとし、初回はごく少量で様子を見るのが推奨されています。甲殻類アレルギーは皮膚のかゆみ、嘔吐・下痢、重い場合は呼吸困難などを生じ得るため、違和感があれば直ちに中止し受診を検討しましょう(犬ナビhotto)。

カニの殻や甲羅を飲み込むとどうなる?消化器の損傷と誤飲時の対応

カニの殻や甲羅、鋭い脚の関節片は硬く尖っており、口腔内や食道、胃腸を物理的に傷つけるほか、消化されにくいため腸閉塞の原因となるリスクがあると考えられます。特に小型犬や早食いの犬は注意が必要です。

殻で起こる代表的なトラブル(裂傷、穿孔、腸閉塞)

代表的には、口腔や食道の裂傷、胃腸粘膜の穿孔、消化管内での停滞による嘔吐・腹痛・便秘やガス貯留、進行すると腸閉塞や腹膜炎に至る可能性が挙げられます。

誤飲時の応急処置と獣医で行われる検査(X線・内視鏡など)

殻や甲羅を誤飲した場合は無理に吐かせず、食べた量や形状、時間、犬の体重や症状をメモし、可能なら残骸の写真を保存して、速やかに動物病院へ連絡しましょう。受診時はX線や超音波で位置・形状を評価し、必要に応じ内視鏡による摘出や外科的対応が検討されます。

カニ味噌・カニ缶・カニカマはなぜ避けるべき?塩分・添加物・重金属とアレルギーの懸念

カニ味噌(中腸腺)は部位特性として重金属のカドミウムが高濃度となる場合があることが公的機関からも注意喚起されており、犬には不向きと考えられます。また、カニ缶・カニカマなどの加工品は塩分やリン、調味料・保存料などの添加物が多く、甲殻類由来のアレルゲン曝露も増えるため、総合的に避ける判断が無難でしょう(厚生労働省などの周知情報)。

カニ味噌・缶詰・加工品に含まれる塩分と添加物の問題

加工過程で塩や調味料が加えられることで、腎臓・心臓疾患のある犬やシニア犬では特に負担になりやすく、与えるメリットが小さい一方でリスクは相対的に高いと言えるでしょう。

カドミウムなど重金属の可能性と甲殻類アレルギーの説明

カニの内臓部位にはカドミウムが蓄積する可能性が指摘されており、人に対しても摂取の注意喚起が行われている背景から、体格の小さい犬にはなおさら不適です。甲殻類アレルギーは初回でも起こり得るため、加工品を含め安易に与えない姿勢が安全です。

よくある質問(FAQ)

  • 犬が生のカニを食べたらどうなる? 生カニはチアミナーゼによりビタミンB1欠乏を招くおそれがあり、元気消失やふらつき、痙攣など神経症状が出ることがあるため、早めに動物病院へ相談するのがおすすめです(https://pshoken.co.jp/note_dog/dog_ngfood/case014.htmlhttps://moffme.com/article/780)。
  • 犬にカニを食べさせる時の注意点は? 生は与えない、無塩で十分に加熱した「身」だけをごく少量、初回は一口で様子見、殻・軟骨は完全に除去、加工品は避ける、異変があれば中止して受診の方針が基本です。
  • 加熱したカニは犬に与えても大丈夫? 条件付きで少量なら可能とされますが、塩分・殻の混入・アレルギーに注意し、頻度は「たまに」に留めるのが無難です(https://inunavi.plan-b.co.jp/crab/https://hotto.me/10428)。
  • 犬がカニの殻を食べてしまったらどうすればいい? 無理に吐かせず、食べた量や形状、時間、症状を控えて、かかりつけに連絡し指示を仰ぎましょう。嘔吐や腹痛、元気消失があれば緊急受診を検討してください。
  • カニカマやカニ缶は犬に与えられる? 塩分・添加物が多く、甲殻類アレルゲンの懸念もあるため、基本的に与えない方が安全です。

犬がカニを食べてしまったときの具体的な症状一覧と獣医を受診すべきタイミング

軽度の症状(嘔吐・下痢・元気消失など)

  • 一過性の嘔吐や下痢、食欲低下、腹部不快感、落ち着かない様子
  • 軽症でも子犬・シニア犬・持病持ちは早めの相談が安心です

重度の症状(ふらつき・呼吸困難・激しい痛み)と緊急受診の目安

  • 神経症状(ふらつき、痙攣、意識障害)、持続する嘔吐、黒色便や血便、強い腹痛、呼吸が荒い・咳が止まらない、ぐったりして反応が鈍い
  • 殻や甲羅の誤飲後に嘔吐が反復、腹部膨満、排便が止まるなどは腸閉塞のサインとなり得るため、直ちに受診しましょう

安全に与えるための具体的な準備と与え方(ステップで解説)

ステップ1:加熱と殻・軟骨の完全除去

無塩で茹でる・蒸す など中心までしっかり加熱し、チアミナーゼリスクを下げます(生は不可)。
身をほぐす際は殻・甲羅・軟骨・鋭い関節片を完全に取り除き、細かく刻んで喉や消化管の機械的リスクを減らします。

ステップ2:少量から試す・アレルギー反応の確認

初回はごく少量(ひとかけ)を単独で与え、24時間は嘔吐・下痢・かゆみ・蕁麻疹・咳や呼吸の変化を観察します。異変があれば即中止し、症状をメモして獣医師に相談します。

ステップ3:与える頻度と1回当たりの目安量(犬の体重別の考え方)

頻度は「たまのおやつ」程度に限定し、総摂取カロリーの10%未満を上限の目安にすると無理がありません。体重の小さい犬ほど相対負担が大きくなるため、超小型犬は耳かき一杯〜小さじ1/4程度から、体重が重くても小さじ1程度までを上限のイメージに留めると安全側です。腎臓・心臓・膵臓・尿路結石などの基礎疾患がある犬、シニア犬、子犬は原則として与えない方針が安心です。

結論:犬にカニを与える際の重要ポイントと緊急時のチェックリスト

カニは生は不可、加熱した無塩の身でも少量・低頻度・よく観察が原則で、殻や加工品は避けるのが安全側の判断です。

今すぐ覚えておくべき3つのポイント

  • 生カニはビタミンB1欠乏のリスクがあるため与えない
  • 殻・甲羅・軟骨は必ず完全除去し、細かくほぐした身だけを用いる
  • カニ味噌・カニ缶・カニカマなどの加工品は避ける

誤食時の緊急チェックリスト

  • 何をどれだけ、いつ食べたか、形状(生・加熱・殻の有無)を記録
  • 残っている殻やパッケージの写真を保存
  • 元気・食欲・嘔吐・下痢・呼吸・ふらつき・疼痛の有無を観察
  • 異変があれば無理に吐かせず、かかりつけへ連絡し指示に従う

編集部の補足(経験・姿勢)

当メディアは通販で扱われるカニの下処理や塩分管理に関する現場知見を有していますが、愛犬の健康に関わる判断は獣医師の診断を優先すべきと考え、記事では獣医師監修の一次情報・公的資料を参照して慎重にご案内しています。

参考

インフォグラフィック1
インフォグラフィック2
インフォグラフィック3

\お得に旬のカニを手に入れたいあなたへ/