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カニの名前の由来
北海道から沖縄まで全国に分布しているカニですが、名前の由来についてはあまり知られていません。さまざまな説がありますが、
という説が一般的です。他には、
という説もあります。カニには、こんなに名前の由来があったのですね。ではそんなカニですが、どのくらいの種類があるのでしょうか?
カニの種類
カニには数多くの種類があり、国内だけでも800種ほどが生息しています。
海水に生息するカニの名前としては毛ガニやズワイガニ、タラバガニ、ワタリガニなどが一般的です。主に海底に生息し、肉食性が強いため貝類やゴカイなどの多毛類を捕食します。また、雑食性でもあるため魚の死骸や脱皮した自身の殻も食用としています。
淡水に生息するカニの名前としてサワガニやモズクカニ、スナカニなどが一般的です。海水に生息するカニと同じように何でも食べますが、海よりもエサになる小動物が少ないため、落ち葉や水草なども食糧になっています。淡水のカニは、海水に生息するカニと異なり吸虫類の中間宿主となる種類が多いことから生食されることはほとんどなく、食用の際は加熱することが基本です。
日本で良く食べられるカニの由来と特徴
800種類以上いるカニですが、みなさんが普段目にするカニは「ズワイガニ」、「タラバガニ」、「花咲ガニ」、「松葉ガニ」です。そこで、これらのカニの名前と特徴についてご紹介します。
ズワイガニの名前の由来と特徴
カニの中で最も美味しいとされているズワイガニの名前は、細く真っ直ぐな小枝を指す「すわえ(楚)」がなまったものとされています。他のカニと比較して脚が細長いため、脚を「すわえ」に見立てたためこの名前になりました。主に日本海で捕獲されますが、地域によって越前カニや松葉ガニなど、名前が異なることが特徴です。
タラバガニの名前の由来と特徴
タラバガニは冷たい海域を好むカニで、主に北海道北東部のオホーツク海やロシア海域のタラの漁場で多く獲れることから「鱈場カニ」の名前となりました。カニと名前が付いているものの、一般的なカニと比較して爪と脚を合わせて4本しかなく、やどかりの仲間であることが特徴です。
花咲ガニの名前の由来と特徴
北海道東南部の根室半島で獲れる花咲ガニは、茹でると体全体が真っ赤になり、花が咲いたように見えることと、根室半島の別名である「花咲半島」の名前が由来となり、この花咲ガニという名前が付きました。全身がトゲで覆われていることが特徴で、味がよいカニとして知られています。
松葉ガニの名前の由来と特徴
松葉ガニはズワイガニと同じですが、主に山陰地方で獲れるカニを松葉ガニと呼びます。名前の由来は細長い脚が松の葉に似ていることや、脚を真ん中で折ると出る2本の細い筋が松の葉に似ていることが由来とされています。ブランドガニとして知られ、高値で取引される特徴があります。
面白い名前のかに一覧
国内に800種類ものカニがいるので、中には変わった名前のカニもいます。その一部をご紹介します。
- タダタダタダヨウカニ
エビによく似ていますが腹部がエビよりも短くやどかりの一種とされています。
- スベスベマンジュウガニ
全長4センチ全幅5センチ程度の小さなカニで、丸く滑らかな甲羅を持つためこの名前が付いています。しかし、全身の殻に猛毒のテトロドトキシンなどの毒を持つため、食べると命を落とす危険があります。
- エッチガニ
正式な名前をヒラツメガニと言いますが、甲羅の中央にH型の深い溝があるため、この名前で呼ばれるようになりました。
- スベスベケブカガニ
ケブカガニの一種ですが毛が全くなくつるつるした体表で、毛がないのにケブカガニの名前が付いているのが特徴です。
まとめ
同じカニでもその名前は、見た目や獲れる地域などで俗称や通称が一般的な名前になっているものも多く、それだけ日本人の生活に密着した生き物であると言えます。
カニの部位そのものも面白い名前が付いているのをご存知でしょうか。まず、爪の下の関節の部分を「ぼんぼり」、脚の第2関節を「ナンバン」、第3関節を「らっきょ」、腹部にある三角形の部分を「ふんどし」や「前掛け」と呼び、特にふんどしは産卵期のメスには卵が付いていることが多く、珍味として扱われています。
名前も部位も面白いカニ、食べる機会があれば、その名前や由来について考えてみてはいかがでしょうか。